学校の柔道の授業や部活動で発生した死亡事故が28年で114人(記憶なのでちょっと数が違うかも)と言う特集をしていました。
ところが日本の3倍の柔道人口が居るフランスでは死亡事故が1件も起こっていないらしい・・・
番組では「この差は指導者の医学的な知識の差に寄るのではないか?」と言っていました。
同様の事は音楽の世界でも言えると思います。
私は誤った奏法が原因で酷い腱鞘炎になり、その副作用で軽い右半身麻痺になりました。
少々痛くても我慢して長い時間練習すれば上手くなると信じていたからです。
その結果、楽器が吹けなくなりました。
幸い私は多くの人達の協力と応援でまたプロとして楽器を吹ける様にはなりましたが、一度壊れてしまった身体は元通りには成らず多くの制約の中で音楽活動を続けています。
リハビリの際多くの事を勉強して行く間に、「私の練習方法(奏法)は怪我をして当然であり、予防する事が出来た。」事を知りました。
更に、趣味で楽器を楽しんでいる方の中には顎関節症、腱鞘炎、気胸etc.多くの怪我の予備軍が沢山居る事にも気付きました。
私の所に奏法の矯正に来る方の殆どが既に何らかのトラブルを抱えてしまっています。
私は医者では有りませんので怪我を治す事は出来ません。一度身体を壊してしてしまったら「怪我と上手に付き合う方法」を一緒に考えてあげる事しか出来ないのです。
ちょっと「おかしいかな?」と思ったら酷くなる前に来て下さい。
音楽教室でも1回だけなら「無料体験レッスン」と言うシステムがありますし、自宅でも相談だけでしたら無料で構いません。
「私の様な思いをする人を少しでも減らしたい。」そんな気持ちから音楽教室や吹奏楽講習会等で指導を続けてきました。
しかし、一人の力で出来る事には限りがあります。
最近では指導する立場の人達が怪我等のトラブルを防止する為の知識を持つ事が大切だと思う様になってきました。
残念な事に、この様な活動の必要性を感じている人は余りにも少ない様です。
沢山の音楽関係の学校にも問い合わせてみましたが、まだまだ道のりは遠そうです。
音楽は芸術ですが、楽器演奏はスポーツと変わりません。
注意しなければ取り返しが付かない怪我をしてしまう事も有ると言う事を多くの人達に知って頂きたいと思います。
しかし、必要以上に楽器演奏に不安を抱くのも困ります。
正しい奏法は健康にも大変良い効果があります。
私の場合、楽器で身体を壊し、複数の大学病院で「楽器演奏は2度と出来ない。」と診断されました。
通常のリハビリでは機能を回復する事は難しかったのです。
しかし正しい指導の元で楽器を吹く事でリハビリの効果が向上し、また楽器が吹ける迄になりました。
指導する立場の方々、これからプロに成ろうとしている方々にこの様な事を勉強してもらう機会を作る事、一緒に勉強会を開く事は出来ないでしょうか?

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