「三重の食事」という本があります。
友だちが見つけて少し興奮気味に見せに来てくれました。
「聞き書き」と書いてありまして
昭和初期の三重県の食文化が実に丁寧に記録されています。
ちなみに他の県の物もありまして、感激でした。
どうしてかというと、その辺りまでの生活文化は
もうわたし達の世代にはかすかに感じるのみで
次の世代にはとうてい渡せないものだからです。
今ならかすかに残っている物をたぐり寄せ
しかもまだ生きておられるお年寄りから教えても貰えます。
「今」がタイムリミット。
そんなことを生活文化には感じています。
そこには人の知恵があります。
何もなくても何かを作り出す技があります。
文明にはいのちを引き裂いていくもの
(全てを否定しているのではありませんが)を感じますが
生活文化にはいのちを繋いでいくものがあると感じています。
「森の風」の「やさしい料理セミナー」では
そんな少し前の料理を薪を使って釜戸でご飯を炊くなど
昔の人たちの智恵をなぞってみて
眠ってしまいそうなDNAを揺さぶってみたいと思っています。
あ、「森の風」の全部がそんな事への密かな挑戦です。
楽しそうでしょ、ワクワクします。