3週間の一月が終わります。
それ以上の時間を過ごしたような気がします。
皆様の静かな励ましも感じつつ子ども達と
目いっぱい冬を楽しむことができました。本当に感謝です。
この子たちの毎日の活動を、大家さんご夫妻や運転手さん、白梅さんや他のいろんな方々に支えられていることを改めて深く感謝をしたいと思います。
今日、30日は朝明茶屋で遊ばせてもらいました。
「子ども達の遊びが変わった」というのが一番の実感でした。
自分たちで遊びを創りだすということ。
月曜日に楽しかったかまくらが今日は雨のために崩れる寸前でした。
H君が乗ってどすんと最後の屋根が落ちました。
その後、始まったのです。
こんなに大きな雪山で遊べた子ども達は
三重県でこの子たちだけでしたよ、きっと。
トンネル作りから始まりました。道具はその辺りにある大家さんの角材。
トンネルを掘り・・お昼からはトンネルが開通し、
こちら側にはしっかり丸太を使った階段が・・
そしてあちら側にはゲレンデが。
そうこうしているうちに「おうち作りたい!」。
その辺りに積んである板を今度は持ち出して、
繋げて繋げて「ガス管とおりま〜す」。
H君のお父さんのお仕事ですね。とにかく楽しくて仕方がない。
・・私はこの遊びを子ども達が始めるのを4月から待っていました。
そこにあるもので組み立てて遊ぶ・・構成して遊ぶ。
そう、これをもっともっとダイナミックにやってもらいたいのです。
そこに必要な道具を作り出したり、役割を持ったり・・
年中から年長の年齢の子たちの遊びです。
遊びとは「遊ばせてもらって」出来るものではありません。
自分の力で生み出していくもの。湧き上がってくるもの。
遊びはクリエイティブなものです。
広島のある幼稚園に「遊んでぼくらは人間になる」という園歌があります。
異議なしですね。
2月もゆっくりと子ども達の活躍を見守ることにいたしましょう。
さて、2月・・私は2月が好きです。かすかに春を感じるのです。
気配というか・・。まだ見えないけれども確実に近づいてきている・・。
季節のかすかな変わり目ってワクワクしませんか?
もうすぐ夏だ!とか秋の気配がする・・とか、冬のにおいがし始めた・・とか。
子ども達と歩いていると、きっと春が順々に見つかることでしょう。
フキノトウやツクシももうすぐです。
空の様子や空気、風を感じ、少しの変化にも心を躍らせながら過ごしたいです。
でも、残念ながら私が小さかった時より
確実に季節のはっきりとした変化が感じられなくなってきています。
小さな季節の変化ではなく、大きな地球の変化を感じます。
人の意識の変化も感じます。そんなことも子ども達と話していきたいです。
そして、子ども達にはもっともっと土と仲良くなってもらいたいですね。
「地に足をつけて」とはよく言ったものです。
森の風の子ども達は、しっかりと大地を踏みしめて歩く
逞しい足を持ち、よく働く手、測り、感じ、掴み、作り出す手を持ち、
小さな木の芽や虫や花や・・・不思議さや美しさを見つける目を持ち、
小さな鳥や風のささやきも聞こえる耳を持ち、
よい匂いを嗅ぎ分け、
いのちを守るために良い味覚を持っていてほしいと思います。
幼児期はそんなことを大切にしたいときです。
レイチェルカーソンの「センスオブワンダー」の中に
「感じることは知ることの何倍も大切」とあります。
「センスオブワンダー」は1956年に雑誌に掲載されたもので、
題は「あなたの子どもに驚異の目を見張らせよう」だったそうです。
レイチェルカーソンは「沈黙の春」を書いて、
地球環境について警鐘を鳴らした第一人者です。
1962年のことでした。それからすでに46年も過ぎてしまっていて・・
もっと私たちに聞く耳があったら、感じる感覚と感性があったらと思います。
私もここに住んで初めて身体の中に降りてくるものがあります。
知っていたものが感じるものに変わりつつあります。
身体の中から動き出すものがあります。
子ども達と歩き、遊び、畑の世話をし、山を歩いて感じるものです。
この子たちが大人になる頃、どんな世界がそこにあるのでしょうか。
どんな世界になっても変わらないのは私たち人間に与えられている
生きようとする力、よく生きよう、賢く生きよう、
温かく生きようとする魂の慟哭であると信じます。
教育はその魂の衝動を真理へ相互愛へと方向づけていく役割を
担っていると思います。
子ども達に今何が必要なのか静かに学びながら歩んでいきたいですね。
さあ、子ども達と探検の続きです。