終了日でした。
一年の感謝をお母さんたちにという
私たちからの思いもあって
子ども達とよもぎ団子を作って
お母さんやおじいちゃんおばあちゃんたちと一緒にいただきました。
「えんだより」 2008,3,21
今日で「森の風ようちえん」の一年が終わります。
一年間、皆様にご心労をかけ、励ましていただき、
こうして一年を終えることができますことを心より感謝を申し上げます。
たった一年ですが、まるで二、三年間、ここで過ごしたかのように思います。
いろいろな戸惑いや迷いの中で、これまでの大きな組織の中で、
あるいは認可幼稚園の保育現場で使っていた言葉が
通用しないもどかしさを常に感じてきました。
この自然の中に、子ども達をゆだねることで
どのような出来事が起きてくるか、子ども達がどんな様子になるか、
反応はどうであるか・・というようなことが
これまで使っていた言葉では上滑りしてしまう、
ぴったり来ないのでした。でも、一年たった今、
ようやく少しずつ「森の風の言葉」が私の中で生まれつつあります。
イタドリを「おいしい!」と言って分け合った子ども達、
枇杷の皮も「おいしい!」といった子ども達、
お米のにおいが「いい匂い!」と言った子どもたち、
大人の目には子どもが喜びそうなものが何もない山の斜面を
「あそぼ〜!!」といって喜々としてかけ降りていった子ども達、
行ったことのない所に「行ってみたい!」という子ども達、
「ここは鹿の角山かもしれない、たしかめてみよ!」
と言って斜面を駆け上がって行った子ども達、鳥の声に耳を澄まし、
小さな花やシダにも目を留める子ども達・・・
そのような様子はある程度予測できていたとはいえ、
私にとって新しい体験でした。私自身も季節の移り変わりや、
草や木々や小さな生き物たちの生活、
畑や田んぼを大切にしている人たちの営みを
これほど敏感に感じたことはありませんでした。
その意味では驚きや感動の連続でした。
一年を振り返って子ども達としてきたことを思い出してみると、
本当に豊かな体験をしています。
自然とのかかわりだけではなく、
村の方々からも本当に優しくしていただきました。
私たちではなく、周囲の人々にしていただいたことは
子ども達にとって大切な出来事ですね。
そもそも「森の風」は大家さんさんご夫妻をはじめ
多くの人々の温かい思いが集まって始まりました。
このことが「森の風」の豊かさであります。
そのことを決して忘れてはならないと思っています。