5月の聖書
「初めに神は天地を創造された」創世記1:1
聖書の冒頭の言葉です。なぜ、私たちがここに存在しているのか・・
そんな問いに創世記は応えようとしているかのようです。
この天地創造の物語の中に何度か繰り返して出てくる言葉があります。
それは「神はこれを見てよしとされた」と「神は祝福して言われた」です。
その中でも神は人を特別な存在として創造されたとあります。
今の季節はいのちが芽吹、いきいきと生きようとしている
あらゆる者たちのいのちのシンフォニーが聞こえてくるかのようです。
そんな生きとし生ける者たちの中に不思議や美しさや畏れを見て、
自分の心と対話していくのは人として生かされていることの
喜びではありませんか!そしてまた、
人としての責任でもあるかと思っています。
子ども達と共に、子ども達の中にそれを「見つける」ことができたら幸いですね。
5月のテーマ「みつける」
人は成長する時、それまで獲得したものを危険にさらすと言われます。
何かの本で読んだと記憶していますが、大変納得しました。
4月、入園してきた子ども達はおうちで守られて安心して
過ごしていたのに、大好きなお母さんと離れて、
初めての社会に一人で出なければなりませんでした。
お母さんも切なくなって思わず涙が出てしまわれたり・・・。
昨年からいた子たちも、これまでの自分の居心地の良い環境を
一旦ご破算にしてもう一度自分の居場所を確保しなければなりませんでした。
不自由さや不安定感の中で過ごしていると思います。
以前、3歳で入ってきた男の子が泣きながら
「ぼく頑張ってる」といったことを思い出します。
そうか、頑張っているから涙が出るんだと、その時初めて分かりました。
前に向かおう、次に進もうとするので、不安があったり、
おそれが出てくるんですよね。
お母さま方もいろいろな思いがおありかと思いますが、
子ども達は自分の力でちゃんと乗り越えていきますから、
楽しみにしていてくださいね。
始まってから3週間が経って、みんな揃って15時降園になりました。
先日、散歩の道すがら、後ろからこんな会話が聞こえてきました。
「Rくん、私たち仲良しだね」「うん、仲良しだね」「ずっと一緒だね」「うん、ずうっと一緒にいたいね」
なんてかわいい会話と思っていたら、「ねえ、先生、ぼくたち、仲良しだよ」と私にも幸せのおすそ分けをくれました。「うん、優しいお話が聞こえてきて、私もとっても嬉しかったよ」
そして、その日、田んぼで遊んで着替えをして帰る時間になりました。
でも「さぁ、帰りますよ」の先生の声が聞こえない・・
みんなが着替えているのに見えない・・・「もう出発」なのに、
まだパンツで遊んでいるお友達に必死になって「ほら、着替えないと」と
後ろから服を引っ張っている3歳のMくん。
きっと「大変!みんなに行っちゃうのに!」と心配になったのですね。
こうやって周りが少しずつ見えてきた子ども達。
見えてきた子ども達を待っている田んぼや畑、
つねさんの小屋のあたりには小さな色とりどりの花がいっぱい咲いています。
その花たちの間には小さな虫たちがいっぱいいます。
田んぼではトンボが飛び始めています。鳥たちも鳴いています。
ツバメが巣を作り始めました。田んぼにも水が入り、
田植えが始まりました。山も毎日色が変わり、
むくむく動いているように見えます。
沢山の小さないのちが誕生してくるときです。
居ながらにして「いのち」のあふれてくる様子に圧倒されます。
子ども達は毎日自分の足で歩きながら、どんなものを、何度、「みつける」ことができるでしょうか。
そうやって、子ども達が安心してようちえんで生活できるのは
お父さんやお母さんが居てくださるから・・ということ、
その守りの中にあることも感じていきたい5月です。