ずいぶん前にDVDを借りて映画を観た。
南アフリカのアパルトヘイトの映画だった。
その中にまだ若い活動家のマンデラ氏が出ていたのを
どうしてかかすかに覚えている。
印象的だったのは、黒人の子ども達に
黒人の人形と白人の人形を見せてどちらが可愛いかと尋ねる。
すると全ての子どもたちが白人の人形をとる。
白人の人種差別を成功した理由は
こうして黒人自身が自分たちは劣っていると思わせたことだ…と
その映画は語っていた。
私が映画を見たころはマンデラ氏は投獄中だったと思う。
そして、その次マンデラ氏の名前を聞いたのは大統領になったとき。
その時多くの白人は報復に怯えたそうだ。
しかし、「報復をしてはならない」と「白人がしたことと同じことを
自分たちはしてはならない」と赦しと融和を説いて
南アフリカを治めたという話はあまりにも有名だ。
獄中に27年。信じがたい忍耐。
今朝の新聞の一面はマンデラ氏の死と秘密保護法強行採決で埋められた。
人々の平和と安心のために赦しを説き、自らの命を惜しまなかった偉大な政治家と
「秘密保護法案」の強行採決を押し切った政治家たち。
このコントラストに言い知れない嘆きを感じたのは私だけではないはず。
子ども達に希望と安心を残していくために私たち大人は何をしたらいいのか
森の風はしっかりと大地に根を下ろし、深く地下水をくみ上げ、
生き方を自身の価値観を常に洗っていかなくてはならない。
忍耐を持って祈りつつ。