東急は田園都市線の過酷極まりない混雑を緩和するための切り札として、かねてから大井町線の輸送力増強策を推進中ですが、その真打ちというべきものが、来年3月の旗の台駅改良工事完成と急行運転開始です。そこで使用される急行用の6連として、8090・8500・9000系を編成替えしたものではなく、全く独自の正面形状とカラーリングを備えた新型車両を投入する旨が発表されたときの衝撃といったら……「何じゃこりゃー!」の一言でした (^^;)。普段「走るんです」趣味は特にない私ではありますが、イラストの印象が余りにも強烈だったからこそ、田都ユーザーのはしくれ (?!) として実物の出来具合が気にならざるを得ませんで……(^^;;)。そこで、6000系と正式に命名された第1編成が東急車輌を出場して甲種輸送された今日、平日休みを利用して逗子を訪れてみました。
今回意表を突かれたのは、最近の5000系列や7000系の甲種輸送とは異なり、編成を分割したうえで先頭車を中間に挟み込んでいたことです (-_-)。恐らく、余りにも尖った正面の形状が甲種輸送に際して支障を生じるのを避けるためでしょうか。そして、先頭車どうしは特殊な連結器 (?) で連結されており、神武寺を出発するまで関係者が入れ替わり立ち替わり先頭車の連結部にやって来ては、連結器などの様子を念入りにチェックしていました。
【左上】屋根の上まで真っ赤。
【左下】正面左側に車号表示、そして貫通路。
【右上】正面右側に新7000系と同様の「Series6000+編成番号」表示。
【右下】デハ6500はダブルパンタ装備。
実物を見ての感想は……新7000系と同様、完成予想イラストと比べて全然上出来なのではないか、ということに尽きます。もっとも、屋根から正面へとつながる赤いアクセントと、恐ろしく尖った正面形状の組み合わせは、個人的には何やら天狗を思わせるデザインで、今ひとつミョーなのは否めないのですが……(^^;)。でもまぁ、こんな仕上がりでしたら見慣れるのも時間の問題でしょうか。特に側面の斜めライン、やけにデジャヴュを感じたのですが、そうだ、思い出しました。むかし国鉄185系が登場した際に鉄道雑誌で紹介されたデザイン構想の中に、こんな感じの塗装があったはずです (こういう発想が思いつくのは三十路以上だけ? ^^;)。
それはさておき、ひとつ気になったのは、地上線用車両ながら正面貫通となっていることです (そういえば新7000系もそうでした)。そこで将来構想として、単に大井町線車両というにとどまらず、5000系の後継世代として田都・東横にも投入されるのかどうか……そもそも6000系と名乗る以上は5000系列とは性能が異なるはずですが、どこがどう違うのか……東急による公式アナウンスが待たれます。もし大井町急行用の少数派でとどまるとしたら、先代の6000系と同様、東急で6000を名乗る車両はマイナーな運命をたどるという印象が定着しそうですね (^^;)。
こんな感じで甲種輸送を眺めたところで……又しても気になってきたのは、大井町線に残る8001F、そして弘南鉄道に残る6000系の今後だったのでありました。