2016/8/11

河原井・根津裁判最高裁勝利判決報告集会  X日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 6.・19裁判勝利報告集会 (「君が代」解雇させない会ニュース)
佐藤茂美

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(レイバーネット日本提供)

 河原井さんはこの報告集会で次のように述べています。
 「2012年1月16日最判は「戒告を超える減給以上の処分は違法」とし、減給以上の処分を取り消しました。しかし根津さんの停職3月処分を取り消しませんでした。まさしく分断判決です。私は1月16日の前日、「勝訴」、「不当判決」、「分断判決糾弾」の3本のプラカードを作りました。残念ながら「分断判決糾弾」を掲げざるを得ませんでした。今回は分断を許さず、心より勝利したと実感しています
 まさしくその通りだ、と多くの人が感じたことと思います。


 根津さんは「私が生きているうちにこんな判決を聞くことができるなんて思わなかった。本当にうれしい。またこの不起立の10数年間、本当に苦しいこともたくさんあったが、支えてくれる生徒達がいたことですべて乗り越えられた。生徒達に本当に感謝している」と述べました。

 本集会の参加者は60名弱でした。その中に根津さんの教え子2名が駆けつけてくれました。
 Kさん、「根津先生はどうして処分されたのかと他の先生に聞くと悪いことしたからだという返事が返ってきた。いろいろ歴史なども調ぺてみると、自分の意志でした『君が代不起立』がそんなに悪いことなのかと疑問に思った。根津先生といろいろ話してみて、自分の思ったことに忠実に生きることが大切だと本当に学び、今の自分があることに感謝している」
 Tさんは「小学校の時は体が不自由なので特殊学校に行けと先生に言われた。しかし根津先生に会い、中学で担任になってもらい、普通に中学校生活を送ることができ感謝している。3年前がんで亡くなった母は本当に喜んでいた」
 根津さんにとって教え子二人の言葉は、どんな賛辞にもまさる至極の言葉であったのではないだろうか。

 この報告集会では、裁判を主体的に担ってくれた岩井、和久田、萱野弁護士に思いを語ってもらいました。
 和久田弁護士「この判決いろいろ限界はあると思いますが、とりあえず分断を許さず河原井さんも根津さんも処分取り消しを勝ち取ったということはよかったと思います。この10年いろいろありました。2006年事件の地裁、中西判決でどんーと落とされ、高裁判決では加藤裁判官の感触がよかったので勝てるのではと思ったがまた敗訴。最高裁では河原井さんは勝訴したが分断判決と浮き沈みの激しい10年でした。この間、弁謹団会議は170回に及びました。勝ててよかった。」

 萱野弁護士「私は1997年に弁護士登録したが、その2年後1999年から根津さんにかかわり始めた。『全国の校長はオウム真理教のように都教委によってマインドコントロールされているのではないか』(自作の教材プリントの一部分)に対しての文書訓告。それから10年、今日に至っている。私の弁護士人生は君が代裁判とともにあるといっても過言ではない。ちょっと振り返るといろいろなことがあった。2006年地裁中西判決、その後会いたくないと思っていた中西さんといろいろなところで出会うことになりことごとく苦杯をなめている。彼は今、高裁民事21部にいる。2008年事件は今年度で結審すると思う。もし敗訴すれば当然控訴する。高裁では絶対に21部は避けなければならない。そのために何としても勝利するために頑張りたい」。

 今回の報告集会は勝利を祝うことだけではなく、判決の持っ意味をしっかり検証し、今後の闘いにどう生かしていくのかを考える糧とする重要な意味を持つ会でした。そこで岩井弁護士より判決の内容、判決の意味するところ、そして今後の裁判(2008年、2009年〉にどう生かしていくかをお話していただきました。

 2012年1月16日最高裁は、河原井さん他多くの「君が代」不起立処分者に、都教委の処分は裁量権を逸脱しているとして処分取り消しの判決をだしました。しかし根津さんにだけは「過去の処分歴」や「不起立前後の態度等」により、都教委による3月処分は妥当とし、上告を棄却しました。私、岩井は、河原井さんとともに「分断判決」という旗を上げました。上げざるを得なかった屈辱的な判決として重くのしかかってきた判決でした。
 しかし今回の最高裁判決は河原井さん、根津さん共に処分取り消しといううれしい内容の判決でした。この判決を書いたのは須藤典明裁判長です。いろいろ調べてみると、須藤裁判長は過去のいくつかの判例で、例えば国労バッチ不当労働行為裁判における2013年1月28日高裁判決、「君が代」不起立処分再発防止研修停止命令裁判における2004年7月23日判決(この裁判は残念ながら敗訴でした)においても、今回の高裁判決と同じく、価値が対立する事例に対して機械的、加重的に処分を繰り返すことは違憲、違法になることがあり得ると述べています。この2例同様、高裁の裁判長が須藤氏であったことは幸運であったともいえるかも知れません。
 しかし喜んでばかりはいられません。現在争っている根津さん、河原井さんの2008年裁判では、都教委は根津さんについて、「君が代」不起立処分に合わせて、「君が代強制反対・オブジェクション」と書いたトレーナー着用(この件で都教委は卒業式前の2月に処分を企図しましたが、処分できず)問題を処分理由に挙げてきています。根津さんはいつも当たり前のように、このトレーナーを普段着として着用しており、それまでに校長から何ら指摘を受けていませんでした。この裁判は簡単ではないと思っています。都教委の思惑を打ち破るべく、気を引き締めて裁判に勝利したいと思っています。

 以上簡単ですが裁判勝利集会の内容について報告させてもらいました。会の雰囲気が伝わったかどうかはなはだ心もとないのですが……。

『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇させない会ニュース 57号』(2016.7.6)

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