2016/12/23

都庁で働く皆さま 都民の皆さま 2016年12月22日号  
  《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
 ● 原発事故の現実を押し隠す「オリンピックの欺瞞」
   〜谷口源太郎さん講演

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(スポーツ評論家の谷口源太郎さん:レイバーネット日本から)

 リオが終わりいよいよ本番とばかり2020東京オリンピックへ官民一体の本格的な取り組みが始まっている。このままその渦にまきこまれていいのだろうか。
 オリンピックを原点にもどって考えようと、スポーツ評論家・谷口源太郎さんの講演会「オリンピックの闇と病み」(主催:河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会)が12月4日東京・スペースたんぽぽで開かれた。
 〈たにぐちげんたろうスポーツを社会的視点からとらえた批評を手がける。著書に「日の丸とオリンピック」(文藝春秋)「スポーツの真実」(三一書房)等。「週刊金曜日」でお馴染〉 


 谷口さんは、冒頭、福島の原発問題こそ、2020年東京オリンピックが抱える根本的欺瞞だと訴えた。
 10月にIOCのバッハ会長が、野球・ソフトボールの開催を福島で行うと提案した。「復興の意味でパワフルなメッセージになる」というのがその理由。
 しかし、帰還を迫られる現地の人々は、オリンピックどころではないというのが本音だ。汚染水の垂れ流しは続き、緊急事態宣言は、まだ生きている。「その中でオリンピックを呼ぶ非人間性はもっと告発されなければいけない」と、谷口さんは力をこめる。しかし、マスメディアは沈黙したまま。

 8月にNHKの解説委員がニュース番組で、オリンピックのメリットを5項目あげ、その第一番目に「国威発揚」を挙げた。民放では、かなり前から、スポーツに関する批判はタブーになっているという。
 2018韓国・平昌(冬季五輪)と2020東京の放送権料は660億円。その中で「いかにスポーツタレントを生み出すか。金メダリストを視聴率稼ぎの目玉商品にするかが、目的になっている」。大手新聞も、各社150億円でスポンサー契約を行い、自ら応援団を自称している。
 こうした事態の中で、「一般の人たちは、オリンピックの抱える問題を聞く手立てがない」と谷口さんはなげく。

 そもそもオリンピックは、どこから変節してきたのか。
 1980年のモスクワ大会は、ソ連のアフガニスタン侵攻を理由に西側諸国がボイコット。「オリンピックが理念として掲げた相互理解、平和運動としての在り方を根本から覆した」。
 84年のロス五輪では、市が税金を出さないと決定したことから、大企業がスポンサーになり、徹底した商業主義を展開。これが大成功したことから、IOCは以後、自らを企業化し拝金主義の流れが決定した。

 それでは、今回の東京オリンピックについて言えば、「安倍・森(オリンピック組織委員会会長)の狙いは、国威発揚と国家威信を世界に顕示すること」。国家プロジェクトなのだから文句を言わずについてこいというのが、彼らのやり方だ。
 森は“one for all, all for one”という言葉が好きだが、“チームワークとともにひとり一人の助け合いも大切だ”と言っているこの言葉を、これこそ“滅私奉公”だと真逆のコメントをしている。

 「金メダル30個の目標を掲げ、原発事故の現実を押し隠す“復興オリンピック”こそ、最大の欺瞞だ」と谷口さんは語った。

 いまオリンピックは、自然破壊や巨額の経費が批判され、立候補をとりやめる都市が続出している。「理念も理想もなくなったオリンピックは確実に終焉に向かっている」と谷口さんはしめくくった。

 オリンピック予算は2兆円近くに膨らむ一方で、原発事故の自主避難者への住宅支援(70億円・年)は来年3月で打ち切られようとしている。〈東日本大震災復興支援五輪〉の原点に戻って考えよう。
(レイバーネット日本 http://www.labornetjp.org/news/2016/1204sasaki

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