2017/1/9

すでに現実となった「戦争」  ]平和
  =2017 起 upstanding 「労働情報」時評自評=
 ◆ カギ握る沖縄と本土の共闘
鎌田 慧(ルポライター)

 いま、沖縄で起きていることは、やがてかならず、「ヤマト」へむかってくる。
 「オール沖縄」の抵抗闘争とファッショ的国家ぐるみの弾圧。沖縄での新基地建設と南スーダンへの駆けつけ派兵は、国家の獰猛さをますます強めそうだ。すでにテーマは、戦争なのだ。
 沖縄に派遣された米軍オスプレイ隊は、民家の上を飛びながら、ロープで戦闘員をつり下げ、資材を運ぶ戦闘訓練を実施している。そして予感されていたように墜落。もう一機が胴体着陸。建設中のオスプレイパッド(発着場)の建設には、自衛隊ヘリが投入され、建設作業員が警察車両で運ばれた。
 各県警から派遣された、500名の機動隊員は現場を踏むなかで、しだいに敵意を増幅させてる。
 「ボケ、土人」
 「コラ、シナ人」
 デモ隊にそそぐ視線は鋭く、とんがっている。植民者の警察の視線である。


 優位性と差別意識がないとデモを鎮圧できない。
 安倍首相が、国会で自衛隊、警察官に拍手を送ろうと提案、自民党議員たちが、一斉にスタンデングオベーションをしたのは、「戦場」に送るセレモニーだった。
 「土人、シナ人」発言警官の雇用主である、松井大阪府知事が、公務員の市民への暴言、という犯罪的行為を咎めることなく、「ご苦労さん」と激励したのは、戦場の論理である。
 それを鶴保沖縄担当大臣も追認、閣議も容認した。人権意識ゼロの内閣が、南スーダン派兵後の混乱にどう対処するか、眼を離すことはできない。

 最高裁は翁長雄志沖縄県知事の「辺野古埋め立て取り消し請求」の抗告を門前払い、高江住民の「オスプレイパッド建設阻止仮処分申請」も無視、司法が安倍内閣に従属した決定をだした。
 抵抗する者は微罪で逮捕、運動のリーダー・山城博治議長を別件で再逮捕しつづけて長期勾留、靴下の差し入れさえ拒否している。すでに戦後の「民主警察」は消滅し、戦前の治安警察が復活している。

 いま、沖縄に無関心では、これから予想される政府の強権、暴力、弾圧政治を防御できない。
 沖縄高江では、参加したすべての市民の動きがカメラでチェックされている。路上の動きはマンツーマンで規制され、移動は機動隊員の人垣で封鎖されている。座り込めば1人ずつごぼう抜きされる。
 眼を疑うのは、オスプレイパッド建設のために、いのちの森を破壊して、樹木を伐り、大地に穴を空け、膨大な土砂を埋め込んでいる事実である。そのためのダンプカーは4台ひと組、その前と後ろをパトカーで護衛する「コンボイ」(護送作戦)である。
 安倍首相が米国に約束した、年内完成、12月22日、「北部訓練場」返還式、それへの参加を翁長知事は決然と拒否した。
 沖縄にむける植民者意識を、わたしたちはどれだけ払拭できるか。それはこれからの共闘にかかっている。
 政府対沖縄、この沖縄に屈服を迫る日本強権政治の猛攻撃は、戦争、原発、労働法制とたたかうわれわれへの攻撃である。
 細心にして大胆に、未来を引き受け、決意あらたに、年初から、果敢に運動をはじめよう。

『労働情報 950・1号』(2017/1/1・15)

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