2018/8/20

人種差別撤廃委員会 8/16午後、委員からの質問の続き(9人)  Z国際人権
  《前田朗blogから》
 ◆ 人種差別撤廃委員会・日本政府報告書審査(2)
   2018年8月16日午後4時30分〜6時
   国連人権高等弁務官事務所(パレ・ウィルソン)1階会議室
   人種差別撤廃委員会96会期


 *以下の記録は現場での簡単なメモです。ダブルチェックを経ていません。残念ながら意味不明の部分もあります。訳語の選択もいい加減です。CERDの雰囲気をごくごくおおまかに伝えるものとしてご了解ください。論文等で引用することはできません。

 *マルガン委員
 ヘイト・スピーチを規制する人種差別撤廃条約4条abについて、日本は留保しているが、スタンダードな実行のために留保を撤回できないか。人種差別撤廃委員会の一般的勧告35に照らして、条約4条abは重要である。
 表現の自由という理由で、ヘイト・スピーチを放置するべきではない。刑罰が設定される必要がある。憲法の制約があると言うが、実際の管理はどうするのか。


 京都朝鮮学校事件判決では、侮辱罪、業務妨害罪、器物損壊罪のみが適用され、差別に対する対処がない。差別的表現をどのように特定するのか、法律がない。
 ヘイト・スピーチ解消法には罰則がない。犯罪というものには必ず罰則が伴う。実際に起訴されないなら、差別被害者は堪え忍ぶしかないのか。
 「コリアンを殺せ」と煽動する犯罪者、犯罪の煽動が明かなのに、表現の自由を口実に放置するのか、日本政府としてどうするのか。明らかに差別を煽動しているのを放置しているのか、犯罪化しないのか。

 40%の外国人が住居差別を経験し、30%が侮辱された。外国人に対する深刻な差別があることを日本政府は理解しているのか。このようなヘイト・クライム、ヘイト・スピーチの被害者は、政府に被害報告できるのか。被害報告に対応して政府は措置を講じるのか。被害者の恐怖を取り除くことをしたか。財政支援をしているか。ヘイト・クライムについて、政府は警察にどのように教育しているのか。どのように減らすのか。コリアンは日本で恐怖なしに暮らすことができるのか。コリアンが名前を日本名にする、通名にせざるをえないのはなぜか。

 *マクドゥーガル委員
 「慰安婦」問題について、私は過去に触れたことがある。25年間、この問題に取り組んできた。理解できなかった部分もある。日本が障壁に直面しているようだが、償いをすることは容易なこと、当たり前のことである。最終的な解決をして欲しい。2015年の日韓合意では不十分である。和解は十分とは言えない。人権侵害に関する請求が多数ある。被害者を含めて、どのように応じるべきか、謝罪することである。この問題は、女性の尊厳の問題である。韓国の被害者が一番多いが、他国の女性に、そのような人権侵害をした。
 ヘイト・スピーチも関連する。ヘイトが続いている。差別発言をした政府高官が罰せられていない。韓国人へのヘイト・スピーチがあるが、野放しの中心は「慰安婦」に対するもので、傷口が広がり、長く続きすぎている。

 女性に対する暴力、特に沖縄にも関心がある。沖縄の米軍による女性に対する暴力にも関心を寄せたい。

 *ムリオ・マルティネス委員
 アイヌの人口について、実態調査、7つの調査があるというが、2013年報告では、社会は差別をどう見ているか。33%の市民社会が差別を受けていると感じている。学校で、職場で、結婚で、さまざまな差別がある。今後も調査するのか。差別にはどのような刑罰が科されるのか。差別に対処する法律はあるのか。法律の統計的な影響データはあるか。被害者側の立証責任は、職場での差別についても適用されるのか。人種差別は職場でもおきる。

 直近、コロンビアの日本大使館職員に会った。差別問題がグローバルリスクにとってどれだけ重要か。アフリカの先住民族は、気候変動のリスクにさらされている。現代では社会が小さくなり、相関関係が大きくなり、ある変化がみんなに影響を与える。
 日本はもっと活発にアフリカからの移民に取り組むことができるのか。世界的な人種差別問題に取り組むために日本は何をしているか、することができるか。日本には国際企業が多いが、人権保護の基準をどう設定しているのか。企業が外国で活動する場合の基準のことだ。

 *イザク委員
 日本には2回訪問した。マイノリティ問題で、日弁連の招待を受け、NGOにも会った。大阪、東京で部落差別問題について話を聞いた。社会におけるヘイト問題である。
 差別、新聞、ソーシャルメディアでのコメントがあった。というのも、私の書いたことが日本語に訳されたので、いろんなコメントが書かれた。

 ヘイト・スピーチだが、誰がスピーカーなのか。どういう表現、文脈、経緯なのか。明らかにするべきだ。被害がどういうものかだけでなく、全体を見るべきだ。2016年以後も続いている、ヘイト犯罪は増えていると聞いている。2015年の法務省の数字では2000以上のヘイトデモがあったという。政府は、社会に対してもう一歩踏み込む政策が必要である。対話、多様化が不可欠であり、マイノリティに対する表現について措置を講じるべきである。

 先住民もそうだが、マイノリティの表現を見る必要がある。マイノリの声が伝えられない、マイノリティのメディアを支援することが、ヘイト対策として必要である。

 部落民の状況について、委員会の前回最終見解が出ている。部落民が世系に該当しないという日本政府の解釈は残念である。2002年の同和対策事業の終了から、2016年の法律に至ったが、具体的にどのように差別対処をしているのか。
 違法な戸籍調査に、刑罰はあるのか。部落地名総監事件、インターネットへのアップについて、差別撤廃のための抑制、禁止、制裁がないことに懸念を持つ。法律は部落に平等な状況を提供しているか。部落民が政策決定に参加して状況改善できるか。どのように保護するのか。
 内閣や政府の対策はどうなっているか。意識向上、啓発のために何をしているのか。

 *カリザイ委員
 外国人には権利が認められているか。外国人は、各種の支援を受け取る際、日本人と同様でない場合に、これに対して申し立てできるのか。支援センターを利用できるのか。「サービスは受けられるが、権利はないのか」、権利があるのか。裁判判決でも公的支援を受けることができないとしているようだ。外国人が公的サービスを受ける条件は日本人とは別の資格を必要とされていないか。日本人はできるが、外国人はできない。

 日本人と結婚した女性には定住ビザが与えられるが、移民女性は離婚すると権利が失われ、警察にDVを通報できない問題がある。これに対応する必要がある。

 コリアンは日本政府によると少数民族ではないと言うが、市民的政治的権利に関する国際規約27条のもとでマイノリティ(少数者)に該当する。マイノリティとして、差別を受けない権利が認められるべきだ。旧植民地出身者の人権保障の必要がある。
 日本人と同じ権利があるか、自分の文化を学ぶことができるか。日本はまだ人種差別撤廃をしていないように見える。国籍や民族に基づく差別を調査すべきだし、差別がおきないように、差別に対処するように、憲法以外に具体的な法律が必要である。
 植民地出身者の多くの在日コリアンは、日本で生まれ育っている。日本の法律上の義務は果たしているのに、公務就労が制限されている。教員について、公立学校の教頭や校長になることができない。権利が何故ないのか。私がきいた例では、教員として生徒に接したいので、教頭になりたいわけではないが、できないことが問題だと言っていた。こうした差別を取り除けないか。コリアンは長く定住しているし、3世のコリアンもいるという。

 *アフトノモフ委員
 再入国許可制度、2年以内、永住者は免除、DPRK(北朝鮮)のパスポートを持っていると別扱いになっているのは本当か。国交がないからと言うが、日本と国交がないのは他にもある。台湾、パレスチナのパスポートを日本は有効だと認めている。平等に扱われているか。この問題を解決することは容易にできるのではないか。

 中国人技能実習生の件だが、出稼ぎ労働になっている。労働組合の情報によると、インターンを派遣すると称して、訓練前に手数料名義で搾取がなされている。借金をおわされ、負債が発生したままである。労働組合情報によると、帰国した技能実習生の70数%は前納金、返還されなかったという。

 移住労働者について、法令違反が報告されている。最低基準違反、賃金不払いがある。厚生労働省は労働安全衛生規則を定めているが、守られているか。

 *リー委員
 4条abを留保しているのは、残念である。これでヘイト・スピーチに対処できるのか。ヘイト・スピーチ解消法には具体的な政策がなく、予算がなく、調査の具体的方策もないので、懸念している。
 ヘイト・スピーチは、アジアに対するもの、中国に対するものが増えている。ヘイトをする政治的集団がつくられている。4条の留保撤回を再検討してほしい。そうしないと効率的な予防策をとることができない。また、ヘイト・クライム、ヘイト・スピーチの被害者の救済はあるのか知りたい。

 技能実習生は27万人以上のインターンという。2017年の法律があるが、違法行為について刑罰がない、差別に対する制裁がない。移民労働者が長時間労働、賃金差別、労働条件の劣悪さのもとに置かれ、借金を払うまで帰れない。帰るにしても受け入れ会社、監督機構に対して恐怖があり、申告できず、人権が守られていない。

 慰安婦については、前回勧告への応答は遺憾である。日本は国際的コミュニティの声を聞いて、きちんと解決して欲しい。

 *鄭委員
 慰安婦問題は長い間、人種差別撤廃委員会だけでなく、多くの国連機関で議論されてきた。1990年代から議論してきた。この問題は、韓国人にとっては大きいが、しかし、日本と韓国だけの問題ではない。これは人間の尊厳の問題である。アジア、ヨーロッパ各地に被害者がいる。日本が適切な対策措置を取れば世界中から歓迎される。女性の人権擁護の否定、名誉毀損があるのは残念である。

 朝鮮学校について、地方自治体はそれぞれが助成金の判断をするという。政府は不適切な場合は適切な措置を執ると言うが、NGOからの情報によると、地方政府の助成金について、馳浩氏が、各地の自治体に2016年3月、通知を出して、DPRK(北朝鮮)との関連を見るように指示している。知事は政治的理由で支援しない例が出てきた、支援がとめられた例がある。

 オンラインのヘイト・スピーチは非常に大きな問題である。不当な事実、情報が拡散し、世界中に伝わる。韓国にも伝わる。日本政府はどう対処しているのか。

 部落民について、人種差別撤廃委員会は、2010年に包括的定義を勧告し、2014年にも統一的な定義がないとした。かつて、国連人権委員会・人権小委員会が「職業と世系に関する調査」を行ったときにも議論した。なぜ日本政府は部落民を「世系」に入れないのか

 *ディアビ委員
 意見表現の自由との関連であるが、ヘイト・スピーチ解消法にもかかわらずヘイト・スピーチが続いている。他の法制度も使い、メディアも使って、ヘイト・スピーチを抑制することはするのか。

 琉球について、日本は先住民族ではないというが、人々が苦しんでいる。空軍基地があり、事故が起き、墜落がある。事故の統計はあるのか。今後、住民を保護するのか、基地の近くに住んでいる人を守るのか。

 1952年に旧植民地出身者の国籍喪失がなされ、無国籍の人々が作り出された。無国籍条約についてどうするのか。

 移民、イスラムのプロファイリングが行われている。このことについても情報が欲しい。

Posted by 前田朗

『前田朗blog』(Friday, August 17, 2018)
http://maeda-akira.blogspot.com/2018/08/blog-post_17.html

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