2018/8/29

本土に燃え広がる「対岸の火事」  ]平和
 ◆ 対岸の火事 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 ヘリコプターの爆音が近づいてくると、最近、つい首を上げて空を見上げる。というのも先月六日、新宿で会合があって自宅から駅にむかっていたとき、重い爆音とともにオスプレイが上空を飛び去っていったからだ。
 わが目を疑った。二、三日してからだが、埼玉県の米軍所沢通信施設に訓練目的で飛来した、との記事が本紙にでた。抜き打ち訓練だった。

 一九九五年の米兵三人による少女暴行事件。戦時中の集団自死はなかった、とした教科書書き換え問題。オスプレイ配備反対。そして先日の辺野古米軍新基地建設反対など、沖縄では八万人前後の県民大集会がひらかれ、私も参加してきた。


 それぞれの集会は地元の琉球新報や沖縄タイムスで、第一面と最終面との二面をぶち抜きにした大特集記事が組まれ、世論の盛り上がりを反映している。
 ところが、「本土」の新聞は、沖縄の叫びに冷淡というか、扱ったにしてもちいさく、いわば対岸の火事状態だった。

 対岸の火事と言えば、日本を戦争に巻き込む「安保法制」の必要性をテレビで説明する安倍首相は、米国の火の粉が降ってきたとき、日本の消防(自衛隊)が駆けつける漫画を利用していた。
 陸上自衛隊は一機百億円のオスプレイを十七機購入。米海兵隊・空軍合わせて五十一機が日本の空を飛び回る。無視していた沖縄とおなじ運命なのだ。(ルポライター)

『東京新聞』(2018年8月21日【本音のコラム】)

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