2019/8/11

第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会資料から(22)市民・諸団体A  X日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 地方議会で起きていること
辻よし子(あきる野市議)

 (1)来賓として参加する、小・中学校の卒業式・入学式、成人式での不起立
  *教育委員会から再三の注意を受ける。
  *市議会で問題視され、地元新聞に掲載される。

 (2)新天皇即位に関する賀詞の決議
  *恥も外聞もなく、数の力がまかり通る議会の状況
  *20人中、反対1人。全会一致の議会が多い。

 ◆ (資料1:賀詞決議に対する反対討論)

 会派くさしぎの辻よし子です。
 天皇陛下御即位賀詞に関する決議に対し、反対の立場から討論します。
 本決議に反対する理由の1つは、この決議はそもそも地方議会の決議になじまないということです。議会がおこなう決議とは、議会の意思を対外的に表明することであり、地方議会においては、特に市民生活に関わる案件で、その必要が認められるときにおこなうべきものです。


 たとえば、静岡県伊東市議会では「市民生活に直接かかわる緊急、重大な事項に関し、議会の意思を対外的に表明するために行う議決」と説明しています。
 天皇の即位についてお祝いの意思を対外的に表明することが、あきる野市民の生活に直接かかわる緊急、重大な事項とは思えません。
 決議には法的根拠がなく、とくに提出先があるわけではありません。それにもかかわらずわざわざ議会の意志を表明するのですから、そこにはやはり、緊急性や重大性が必要です。

 反対する2つ目の理由は、祝意や弔慰に関する決議というものは、内心の自由に直接関わる問題であり、誰もが異論なく賛同できる内容に限定すべきという点です。
 市議会は言うまでもなく市民を代表する機関であり、市議会が祝意を決議するということは、市民の気持ちや心のあり様を代表することになります。
 しかし、天皇の即位に関して市民の捉え方は様々であり、即位を祝う気持ちになれない人もいるでしょう。また、現在の象徴天皇制のあり方自体に疑問を持っている人たちも少なくありません。そうした市民の心のあり様を「誠に慶賀に堪えない」という言葉で束ねることは、市民の代表である議会が、考えを異にする個人の内心の自由を侵すことになります。祝意や弔慰は、全会一致でなければ、決議できない性質のものなのです。

 3つ目の反対理由は、このような決議を上げることが、天皇制に関する言論の自由を封じ込めることに繋がりかねないと危惧するからです。
 「天皇は、憲法で定められた日本国の象徴であり、象徴としての天皇を敬い、新天皇の即位を祝うのは、日本人である以上当たり前じゃないか」と、まるでお祝いの気持ちを持たないことは悪いことであるかのような風潮が一部見られます。今回の決議が、結果的にそうした風潮を助長することに繋がらないでしょうか。

 言うまでもなく、憲法第1条では、日本国の象徴である天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくと規定しています。つまり、天皇の地位を決めるのは、主権者たる国民の側にあるということです。
 5月に退位された前天皇は、天皇制の是非や天皇の戦争責任の問題など、天皇制をめぐる言論の自由について、新聞記者から意見を求められた際、「言論の自由が保たれるということは、民主主義の基礎であり大へん大切なことと思っております」と答えています。
 しかし、残念ながら日本における言論の自由は、決して十分に保障されているとは言えません。国境なき記者団が毎年発表している国別の報道の自由度ランキングで、日本は今年も180か国中67位であり、先進7か国中最下位です。また、国境なき記者団は、ナショナリズムの台頭により世界の報道の自由度が下がっていると警告しています。

 先週、同じ内容の決議を上げた青梅市議会では、採決に当たって、ひとりの議員が棄権するため退出しようとすると、「非国民!このやろう」と、傍聴者から罵声を浴びたそうです。ちょうど市内の小学生が議会の見学に訪れており、傍聴席でその様子を見ていたとのことでした。
 このような事態が生じたことは、今回の決議に賛同する議員のみなさんにとっても不本意なことでしょう。しかし、この決議を上げることは、天皇崇拝の同調圧力を強め、自由な言論を許さない息苦しい社会を作ることにつながりかねません。
 日本の言論の自由が、今どのような状況にあるのか、世界的視野に立って、冷静に判断する責任が議会にはあるはずです。
 以上、本決議の反対討論とします。


 ◆ (資料2:議会に提案された賀詞決議の文章)

 (原案)
 天皇陛下におかせられましては、風薫る良い日に御即位されましたことは、誠に慶賀に堪えないところであります。
 天皇皇后両陛下の益々のご清祥と、令和の御代が平和で末永き弥栄(やさか)であることをお祈り申し上げます。
 ここにあきる野市議会は市民を代表して、謹んで慶祝の意を表します。

 (修正後)
 天皇陛下におかれましては、風薫る良い日に御即位されましたことは、誠に慶賀に堪えないところであります。
 天皇皇后両陛下の益々のご清祥と、令和の時代が平和で希望に満ち溢れるものとなりますようお祈り申し上げます。
 ここにあきる野市議会は、謹んで慶祝の意を表します。

トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ