2005/7/31

差し迫った集会(7/31改訂)  ]平和
入手し得た情報を並べます。裁判は8月は夏休みのようです。

8月1日(月) 杉並区役所前緊急集会(杉並みんなの会)
        11:30〜 杉並区役所前(南阿佐ヶ谷)

8月2日(火) 嘱託不採用撤回裁判闘争
        10:00〜弁護士会館ロビー集合、10:30〜地裁へ提訴
        11:00〜弁護士会館502で報告集会・記者会見(霞ヶ関)

8月4日(木) 人間の鎖大行動(杉並親の会)
        10:00〜 杉並区役所前(南阿佐ヶ谷)

8月5日(金) 石原都知事に靖国参拝中止を求める市民の集い(平和遺族会)
        13:30〜 都議会棟6F第一会議室(新宿西口)

8月6日(土) 簡易裁判学習会(退職者会)
        13:00〜 ラポール日教済(神楽坂)

8月15日(月) 小泉首相は靖国参拝中止を(平和遺族会)
         9:45〜 日本教育会館8F第一会議室(神保町)
8月15日(月) 平和のための準備連帯を取り戻す(市民文化フォーラム)
        13:00〜 日本教育会館3Fホール(神保町)
8月15日(月) 憲法9条と靖国参拝(労働者市民の集い)
        13:00〜 中野ゼロ小ホール(中野)

8月20日(土) やっぱり音楽を(公立学校音楽教員6名)
        14:00〜 杉並産業商工会館ホール(阿佐ヶ谷)〔要予約〕

8月20日(土)10:00〜 教育労働者全国交流会
8月21日(日) 9:00〜

        渋谷区立神宮前区民会館(原宿or明治神宮前)

8月22日(月)13:00〜 全国学校労働者交流集会
8月23日(火)

        ふたき旅館(本郷三丁目or春日)

9月3日(土) 立川反戦ビラ控訴審闘争総決起集会
        13:30〜 国分寺労政会館(国分寺)

2005/7/31

中高一貫校歴史教科書採択結果  ]平和
「白鴎高校付属中学の教科書問題を憂慮する『白鴎有志の会』」の電子メール通信20号から一部転載。
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 7月28日(木)、都教委で来年度の中学教科書の採択が行われました。
 中高一貫4校(白鴎、両国、小石川、都立大附属)に、扶桑社の歴史教科書を採択しました。
 また、養護学校のうち、都立ろう学校、肢体不自由養護学校、病弱養護学校、青鳥養護学校梅が丘分教室に、扶桑社の歴史、公民教科書を採択しました。
 中高一貫校は公民は来年使わないので、採択がなし。盲学校も採択そのものがなし。
 すなわち、採択があった社会科の歴史、公民は、すべて扶桑社の「つくる会」教科書。しかも、すべて、6委員の全委員一致。
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 今回の採択は、「語らない」「隠さない」が特徴になっています。
 私たちは25日に要請に行きました。都教委は多くの都民、団体から扶桑社反対の要請を受けていました。公職にあるものとして、都民や諸外国からの「誤解は解かなくてはいけない」、とは思わないようです。
 なぜ、この教科書がいいのか、なにも説明がないのです。そして、「全員一致」!

 社会科地理を見ると、
  白鴎、小石川、都立大附属が、教出4、東書1、帝国1 で、教育出版
  両国は、帝国3、教出2、東書1 で、帝国書院

 国語を見ると、結果だけ書くと、
  白鴎が光村、
  都立大附属が東書、
  両国、小石川が学校図書、と3社に割れています。

 理科第一分野は、
  白鴎が教出、
  小石川は大日本、
  両国、都立大附属が東書

 割れている教科がほとんどです。

 全員一致は、歴史と書写(習字)、技術・家庭だけです。そのうち、技術・家庭は2社しか出してません。歴史は8社です。
 6人教育委員がいて、この「全員一致」は不自然ですよね。

 こういう一見不自然なときは、人間はつい「弁明」したくなるものです。「いやあ、扶桑社はいい教科書なんです。批判する人はちゃんと読んでるんですか?」とか。今回は、見事なまでにそれもない。なんの説明もない。
 都教委は扶桑社を採択することになってるんだよ、言わなくても分ってるだろ、ということでしょうか。
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 白鴎は「日本の伝統文化」を掲げ(させられ)ています。倒錯、偏向した形ではあれ、つくる会教科書が「日本の文化」を多く取上げているとはいえます。
 これに対し、都立大附属は国際化小石川は理数系の特徴を掲げました。
 だから、もしかしたら1校くらい、「別々にきちんと考えているんですよ」というポーズを見せるため、他社を採択するのでは、という観測もありました。せめて「自国の文化に誇りを持てなければ、国際化も理数系もだめなんだ」というような、独善的ではあれ、扶桑社を採択した理由らしきものを語るのではないかと推測されていました。

 こういう「異常な」採択、他教科は割れているのに、問題になっている歴史だけは全員一致、という採択をすれば、当然、これは政治的な採択だ、という声が起こります。それを避けるために、普通はいろいろ取り繕うものだと思います。

 しかし、それもない。それが先ほど書いた「隠さない」ということです。「異常さ」「不自然さ」を隠さず、弁明もしない。
 産経新聞は号外を出したそうですが、それですべてわかりました。都教委は、自分たちが「つくる会」支援というか、扶桑社=産経新聞と一体であることを、もはや隠していない。
 政治的な採択だと批判されることを、なんとも思っていない。
 組合も市民団体も、まさか7月に採択があるとは思っていなかったようです。我々も、昨年と同じく8月と思っていました。
 それが早まった。他地域で扶桑社採択を支援するためであるのは、もはや明らかです。

 なお、都教委のHPに、各校の調査資料が出ています。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/kyokashosaitaku/18chugakutextbook.htm
 どこの学校も、扶桑社が一番とは読めません。
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 私は、同窓生として、白鴎附属中への偏った教科書採択を許せないと考えて、昨年から声をあげてきました。しかし、一人の人間としては、ろう学校、肢体不自由養護学校に採択したことが、今回最も許せないと思っています。

 すでに病弱養護、青鳥養護梅が丘分校には4年前採択されていました。しかし、主に判型の理由で、肢体不自由学校などでは、他社が採択されていました。

 言うまでもないことですが、「良い教科書」=「生徒にふさわしい教科書」ではありません。生徒にふさわしい教科書は、日々教えている学校現場の教員が一番知っています。
 中高一貫校にふさわしい教科書と、養護学校にふさわしい教科書は、違います。
 中高一貫校は、内容がくわしく、発展学習に向いている教科書がよりよい。
 それに対して、養護学校は、生徒が様々なハンディを背負っているのだから、より精選され基礎的な学習を重視した教科書が望ましい。
 両者は違っていい。生徒実態を考えれば違った方がいい。

 つくる会教科書の偏ったイデオロギーについては、今おいておきます。
 それをぬきにしても、もっとも人名が多く、リクツの説明が多い扶桑社を養護学校に採択するということは、ハンディを負った生徒の負担を考えない決定で、人間として恥ずべきことです。
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 今回の決定により、来年に予定される白鴎附属中の公民採択は、事実上、扶桑社に決定です。
 また、再来年に予定される、次の中高一貫校(武蔵、北多摩)も扶桑社です。
 最終的には都立中高一貫校は、10校となります。
 こんなにたくさん中高一貫校をつくる、真の政治的なねらいが、今回はっきりしました。

2005/7/30

教科書採択に関わるニュース  ]平和
【東京都】
○教科書問題:調査報告書の否定的見解、書き換えを指示−−杉並区立中の校長 /東京
7月29日朝刊   (毎日新聞) - 7月29日16時32分更新

○教科書問題:都教委「つくる会」教科書採択、市民団体の抗議相次ぐ /東京
7月29日朝刊   (毎日新聞) - 7月29日16時32分更新

○都教委に抗議声明 つくる会の教科書採択で
(共同通信)   7月28日19時35分更新

○教科書問題:「つくる会」採択に反対する親ら、署名1万人分を杉並区教委に /東京
7月28日朝刊   (毎日新聞) - 7月28日16時32分更新

○教科書問題:扶桑社の教科書、不採択請願 自由法曹団東京支部が都教委に /東京
7月27日朝刊   (毎日新聞) - 7月27日16時32分更新

【熊本県】
○教科書問題:「つくる会」と扶桑社を独禁法違反で申告−−県内の市民団体 /熊本
7月29日朝刊   (毎日新聞) - 7月29日17時46分更新

【鳥取県】
○教科書問題:扶桑社の歴史教科書、不採択を申し入れ−−韓国の市民団体 /鳥取
7月23日朝刊   (毎日新聞) - 7月23日17時16分更新

○教科書問題:扶桑社の歴史教科書、不採択の要望書を提出−−民団県地方本部 /鳥取
7月21日朝刊   (毎日新聞) - 7月21日17時16分更新

【愛媛県】
○教科書採択で570人提訴 中・韓国人ら愛媛県相手に
(共同通信) - 7月22日22時25分更新

○「つくる会」教科書の採択除外を=日中韓の市民、愛媛県教委を提訴
(時事通信) - 7月22日21時2分更新

【富山県】
○教科書問題:「つくる会」教科書採択反対の声明文−−2助教授が県教委に /富山
7月22日朝刊   (毎日新聞) - 7月22日16時36分更新

【広島市】
○教科書問題:「つくる会」教科書、市教委に不採択要求−−市民団体 /広島
7月21日朝刊   (毎日新聞) - 7月21日17時20分更新

【京都市】
○扶桑社採択せず 京都市教委 中学校2教科書
(京都新聞) - 7月21日15時21分更新

【栃木県】
○教科書問題:扶桑社版の歴史・公民教科書、宇都宮市教委が不採択に /栃木
7月20日朝刊   (毎日新聞) - 7月20日16時20分更新

◆Yahoo!ニュースの検索から、関係記事を見ることが出来ます。

2005/7/30

7・29都教委包囲デモの成功  
<転送歓迎>
「都教委包囲首都圏ネットワーク」の渡部(千葉高教組)です。

全国の皆さん、「7・29都教委包囲デモ」は延べ400人の参加で成功しました。

参加者は昨年より少なかったのですが、警察は昨年以上に警戒し、私服・制服警官を多数配置してきました。
また、右翼の街頭宣伝カーもデモ出発地点の柏木公園のそばを何度か通り、「日の丸・君が代が嫌なら出て行け!」などとがなり立てていました。
しかし、参加者はそれらには動ずることもなく、暑い中、最後まで元気にデモを敢行しました。

都庁第一庁舎「マエ」では、石原都知事(本日は定例記者会見日のため来ていたはず)に向けて「ファシスト石原はやめろ!」などというシュプレヒコールを繰り返しました。
第二庁舎「マエ」では、都教委に向けて「つくる会教科書採択弾劾!」などというシュプレヒコールを繰り返しました。
デモは都庁の「ワキ」を通り、「ウシロ」の公園で解散となりましたが、そこで再び参加者一同で都庁に向けてシュプレヒコールを一通りやりました。
その後都庁第一庁舎と第二庁舎の「アイダ」を通り、新宿駅に向かいましたが、そこでもシュプレヒコールを繰り返しました。そこは実質的には地下のようなつくりで、シュプレヒコールは大きく響き渡りました。

なお、デモには韓国テグ市からきた日本列島行脚団6人も先頭集団で参加しました。
この団は、この日午前中に都教委に申し入れに行きました。
団は当初、「つくる会」教科書を採択しないように要請する予定でしたが、昨日(28日)採択されましたので、この日は「採択撤回」を求める要請となりました。
(その後、石原都知事が定例記者会見をやる会場で記者会見もしました。「朝日」など8社がきました。)
ちなみに、26日に彼らが埼玉県教委に申し入れに行った際は、教育長が直接会いましたが、本日は情報課の課長が出てきて、「意見を聞いて伝えます」と言うだけでした。
デモに対する過剰警備といい、韓国の人たちに対する態度といい、石原や都教委は、自分たちがいかに一般の人々から遊離しているかを自ら示しています。

その後千駄ヶ谷区民会館での集会については私は急用のため参加できませんでしたが、なかなか盛り上がったということです。
全国各地からは「つくる会」教科書の不採択のニュースが届いています。
また中国や韓国から都教委に対する抗議声明が寄せられています。
各地の闘いと東京での闘いをともに発展させ、都教委を今後さらに孤立化させていきましょう。

全国の皆さん!
「7・29都教委包囲デモ」は成功しました。
「7・29都教委包囲デモ」のため、いろいろと支援・協力をしてくださった方々、
暑い中デモに参加してくださった方々、ありがとうございました。

2005/7/29

替え歌  
「学校に自由の風を!」のパレードで歌われた歌から、3題。畢生のおちょくりの数々。

   「VAKA者たち(若者たち)」

1,君が代の歌詞は 果てしなく変よ
  だのになぜ   歯を食いしばらせ
  歌わせるのか  そんなにしてまで

2,君が代の人は  今はもういない
  だのになぜ   何を探して
  右へ行くのか  星もまたたく

3,星の行く道は  滅亡へと続く
  空にまた    日の丸捧げ
  VAKA者はまた歩き始める


   「ウルトラ・ショブン(ウルトラ・セブン)」

  処分、処分、処分!
  処分、処分、処分!
  はるかな都庁が ふるさとだ
  ウルトラ 処分 センセ 処分
  通達だ〜 処分、処分、処分!
  やがて銀河の果てまでも
  教育改革 処分、処分、処分! 処分、処分、処分!


   「はな」

1,川は流れて  どこどこ行くの
  右へ流れて  どこどこ行くの
  そんな流れが あるからには
  校長として  校長として  咲かせてあげたい
  立ちなさい  歌いなさい
  いつの日か  いつの日か  今は副校長

2,涙流れて   どこどこ行くの
  反省うながされて 都庁へ行くの
  そんな研修  序の口に
  担任として  担任として  言わせてあげたい
  立ちなさい  歌いなさい
  いつの日か  いつの日か  生徒立たそうよ

2005/7/28

扶桑社教科書採択に関わる新聞記事  ]平和
Yahoo!ニュースの検索から、関係記事を見ることが出来ます。

教育を忘れた、政治的茶番劇。「中高一貫進学校」と「養護学校」が同じ教科書を使うという怪!?

全中高一貫校で採択 都教委、つくる会の教科書
 東京都教育委員会(委員長、木村孟・中教審副会長)は28日、来春開校の都立中高一貫3校で使う中学歴史教科書として「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書(扶桑社発行)を採択した。
 今春開校した中高一貫1校用にも扶桑社版をあらためて採択した。4校とも教育委員6人全員が扶桑社版に投票した。都立中高一貫校すべてで来年度から4年間、使われることになった。一部のろう・養護学校用の中学歴史、公民教科書も扶桑社版を採択した。
 栃木県大田原市教委は13日に扶桑社版の歴史、公民教科書を採択、市区町村立中学として全国初の使用が決まった。
 扶桑社版について韓国や中国は「歴史を歪曲(わいきょく)している」と反発し、国内でも「アジアへの侵略の歴史を正当化している」などと批判の声がある。
(共同通信) - 7月28日11時48分更新

<つくる会教科書>都立の中高一貫校と養護・ろう学校が採択
 東京都教育委員会は28日、06年度から都立中学と養護・ろう学校で使用する歴史教科書に、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社発行の教科書を採択することを決めた。対象になるのは都立の中高一貫校4校と養護・ろう学校の中学部21校で、来年度から4年間、使われる。養護・ろう学校については公民の教科書でも採択が決まった。
 都教委は01年に都立養護学校の一部で同社の歴史教科書を採択し、昨年は都立初の中高一貫校となった白鴎中学校でも採択を決めている。
 事前に開かれた教科用図書選定審議会は採択の資料として、各社の教科書の分量や表現などを調査。特に「北朝鮮による拉致の扱い」「わが国の領域をめぐる問題の扱い」などについて、各社の内容を比較した。
 委員会は都庁で午前10時から始まり、6人の委員が全員一致で「つくる会」の教科書を選んだ。
 開会前には庁舎前で市民団体のメンバーらが「日本の侵略戦争を正当化する教科書は子どもたちに渡せない」などと書かれたビラを配り、採択反対を訴えた。会議室前には20人分の傍聴券を求め、165人が詰め掛けた。
 今年は中学校教科書の改訂に伴い、採択する教科書を検討する年にあたっている。公立学校については各教育委員会が8月末までに決めるが、既に栃木県大田原市が市町村教委としては全国で初めて同社版教科書を採択している。【猪飼順】
(毎日新聞) - 7月28日12時12分更新

都教委「つくる会」中学歴史・公民教科書を採択
 東京都教育委員会は28日午前、来春から使用する中学校用教科書の選定で、「新しい歴史教科書をつくる会」(八木秀次会長)のメンバーが執筆した扶桑社発行の歴史や公民を、都が設置する計25校で使用することを全会一致で採択した。
 今夏、全国一斉に行われている中学校の教科書選定では、栃木県大田原市教委が今月13日、同社の教科書を採択したが、都道府県教委で採択が明らかになったのは初めて。
 この日の委員会は公開で行われ、採択は6人の委員が教科書候補の中から1つを選び、無記名投票する形で実施。傍聴席に反対派の市民団体らが陣取る中、午前11時、事務局が扶桑社の教科書を採択したことを告げた。
 採択の結果、同社の歴史教科書は、都立の中高一貫校の「白鴎高校付属中学」(台東区)と来春開学予定の3校で使われ、都立ろう・養護学校21校では歴史と公民が使用される。委員の1人は、「北朝鮮による拉致問題など人権に配慮した記述が他の教科書に比べて多く、人権尊重を掲げる都教委の教育方針と一致するため」と説明している。
(読売新聞) - 7月28日13時43分更新

都立一貫4校が採択 扶桑社教科書 公立で2件目
 東京都立の中高一貫四校(既存一校、新設三校)とろう・養護学校で来春から四年間使われる中学歴史教科書について、都教委は二十八日の定例教育委員会で、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の歴史教科書を全員一致で採択した。今年度の中学教科書採択で扶桑社採択が明らかになったのは、公立では栃木県大田原市(合併後十二校)に次いで二件目。
 都教委は平成十三年に養護学校の一部で扶桑社の歴史・公民教科書(現行版)を採択したほか、今春開校した白鴎高付属中(台東区)でも同社の歴史教科書を採択しており、これらの学校は改訂版を継続採択した。
 来春開校する中高一貫高は、小石川高(文京区)、両国高(墨田区)、都立大付属高(目黒区)を母体とした三校で、白鴎高付属中とともに「特色ある教育」を目指して都教委が力を入れている。四校は来年度は公民を学ぶ三年生がいないため、一年生が学ぶ歴史のみの採択となる。
 特殊学校では、知的障害養護学校は文部科学省検定済み教科書は使わず、盲学校では点字教科書を用いるため、知的障害養護学校を除く十九のろう・養護学校の中学部で歴史、公民とも扶桑社が使用される。
 新しい歴史教科書をつくる会の話 「関係者の見識に深く敬意を表する。都教委の“重点校”で選ばれたことで、今後採択にあたる都内区市町村をはじめ、全国の教育委員会で適切な判断が下されることを期待する」
 都教育委員は次の通り。【委員長】木村孟(大学評価・学位授与機構長、中央教育審議会副会長)【委員長職務代理者】鳥海巌(元丸紅会長)、米長邦雄(将棋棋士)【委員】内館牧子(脚本家)、高坂節三(経済同友会憲法問題懇談会委員)【教育長】中村正彦
(産経新聞) - 7月28日15時11分更新

2005/7/27

7/28東京都都教育委員会  ]平和
今年も、各科目の専門家の意見を一切聞かないシステムで、
教育の素人集団が臆面もなく、9科目の教科書を1時間前後で決めるという。
教育とは無縁の、極めて政治的な儀式が執り行われるぞ!


東京都教育委員会告示第46号
 東京都教育委員会第13回定例会を下記により招集します。
  平成17年7月26日

                          東京都教育委員会委員長
                                木村  孟

                         記

1 日時  平成17年7月28日(木) 午前10時00分

2 場所  教育委員会室(都庁第二本庁舎30階)

3 議案
 第93号議案から第94号議案まで
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例の制定依頼外1件について

 第95号議案から第96号議案まで
  東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例の制定依頼外1件について

 第97号議案から第99号議案まで
  東京都公立学校教員等の懲戒処分等について

 第100号議案
  東京都公立学校長の任命について

4 協議事項
(1) 平成18年度使用都立中学校及び都立中等教育学校(前期課程)用教科書の採択について
(2) 平成18年度使用都立盲学校、ろう学校及び養護学校の小学部及び中学部用教科書の採択について


5 報告事項
(1) 生命尊重の視点に立った生活指導の徹底に係る取組について
(2) 中央ろう学校(仮称)基本計画検討委員会の報告について

6 傍聴方法
 方法     当日受付(定員20名を超えた場合は抽選とします。)
 受付時間  午前9時00分から午前9時20分まで
 場所     都庁第二本庁舎1階南側臨時窓口

7 備考
第97号議案から第100号議案については、非公開になることが見込まれます。

8 問い合わせ先
 東京都教育庁総務部教育政策室  電話 03−5320−6708(直通)


「白鴎高校付属中学の教科書問題を憂慮する『白鴎有志の会』」の電子メール通信から
●●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●  
 25日(月)に、4校同窓生有志が合同で都教委へ要請に行きました。
 その後で、合同記者会見を行いました。
 一部の新聞(朝日の都内版)に小さく載りましたが、思ったほど大きく載っていません。

 要請の話は長くなるので、簡単に。
 白鴎出身の小林千代美代議士が参加してくれましたが、「都教委は霞ヶ関よりひどいですね」と、後で言ってました。
 信じられないかもしれないけど、それが現実です。
 都立大附属高校出身の石山久男さん(歴史教育者協議会委員長)が、
 横山前教育長が熊本、宮崎で行われた、つくる会支援の自民党の集会に「都教育長」の肩書きで参加していた問題を追求しました。
 昨年も同様のことがありましたが、今年はついに「問題はない」との答えでした。
 教育長は東京では教育委員を兼ね、採択に直接関わります。
 そいう人が特定の政治勢力、特定の教科書会社と結びついていていいのか。
 まさに「談合」そのもので、全く公平、公正を欠くのは明らかですが、
 こういう常識が通じない「ワンダーランド」(不思議の国)が今の都教委です。
 休暇をとって参加したのか、それとも公務として出張したのか、という質問には、
 情報公開制度で請求すればわかります、との答え。
 知りたかったら、自分で調べろ、こちらで答える筋合いはない、ということでしょうか。
●●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
 記者会見では、都立大附属の小中陽太郎さん、両国の銀林浩さん、藤田秀雄さんらが、参加。
 細かい話は省略しますが、
 4校に広がったことにより、都立高のリベラルな歴史を広く知ってもらう運動になった来たように思います。
 白鴎としても、両国(三中)や小石川(五中)、都立大附属の歴史を聞いて、目を開かされることが多いです。
 「母校の後輩に危ない教科書を押し付けるな」から出発して、
 「民主主義」「平和」「人権」の価値が東京の学校から失われつつあることに目を向けたいと思います。
 28日は行ける人で、都教委傍聴、抗議したいと思います。

2005/7/26

ある種の悲鳴〜生徒の作文  Z国際人権
 私は富野で産まれ富野で育ちそのまま富野小学校へ通った。そしてなんのこともない普通の日に臨時学級会が開かれた。クラスでも明るい数人の彼女たちによって。
 『この前、町内会で君が代について話し合いました。この歌は天皇の時代がいつまでも続くようにという意味があるそうです。でも今日本は民主主義だからこれはおかしいと思うのです。別に私たちはみんなに歌うなとか強制するつもりで言っているのではなくて、歌の意味も何も知らないでただ歌うってのはおかしいから、もし知らない人がいるのなら知っていて欲しいと思って今日の学級会を開きました。』
 私は君が代の意味など考えたこともなかったので多少の驚きは感じたが、おかしいという彼女たちの主張に共感を覚え、歌うのも歌わないのも個人の自由だというのを聞き、おかしいと思うことは歌いたくないなと心に留めていた。小学校5年生の時であった。
 小学校6年生の夏、この富野小学校に別れを告げ徳力小学校へ転校した。大切な物は失ってからこそわかるというように、私は転校をきっかけに富野小学校の素晴らしさに気づいた。
 友達関係や職員室の空気、校長先生や教頭先生が朝、校門に立っていないこと、すべてに驚きを感じ、今までの自分の学校に対する常識の差にがっかりしつつも、平穏な日々を過ごした。
 ある日、何かのきっかけで担任の先生に富野小学校で学んだ君が代について話したとき、先生は大変驚かれていた。私は先生の反応にびっくりし、もう1度今度は自分で君が代について調べてみた。辞書を引いたり、大人の人に聞いたり、でも結局天皇陛下の世がいつまでも…に辿り着いた。だからもう迷わなかった。おかしいと思うなら歌わないでおこうと思った。
 卒業式も間近に迫り全体練習が始まった。そしてついに君が代の練習の時、私は立たなかった。私のクラスの人も私が君が代のことを話したこともあり、10人くらいは座っていた。教頭先生は顔をしかめて「立ちなさい」と言われた。でも立たなかった。そのクラスで担任の先生が私たちに知らせた。
 「君が代の時に立たない人は、私が家庭訪問をすることになりました。どうでもいいと私は思うけど、校長先生と教頭先生からの命令だからね。」
 次の日、座っていたのは私だけだった。私はなんと言われようと座ろうと思っていた。教頭先生は全身を震わすように顔をしかめ、私の席までわざわざ来てくださった。「立ちなさい!」
 静まりかえった体育館に怒声が響きまわった。6年生全員の視線を体中に感じた。私は無言で教頭先生をにらみ返した。
 私はもう学校へ行きたくなかった。何がいけないのだろう?自分の意志を貫きたかったのがあれ程悪いことなのか。みんなの前であんなにも恥ずかしい思いをするほど、私は間違ったことをしているのか。
 教頭先生には教頭先生のお考えがあるだろう。私にも私の考えがある。あそこまでされても私は立たなかった。小6の子供がここまでするのは理由があるからでしょ?
 でも教頭先生は1度たりとも私の意見を聞こうとしなかった。ただ「立て!」と言った。どうしてだろう。納得できるはずがないだろうに。
 私はみんなの前で怒鳴られて恥ずかしかった。みんなの視線が嫌だった。怖かった悲しかった悔しかった。
 でも自分の意志を行動を恥ずかしいと思わなかった。貫きたかった。
 天皇に恨みがあるわけでもない。おかしいと思うからで、ここまでする自分が不思議にも思えた。
   (続いて。最後のところでこの子どもはこう書いています。)
 私は先生になりたかった。でも、徳力へ行きそう思わなくなった。中学に行っても、あれがあの○○(この人の名前)かと見られ続けた。中学の思い出など数えるほどもないと思う。
 相撲、オリンピックで国歌が流れる度にあの体育館での出来事が蘇る。最後に、もう誰も繰り返してほしくない。


(都高教第三支部04年夏期合宿での田中伸尚氏の記念講演から引用。作文が書かれたのは1991年。少し長いですが、14年前の北九州市の一つの小学校の出来事が全国を覆ってきた事態が読み取れます。)

以下、田中氏のコメント

 この作文、ある種の悲鳴ですね。日の丸・君が代が彼女の夢も奪ってしまうわけです。ここからいくつかの問題点を指摘できると思う。
 一つはですね、教員というものが子供にとって権力者として立ち現れてるということです。これは非常に大きい問題だと私は思います。それは教頭はもちろんそうですが、担任の先生が彼女を守ろうとして立ち現れていない。一人で君が代を歌わないで座り続ける彼女を守ろうとした教員ではないということです。家庭訪問をして、なんとかして「立って下さいよ、立つだけでいいんですから」と言ったかもしれない。どういう風に言ったかはわからないけども、上司の命令でですね、教頭先生と校長先生からの命令だからねということで彼か彼女かわかりませんが各家庭を回るわけです。それはもう彼女にとっては確実にそれは権力者として立ち現れてると言うことです。
 もっと大げさに言ってしまえば戦前戦中の教員と決して変わらない。子どもの前に立ちふさがらなかった教員、こんな教員は私はゴロゴロいると思う。それは組合と実は関係がないところだというふうに思います。子どもの宗教とか思想とか良心というものを侵害して、夢まで奪ってしまう。それは学校全体でもあるかもしれないけども、それを支える或いは荷担する教員として立ち現れている。彼女は今の日の丸君が代ラッシュの報道をどう見ているか、オリンピックの報道をどう見ているでしょう。
 もう1つの問題は、彼女のまわりの子どもたちの視線です。もう一度そこの部分を読み返しますと、「静まりかえった体育館に怒声が響きまわった。」つまりこれは教頭の声ですね、「立ちなさい」と。「6年生全員の視線を体中で感じた。」これです。つまり彼女の周りは全て彼女を批判する視線であるわけです。大人になればそれは「非国民」に対する目です。それは中学校に行っても彼女について回ってしまう。そうしますと、そのまわりの子どもたちは結局「少国民」、昔で言う「少国民化」されてしまったわけです。日の丸・君が代の強制というのは、そういう「少国民化」、というものさえ作り出していき、その道具、装置になってると言えるということを、すでに91年の状況のこの作文が非常に鮮やかに浮かび上がらせてると思います。
 この話と今年6月8日に東京都の横山教育長は都議会の答弁で、児童生徒への君が代強制指導の職務命令というものを予告しました。これは結局、東京都のほんとの狙いというのは、常識的に考えれば羅針盤を失ってると思いますけれど、実は少国民化するという羅針盤を持って臨んでいるのです。間違いなく少国民化、そういう国民を子どもたちを通して作ろうとしている狙いがハッキリしてると思います。
 その時にですね、教員というもの、現場の教員というものは加害者として立ち現れるという、立ち現れるかどうかということが問われることになる。あるいは、かつて、戦争をするときの「少国民」作りに先生たちは、加担していったわけですが、今それを防ぎきれるかどうかの瀬戸際に立たされていると思います。「教え子を再び戦場に送るな」という有名なスローガンが50年代に作られてますが、それがその踏みとどまれるかどうかの最後の闘いがそこにあると思います。実態としては全く役立っていなくてもですよ。自分の身を守るためとか、家のローンがあるとか、様々な理由が用意されて先生たちは子どもたちを戦場に送ってしまうかもしれない。でも、子どもたちにとってはそんな理由関係ないんですね。自分の信じてる先生がどういう対応をしてくるかってことだけが問題なわけですね。その時の、処分覚悟で生徒を守れるかってことですよ。確実に処分は…それは職命である以上処分は覚悟しなきゃいけないわけですね。そういう瀬戸際が確実にやってくる。結論は私が出すことではなくてみなさんが出すことになるわけです。

2005/7/25

川柳と冗句  
川柳

 60年戦後民主は首の皮

 マスコミが挙国一致をやがて説く

 改憲のあなた明日が見えますか

 革新と言い護憲派と言うこの程度

 護憲護憲と護憲に誤見なかりしか

 国食らう者どもが吐く自由主義

 幾万の自殺者に聞けこの日本

 自殺者に聞けばノーモア資本主義

 いくらにもならぬ仕事に殺される

 少年のニヒル暴発してやまず

 君が代でないぞ民が代なんとする

 アジアから見える日本に気がつかず

 ひとりで行くひとりでも行く道がある

冗句

 「共謀罪」 そういうことを共謀する者どもこそ罰せよ。 …労働者人民

 「自立支援法案」 ”死援法”だ! …障害者一同

 「自殺者三万人超」 まだまだ足りない。 …帝国日本

 「反日デモ」 とても”半日”くらいじゃ足りない。 …アジアの声

 「最近の日本」 安らかになど眠っていられない。 …遺骨一同

 「列車脱線」 この国の”脱線”は、こんなものじゃありません。 …軍国・ファッショレール

『共同誌・未来』や『週刊新社会』などで活躍中の乱鬼龍氏の作品です。

2005/7/24

市教育委員宛て一元教員の手紙  ]平和
拝啓
 大変お忙しい最中に突然手紙を出して、煩わしいことと思いますがお読み頂ければ幸いです。
 私は都立高校で長く社会科を教えていました。その内久留米高校では15年教諭として教壇に立っていました。最近は、東京都立大学で<公民科教育法>を教え、亜細亜大学ては世界史教育の実践研究という講座を担当しております。
 このような仕事をしてきた私には、昨今の中学校社会科教科書をめぐる問題は、ただ憂慮すべき事態だといっていられないと判断して、筆を執る次第です。
 それで、6月17日から4日ほど仕事の合間をぬって成美教育文化会館に行って、すべての出版社の歴史・公民の教科書見本本を手にとって、計11時間ほど読み、比較してみました。
 この程度の時間ではまだまだ目の届かない所が多いのですが、それでも以下の点だけははっきりいえると思います。

 扶桑社版と他の7社版とでは、歴史・公民とも、はっきりした違いがあることが分かります。それもただの違いではなく、教科書の、教育の根幹にかかわる相異です。中学生に対する姿勢にかかわるところです。
 8社とも見た目はきれいなのですが、7社は、いずれも「子どもめ目線に立ち]「子どもとともに考え」、ときには「子どもに問いかけ」ています。
 ということは、子どもの考える材料が、ときには異なる考え方が豊富に提供されているということです。
 そして、子どもがすぐにできることが、イラストや写真で示されています。「子ども国会」「公害患者へのインタヴュー」などです。
 しかも「アジアの人々と共に」という表題のように視野を世界に広げて、子どもが重大な社会問題でアメリカなどの子どもとメールを交換するような「動き」も載せるなど、実によく工夫されています。

 一方、扶桑社版はひたすら説明調なのです。執筆者達の考えを教え込もうとする流れではじまり終わっています。上からの、一方的な記述といった方がよいかもしれません。
 例えば、「公民」では、いきなり「公民とは」からはじまります。古代ギリシアでは、市民は「外敵から都市を守る義務を負う『公的』存在でもあった」などと書いています。大人には何をいいたいか大体分かるのですが、中学生には通じません。
 古代ギリシアの歴史は高校生になってはじめて、「世界史」や「倫理jで学びます。「難しさ」はとっつきにくさにつながります。子どもたちとの距離が広がってから次のベージに入ります。
 基本的人権の節では、いきなり「法律とは国家が強制的に国民に守らせるルールであり、これを守らなければ罰せられることもある」と書いて、子どもに「説教して」からはじめています。
 3つめは、各章の最後に1ページとって、重要な用語をぎっしりと並べています。「覚えなさい」ということです。暗記型の教科書では、社会科でいうところの真の学力を身につけることにつながらず、もう時代遅れになっているのです。

 扶桑社版は「中学校学習指導要領」をきちんと把握していないようです。
 現行指導要領は冒頭に「生きる力をはぐくむことを目指し、〜中略〜、自ら学び自ら考える力の育成を図る〜後略〜」と提示しました。
 従来の文章による説明中心の教科書ではなく、ただ覚えさせる学習から、思考力重視に転換した教科書、子どもが学ぶための材料としての教科書が求められるようになりました。
 各社の姿勢が一斉に変わって、工夫に工夫をこらせて、子どもとともに学べるような教科書ができたのだと思います。
 扶桑社の編集者・執筆者たちが、指導要領の転換をちゃんと把握できない主たる原因は「自分たちのある考え」を子どもに分からせようと」することばかりにねらいを定めてしまったからでしょう。
 「自分たちの考え」とは全く異なる考え方は無視されるか、わずかに書かれているだけです。教科書としてあってはならないもののように思います。

 2つめに、「公民」の憲法の部分をとりあげます。中学校学習指導要領では、「日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権および平和主義を基本原則としていることについての理解を深め」とあります。どの教科書も、もう何十年も前から憲法の三大原則を大きく掲げて記述しています。
 扶桑社版は「三大原則」という言い方をしていません。
 さらに指導要領では、「日本国憲法の平和主義について理解を深め」とありますが、「前文」と第9条の丁寧な解説はなく、戦後果たしてきた役割、非核3原則などはとりあげません。
 また指導要領は「日本国憲法の基本的な考え方を中心に理解させるように」と配慮をせまっています。
 ところが、扶桑社版では、「憲法を現実のものにするために憲法改正手続きが定められている」として、憲法改正に力を入れたり、「公共の福祉と国民の義務」の項では憲法99条にある公務員の憲法尊重の嚢務にはふれないで、外国の憲法にある「崇高な義務として国防の義務を定めている」をとりあげたりして、「憲法の基本的な考え方」が軽く扱われるようになっています。

 「歴史」教科書については、3点あげます。
 1つは近代史での様々な考え方についてで、他の教科書では、日露戦争について賛成・反対の両論を並記、満州事変による満州獲得の企てについては反対論も、日中戦争の開始にあたっては日中双方の言い分を載せるなど、子どもに考える機会が用意されています。
 扶桑社版は、日露戦争については、日本あげての国民的な戦争であったと高く評価するのみで、戦争に伴う国民の苦しみには目を向けず、日本の勝利が韓国の植民地化をもたらしたので、今日も韓国が最も厳しい評価をしている点は無視したままですし、また排日運動を大きくとりあげて、そのせいで中国に攻め込まざるをえなかったかのように記述しています。
 これからの日本が何よりも東アジア諸国と協力して平和を築いていかなければならないときに、このような叙述は子どもの視野を狭くしてしまうことになりそうです。
 2つめに太平洋戦争については「緒戦の日本の勝利が東南アジアの人々に希望を与えた」と当時の東南アジアの人々のある証言を載せて高く持ち上げていますが、今日に至るまで東南アジアのどの国からも、過去の日本の行動を評価する声どころか、非難する声しかあがってこないのは、東南アジア諸国の教科書を見てもはっきりしています。
 執筆者たちの考えを一方的に書いて、子どもたちに与えるだけでは、彼らの歴史認識が偏り、視野の広い若者が育たないと思います。
 3つめは、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下について、沖縄戦は2行半、原爆は1行半しか書いていません。
 日本国民の悲惨な体験は、どの教科書も写真も大きく載せ、あの苦しみを書き綴って、「平和」を語っているのとは大きな違ぃがあります。
 この部分は歴史のとらえ方の違いを超えて、中学生に話し掛けなければならない部分だと思います。周囲の年配の人の戦争体験を子ども自身の手で調べてくるような課題をだしている教科書もあります。
 国民の戦争体験を軽く扱う傾向は大問題ですし、子どもが平和の原点を自分たちで考え、行動して認識を深めるようにもっていくことこそ、憲法を深く学ぶことになるはずです。

 以上私が見本本を読んで考えたことの一端を簡単に書きました。
 改めて扶桑社版は採択できない内容だと思います。
 では他の7社ではどれがよいかというと、何といっても生徒と日常接し、指導しておられる現場の社会科の先生が生徒のために最もよい教科書をご存じだろうと思います。
 私は、東久留米の中学の先生の総意をどこまでも尊重されて決めていただければと考えます。
 わかりにくい文章で申し訳ありません。ご配慮のほどを念じております。酷暑の折からご自愛下さい。
敬具

平成17年7月18日   I.T.


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