2005/7/20

板橋高校藤田裁判第五回公判(7/19)速報  W板橋高校卒業式
法廷も梅雨明け?〜今回も検察側証拠が弁護側の立証を補強する

1,いつもと違う狭い法廷

 梅雨明け直後の、強い日差しの中、本日はいつもの大法廷ではなく、定員42名(記者席3名、一般傍聴人39名)のこぢんまりした(普通の)法廷で、アットホームな雰囲気が感じられた。(入室の際の警備は相変わらず全然アットホームじゃない)。
 9:30には、すべての傍聴券が配られてきってしまった。後から来られた方には申し訳なかったが、裁判所の都合だったのでご容赦の程を。
 定刻10時開廷。

2,弁護団意見書陳述

(1)小沢弁護士から(Aフォルダについて)
・足音の録音から、鯨岡証人の録音位置の偽証が立証される。
・藤田氏の、保護者へ向けた訴えが、誰からも妨害されずに行われたことが分かる。
・教頭の「コピー配布制止行動」が、実際には行われていないことが分かる。
・鯨岡証人は、座席位置や移動状況についても偽証している。
・教職員席の座席数の確認を、藤田氏の訴えと平行して行っていることは、たいしたことではなく、直ちに排除すべき異常事態とは認識していなかったことの表れである。
・教頭による「式参加許可」があったことは、記録から明白である。
・開式の時刻は、カウンター表示から、10:02前後であることが判明し、式進行に大きな混乱が生じていないことが分かる。

(2)大山弁護士から(B・Cフォルダについて)
・杉並高校卒業式(B)は、カウンター表示に従えば、開式が10時3〜4分であることが分かる。都立高校の卒業式が、一般的にその程度の時間の誤差で行われていることの例証。
・開式前の会場(B)が、私語が多くざわついている様子が分かる。この程度は混乱とは呼ばない。
・1組代表の生徒が、式次第にない不規則発言をしている(B)が、会場の笑いと拍手を誘い、何ら問題とされていない。
・参列者の同意を得ていない極秘録音(B)が、杉並高校でも行われており、都教委が何か事件が起きた時の証拠として利用すべく、組織的に卒業式の様子を録音していたことが類推される。
・土屋都議が自らの体験を曲げてまで、板橋高校の卒業式を刑事事件化するために、横山教育長の答弁を引き出している様子が分かる。(C)
・鯨岡指導主事が、この都議会のやり取り(C)を録音していたことは、都教委がこの質疑に重大な関心を寄せ、一刻も早く内容を知りたがっていたことを表していると言える。

3,ICレコーダの再生

(1)Aフォルダ(2004.3.11板橋高校卒業式)冒頭約20分と閉式後約20分
 冒頭の、開式前のやり取りは、聞く者の主観にも依るのかも知れないが、担任が生徒を整列させる大声や閉式後の椅子の片付けを指示する教師の声などと比べて、取り立てて「威力業務妨害」に当たるとは思えない。むしろ「国歌斉唱」発声後の、異様な沈黙と起立を促す土屋都議や管理職の叫び声の方が場にそぐわない印象が強かった。
 閉式後の記録で、「でもよかったよ。式に影響が出なくて」の指導主事の言葉がはっきり録音されていて、傍聴席に哄笑が広がる。

(2)Bフォルダ(2004.3.16杉並高校卒業式)冒頭約20分
 冒頭の意見陳述にあったように、開式前の騒々しさが分かる。
 1組代表生徒のアドリブ挨拶がよく聞き取れる。この不規則発言が問題にされたとは聞かない。言った内容により処罰されるなら、明らかに思想を弾圧していることになる。

[昼食休憩]

3’,引き続きICレコーダの再生

(3)Cフォルダ(2004.3.16都議会質疑)全部約40分
 予算特別委員会における土屋都議と横山教育長の掛け合い漫才のような質疑。君が代強制通達の発せられたいきさつ、学習指導要領の法的位置づけ、ピアノ裁判の判決の解釈、教師の指導力に関する見解、そして性教育に対する批判など、きわめて一面的かつ右寄りな評価を臆面もなくやりとりする。最後に石原都知事が、アメリカの小学校では最初に「みんなが決めたことは、自分は少し嫌でも一緒にやろう」と教えると発言していたが、みんなで決めた「憲法」を、自分は気に入らないから「守る気はありません」と公言する人がよく言うよ、と反発を感じてしまった。
 君が代強制問題が、教育問題というよりきわめてイデオロギー性が強い政治問題であることが、この質疑から浮き彫りになるのではないだろうか。

4,証拠の採否と次回日程の打ち合わせなど

(1)本日のICレコーダや解析表、及び、弁護団から提出されている証拠の採否については、次回一括して決定する。
(2)次回は、北爪校長の証人尋問。主尋問120分、反対尋問180分。収まらない部分はその次に回し、次々回は田中教頭の主尋問を入れる。年内にもう一回公判を持つ件に関しては、この後検察側・弁護側と協議。
 14:40終了。

5,報告集会

 まずお詫びだが、報告集会の場所が確保されておらず、路上集会になってしまったこと。弁護団も忙しくて弁護士会館の予約を取り損ねていたらしい。
 加藤、小沢、大迫、猿田弁護士から、一言ずつ。差し歯の取れた藤田さんからも一言。
 録音の中味を冷静に聞くと、どこが威力妨害?弁護団の「意見表明」を聞いた後で聞けばなおさら大した中味でないことが分かる。
 次回から検察側証人。当初は20人用意していると言ったのが、3〜4人に減らしてきている。弁護側証人も、10人前後用意しているが、審理の進行をにらみながら、数人に絞ることも考えている。裁判長の訴訟指揮からも、早期結審が予想される。
 弁護側は周到な証拠を用意したので、ぜひ採用してもらいたい。日程がキツイが、ここが頑張りどころ。

…弁護団に感謝したいのは、資料として「意見書(一部ICレコーダ解析表付き)」を提供していただいたこと。おかげ様で、傍聴席でも再生を、裁判官や弁護団と同じ目線で、分かりやすく聴けました。
 検察側は、前回から全く顔色なし。弁護側の周到な反証になすすべなし。さっさとタオルを投げた方が、傷口が小さくて済むよ、と助言してあげたい。

 本日は3時過ぎにすべてが終了し、珍しく日が高いうちに解散できた。暑い夏が過ぎる頃、次回9/8(木)は、午後1:30からの審理になります。(なお、先のことですが次々々回の12/1(木)は、全一日の審理に変更になりました。)

arte(フランス・ドイツ共同の国営TV局)から取材依頼があり、報告集会にはカメラが入る予定だったが、早く終わりすぎて空振りになった。またの機会に、取材をお待ちしております。



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