2005/8/2

「嘱託不採用」撤回を求める提訴  X日の丸・君が代関連ニュース
また一つ、君が代関連裁判が、加わった。
 本日(8/2)10:30、国家賠償を請求する訴状が、東京地裁に受理された。
 (労働部ではなく、通常部事案として扱って欲しいというやり取りの声が聞こえた。)
 1年前のわずか40秒余の不起立が、「戒告」「再発防止研修」そして「嘱託不採用」と二重三重の不利益となる、理不尽な裁量権の濫用と、今後も繰り返される恐れを阻むべく、既に戒告処分不服申立で人事委審理を係争中の5名が、あえて提訴に踏み切ったとのことである。


                   訴状
                                2005(平成17)年8月2日
東京地方裁判所民事部 御中
                                原告ら訴訟代理人
                                弁護士 尾山宏
                                同 澤藤統一郎
                                同 加藤文也
                                同 水口洋介
                                同 秋山直人
                                      外
                                (別紙代理人目録記載のとおり)
                  当事者 別紙当事者目録記載のとおり(宮坂明史他4名)

                   請求の趣旨
1 被告は、各原告らに対し、金559万0400円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払いずみまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。

日の丸君が代嘱託不採用損害賠償請求事件
  訴訟物の価額 金2795万2000円
  貼用印紙額   金10万4000円

                   請求の原因
〔目次〕
第1 当事者-------------------------------------------2
第2 不採用に至る経過---------------------------------3
第3 本件嘱託不採用決定の理由-------------------------8
第4 本件嘱託不採用決定が違憲違法であること----------10
第5 再雇用職員の制度・法的地位----------------------11
第6 本訴における請求の内容--------------------------17
第7 10.23通達及びこれに基づく職務命令の違憲・違法性-20

第6 本訴における請求の内容
1 正当な期待権の違法な侵害
(1)前記のとおり、本件再雇用制度は、定年退職教職員の退職後の雇用・生活保障という制度趣旨からして、希望者は原則として全員が採用されることが前提となっており、現に、10.23通達が発出される前は、不採用となるのは極めて例外的な場合に限定され、定年退職の前後で雇用が事実上継続することを前提とする運用がなされていた。
(2)従って、仮に再雇用の選考にあたり、都教委に一定の裁量権があるとしても、その裁量権は大幅に限定されており、希望者について、解雇に準ずる極めて例外的な事由がある場合に限り採用しないことができるが、そのような例外的事由がない場合には、希望者全員を採用しなければならないのである。
(3)また、設置要綱の「第6」では、再雇用職員の雇用期間更新について、「その雇用期間を4回に限り、満65歳に達する年度の3月31日まで更新することができる」と定められているが、前述のようた「雇用と年金の連携」という制度の趣旨・目的から、本人が希望する限り、極めて例外的な事由がない限り、原則的に4回の更新が受けられ、退職後通算5年間勤務できる運用がなされてきた。
(4)したがって、原告らは、解雇に準ずる極めて例外的な事由のない限り、定年退職(原告渡辺については勧奨退職)後も希望すれぱ再雇用職員として採用され、5年間勤務できるという期待を有していたものであるが、かかる期待は合理的であり、法的にも保護すべき利益である。
(5)都教委は、前記のとおり、原告らの君が代不起立をもって勤務成績要件を欠く、すなわち「勤務成績不良」と決めつけ、原告らを不採用と決定したが、原告らの君が代不起立は、教育現場に旧の丸・君が代」を強制する、違憲・違法な10.23通達及びこれに基づく職務命令に対して最小限の抵抗をしたものであって、これをもって勤務成績要件を欠くものとは到底言えない。
 都教委が、原告らの君が代不起立をもって「勤務成績要件を欠く」と決めつけたことは、違憲・違法な10.23通達及びこれに基づく職務命令の適法性・正当性を前提とするものであるから、その暇疵を承継し、違憲・違法であることは明らかである。
(6)仮に万が一、都教委が原告らの君が代不起立をもって「勤務成績要件を欠く」としたことが、上記の理由で直ちに違憲・違法であるとまではいえないと仮定しても、都教委の上記理由による本件嘱託不採用決定は、都教委の裁量権の範囲を明らかに逸脱、濫用したものであり、やはり違法であることを免れない。
(7)以上により、都教委のした本件嘱託不採用決定は、違憲・違法なものであり、原告らは、違憲・違法な本件嘱託不採用決定により、正当な期待権を侵害されたものである
(8)なお、上記の点は、再雇用職員の法的地位が労働契約上の労働者か否かという論点の結論がいずれであっても異ならない。
 仮に、再雇用職員と被告との間の法律関係が労働契約ではなく、君が代解雇事件で被告が主張しているように、都教委の任命という行政処分によって生じる任用関係であったとしても、都教委が原告らの君が代不起立をもって勤務成績要件を欠くと判断し、原告らを再雇用職員として採用(任命)しなかったことは、違憲・違法な10.23通達及びこれに基づく職務命令の適法性・正当性を前提としたものであるから違憲、違法であり、仮に、直ちに違憲・違法とま1ではいえなくとも、採用(任命)について都教委が有する裁量権の範囲を逸脱、濫用したもので、違法である。
(9)都教委は、被告に設けられた独立の行政決定権限を有する合議制の行政委員会であり、都教委を構成する教育委員、教育長、都教委の事務局である都教育庁職員は、東京都の公権力の行使に当たる公務員である。
 本件嘱託不採用決定は、これら都教委を構成する公務員らが、その職務として行ったものであり、原告らに対する関係で、国家賠償法上の違法性を有することは明らかである。


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