2015/2/27

卒業式・入学式を前に 職場のとりくみのための資料集から@管理職への質問・意見  X日の丸・君が代関連ニュース
 「日の丸・君が代」強制反対!「戦争できる国民」作りには手を貸せない。
 私たちは、今、歴史の岐路に立っている。思想・良心の自由、教育の自由を守るために、自ら声を挙げよう。

 ◎ 職場でのとりくみ ―管理職への質問・意見(例) ―

 = 命令・処分は教育にふさわしくない =
 ★1 2003年に「10.23通達」が出されるまで、校長先生から「職務命令」という言葉を聞いたことがありません。命令など出さなくても、授業も行事も円滑に行われていました。今でも、職務命令書を手渡されるのは卒・入学式や周年行事だけです。なぜ、こうした行事に限って、わざわざ職務命令を出すのですか。

 ★2 都教委は、各学校の校長先生が自分の判断で職務命令を出していると主張しています。校長先生は、なぜ職務命令を出すのですか。ご自分の言葉で説明してください。


 ★3 都教委は、教育課程の適正実施のために「10.23通達」を出したと主張していますが、教育内容に関わる事柄を、なぜ行政が一方的に決めてしまうことができるのですか。学習指導要領には、「10.23通達」や「実施指針」に書かれているようなことは一切載っていません。何を根拠に事細かく定めたのですか。

 ★4 文科省も都教委も、学力向上に力を入れていますが、現代に於いて求められる学力は知識を丸暗記する力ではなく、自分で考え表現する力です。「日の丸・君が代」についても、一律に起立・斉唱させるのではなく、歴史的経過や、様々な考え方・評価があるという事実を伝え、生徒自身が自主的に判断できる環境を作る方が、本当の学力向上に繋がるとは思いませんか。

 = 歴史の教訓 =
 ★5 強制で身につくのは、従う振りをする裏表の使い分けです。2012年の予防訴訟最高裁判決で、宮川光治裁判官は、「こうでなければならない、こうあるべきだという思い込みが、悲惨な事態をもたらすということを、歴史は教えている。国歌を斉唱することは、国を愛することや他国を尊重することには単純には繋がらない。国歌は、一般にそれぞれの国の過去の歴史と深い関わりを有しており、他の国からみるとその評価は様々である。」と、歴史の教訓に学ぶことの重要性を述べています。

 ★6 「日の丸・君が代」はかつての侵略戦争で戦意高揚や皇民化教育に利用されました。そのため、日本国内にも国外にも、受け入れがたいと思う人がいます。生徒や保護者の中にも辛い気持ちになる人がいるかもしれません。国民の間で評価の分かれるものを、公教育の場に強引に持ち込むことは止めてください。
殊に、「日本は本当に過去を反省しているのか」「平和主義を捨て去るのではないか」と、国際社会から疑いの目を向けられているこの時期に、戦争と切っても切れない関係にある「日の丸・君が代」を強制することは、日本を一層孤立させる心配があります。

 = 国際社会では国旗・国歌の強制は人権問題 =
 ★7 成熟した民主主義の国で、卒業式や入学式に国旗・国歌を持ち込んでいるのは日本ぐらいです。「アメリカでは教室で国旗に向かって宣誓している」と言われますが、生徒にも教員にも強制することはできません。連邦最高裁では70年以上前から「強制は憲法違反」という判決が続いています。

 ★8 2011年7月、国連自由権規約委員会は「旗やシンボルに対して敬意を払わないこと」を処罰する法令に懸念を表明しています。(一般的意見34パラグラフ38)このことをご存じですか。日本の最高裁は、起立・斉唱が敬意の表明の要素を含む行為だと認めています。国際的な人権感覚に反する通達や職務命令は、国際社会の中で活躍できる日本人を育てるという文科省の教育政策に反するとは思いませんか。

 ★9@ 2014年7月、国連自由権規約委員会は、日本政府に対して、非常に厳しい要件を満たさない限り「思想・良心・宗教・表現の自由」を制限してはならないという趣旨の勧告を出しました。(勧告22)なぜこの勧告が出たかご存じですか。

 ★9A 委員会は、2013年に「日の丸・君が代」問題で教職員が処分されていることについて日本政府に説明を求めました。政府は2011年の最高裁判決を引用して職務命令には問題が無いと説明しましたが、この説明に委員会が納得しなかったからこそ、勧告が出ました。つまり、都教委が行っている強制や処分を、国際社会は人権侵害に当たると懸念しているのです。舛添知事はヘイトスピーチ問題には「オリンピックが開かれる東京にヘイトスピーチがあってはならない」と、熱意を示していますが、「日の丸・君が代」問題でも、勧告を謙虚に受け止めて、強制や処分を止めるべきだとは思いませんか。

 = 生徒や保護者には強制できない =
 ★10 最高裁判決は勿論のこと、生徒や保護者に起立・斉唱を強制できるなどという判決は1つもありません。立つ立たない、歌う歌わないを自分で決めるのは、憲法19条や20条によって保障されている権利です。その事実を伝えるだけの「内心の自由」の説明をなぜしてはいけないのですか。全員に起立・斉唱させることと生徒・保護者の人権を保障することを比べて、校長先生はどちらが大切だと考えますか。

 ★11 国連自由権規約委員会の一般的意見の中には、「宗教や信念に関わる指導は、保護者の申し出があれば、免除や代替措置が必要だ」という趣旨のものがあります。(一般的意見22パラグラフ6)カナダでは、こうした措置もとられています。国籍や出身国、宗教も多様になっている都立学校でも、こうした配慮が必要だと思いませんか。

 ★12 式の予行の際に「君が代」斉唱の練習をさせないでください。都教委は予行で歌う練習をしなければならないと指導はしていないはずです。

 ★13 管理職と司会が使う、式の「進行表」があるはずです。式次第や進行、役割分担などが決定されるこの職員会議で「進行表」も全教職員に示すべきです。

 ★14 「進行表」に「(国歌斉唱時に立たない生徒がいた場合)起立・斉唱を促す」という文言を書き込んでいる学校があると聞きます。そのような強制は憲法19条・20条が保障する「思想・良心の自由」「信教の自由」の侵害です。本校の「進行表」にはそのような文言は無いでしょうね。

 = 司法が求めているのは問題解決にむけた誠実な努力 =
 ★15 2012年、2013年の最高裁判決は、機械的な累積加重処分を違法としました。全ての処分を取り消すべきだとする反対意見の他、沢山の補足意見もつきました。「厳しく処分してまで教職員全員を起立・斉唱させる必要があるのか。そんなことで自由闊達な教育が保てるのか。」と、都教委の強引なやり方に驚き呆れる裁判官たちの思いが滲み出ています。裁判官がこれだけ教育問題を心配しているのですから、校長先生はもっと真剣に考えて、職務命令を出さない決断をしてください。

 ★16 2012年の最高裁判決の補足意見で、櫻井龍子裁判官は「問題解決のために全ての教育関係者が速やかに努力する」ことを求めました。しかし、教職員側からの話し合いの申しいれを都教委は拒否しました。
2013年最高裁判決の鬼丸かおる裁判官の補足意見は「謙抑的な対応が教育現場における状況の改善に資する」と、都教委の側に変化を求めています。都教委に従うだけでは、校長としての責任を果たしたことにはなりません。

 = 最近の情勢との関連 =

 ★17@ 舛添都知事はヘイトスピーチを批判していますが、ヘイトスピーチを行っている集団がどのような旗を掲げて行動しているかご存じですか。

 ★17A 彼らは「日の丸」や旭日旗を掲げています。「日の丸」が特定の国や民族を差別・排除・攻撃する目的で使われているのです。「日の丸」が差別や威嚇の手段としても用いられている現状を考えれば、学校行事である入学式や卒業式で起立・斉唱を強制することには問題があると思いませんか。まして、生徒・保護者の中には、ヘイトスピーチの対象になっている国や民族との関わりが深い方もいらっしゃいます。ヘイトスピーチが起こらない社会を作るためにも、こうした方の思いに配慮した対応が必要だと思いませんか。

 ★18@ 今年の1月16日、東京「君が代」裁判三次訴訟の判決が出ました。裁判所が何件の処分を違法と認めて取り消したかご存じですか。

 ★18A 26人の原告が受けていた31件の処分が取り消されたのです。高裁で裁判は続きますが、最高裁判例に従った判決なので、処分取り消しの結論は変わらないはずです。停職3ヵ月・1ヵ月、減給6ヵ月というような極めて重い処分が違法に行われていたことに、校長先生はどのような感想をお持ちですか。

『卒業式・入学式を前に 職場のとりくみのための資料集』(卒業式・入学式対策本部 2015.2.14)

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