さあ、気分も新たに。今日は我がランチの看板馬、フルーリーの紹介です。
フルーリー(Top Boomernic)は数々の賞を取ったのでご存知の方も多いはずです。
私たち夫婦はレイニングに憧れつつ故障馬のリハビリ・癖馬の調教等を経てそろそろ夢だったレイニングホースのアメリカからの直接輸入をしても良い頃ではないか。ということでその前年に知り合いになった玉置さんに条件を伝え、良い馬を何頭か探してもらったのです。

NRHAダービーの会場での買い付け。第一候補はノンプロホースですが、オーナーさんは常に上位に入る方。しかし候補馬はファイナルに残ってしまって断念(ちなみにその馬はA Hollywood Hustler!!)次の候補がこの馬房にいるはずなんだけど・・・・と、でもそこにはとても小さく冬毛ボーボーの馬(これがフルーリー)が。玉置さんは「こんな馬だったかな〜?」とそれくらいショーイングの印象と普段のギャップがあったそうです。
このフルーリー、フチュリティーの際玉置さんが気に入って交渉・翌年ダービーでも空谷さんが交渉するもオーナーさん(トレーナーDean Latimerの奥さん)は売らなかったそうです。そしてこの年のダービーで予選落ちして(うちにとってはラッキー)手放すことを決心。タイミングが合ったんです。

試乗のとき、サドルを付け人を乗せたフルーリーは周りのピカピカにグルームしている馬たちにまったく引けを取らない位のオーラで、それどころかその独特なスタイルと柔軟な動きは見ている人の目を奪う勢い(のように私は感じた)
初めてまたがって、私にとっては初めての新車のようなもの。すごく緊張して何をやったか覚えてないけどとにかく柔らかくって気持ち良い!
でも他も見てみようと返事を延ばしていたらその場にいたイタリア人のバイヤーが5000ドル上乗せするから売ってくれってDeanに交渉しに行ってて、あわててその場で決めちゃいました。

フルーリーに関わって私の馬への見解は大きく変わりました。
この馬は(Rimnic・Boomernic血統はおおいそうですが)スイッチのオンオフが非常にハッキリしている。感情の表現が非常に豊か。
普段は猫かぶっているけれど、一旦集中力が切れるととにかく言うことを聞かない。跳ねまくりそこで落ちればもうそれ以降はなめられる。
この馬は叱ったり、上下の関係をきっちり付けるのを嫌がり、一緒に遊んでやるくらいの気持ちで取り組むと途端にやる気を出して自分から滑るしスピンもそんなに早く回らなくていいよ。というくらい頑張る。普段は鳥が飛ぶだけで跳ねるのに集中するとまったく周りが見えなくなる。
そんなヤツです。
馬房ではボロ取りするバイトの子はジーンズのベルトループをくわえて持ち上げられ、叱るとそこからさらに悪戯がエスカレート。
馬場に放すと今度は飼い桶をくわえ、たかーく振り投げて自分の背中に落としてびっくりして暴走し、またくわえて繰り返す・・・変な遊び。

でもショーにむけて乗り込んでいくと馬房にいても、1日の内決まって瞑想の時間(と言っている)があって、まったくふざけないし、からかっても相手にしてくれない時間がある。角を見つめて微動だにしない。
興味深いヤツ。
彼を手放す際に半分泣きながら握手を交わしたDeanの奥さん。すっごく可愛がっていて、愛着があったのがわかります。そんな彼女の思い入れも全部背負って、これからもこの憎めない小さなスーパーホース(時に悪魔)を錆びさせないように維持していきたいと思っています。
うわー、今日は長すぎ!!!
もひとつついでに。
画像小さくしました。フルーリーもちっちゃ!ポニー並み。

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