今回の八ヶ岳HSを振り返って…
まず、なんといっても熱望していた指導者競技会がこんな早くに実現したこと。
プロのウエスタンホースマンシップ…というのが斬新でしたが、それがとてもよかったということ。全乗協の技能認定も、指導者試験も、実技内容はストックシート(レイニング系)とホースマンシップを混ぜたようなオリジナル審査です。ここで指導者競技がレイニング系だったら結果が見えててつまんなかった。でもそこがホースマンシップだったから良かった。
そして私個人的にも、ホースマンシップ競技をプッシュしてきた。最近は、競技会デビューからいきなりのストックシート、が多くて、ストックシートは馬によってはとてもコントロールが難しいので、危険のリスクが多い。馬の調整を「お客さん用に!」調整できないと危険なんです。
*** ちょっと反感かうかもしれないけど ***
今回の競技会は危険なシーンがすごく目立った。
暴走(馬がひっかっかる)と立ち上がるシーンが多かった。
そのシーンのほとんどはレイニング系。暴走はランダウンがきっかけに。立ち上がるはストップロールバックが多かった(他にもリードチェンジの場所のセンター)
暴走馬や起立馬は、準備運動の時点で見当は付く。
おそらく調整する人間も分かっているはず。でも、直し方がわかんないんだと思う。
暴走馬は、何で暴走すると思う?暴走するっていうのは馬の心理がどうなってるからだと思う?
その心理的な原因を解決するには、どうやったらいいと思う?
起立馬は、なんで立ち上がると思う?ハミを理解してると思う?ハミを恐怖と感じていない?ハミあてて、収縮を求めた時、馬は緊張してない?させてない?
指導者はその馬はよく知ってるから感覚的に(これ以上引っ張ると危ない)ってわかるけど、お客さんは本番中は緊張もしているから自分のことでいっぱいいっぱい。そこも考えて調整していかないと本当に危険で、今回はけが人も出ずに済んだけど、特に起立は(真後ろにひっくり返って)近年死者も出ているくらい危険なこと。もし、競技中に死亡者が出たりしたら今の時代、誰に責任があるのかと捜査が入り、そのうち厳しい出場規則とか、全員ヘルメット着用規定とかになっちゃうから。
「ウエスタン乗馬は安全」と言われることもなくなっちゃうから。
今回の競技会は、金曜からすべてを全乗協の会長と役員と、JRAの役員も視察にいらしてました。競技会を終始観たのは初めてと仰っていました。
ブリティッシュは落馬の危険があるけど、ウエスタンは馬も大人しいしフラットワークだし安全だよね。と以前仰っていた方たちが、今回のを見てどう思われたのだろう。
近年は、頭の位置が低いまま演技をするレイニングホースが多いから、みんな頭を下げることを優先しちゃって物理的に引けば下がるようなきついハミを着けて、反抗したり頭が上がってきたらジャークしたりして力で抑圧するのも見かける。
私は今回もジャッジングクリニックを受けて、ジャッジから聞いたけど、「世界的にも頭を下げさせることを優先に考えてるライダーがいるけど、不自然(首に力が入ってるなど)に下がっているより、上がっていても馬が自然でのびやかに運動している方が評価は高い」ということです。
そりゃそうです。
ジャッジが見ているのは頭の位置じゃなくて馬の全身の動き。無理に抑圧させていたらどこかに要らぬ緊張(力み)が入るから自然じゃないし、人馬がファイトしながら演技してたら何かの指示や動きをきっかけに破壊しちゃう。その破壊が暴走だったり起立だったりするんじゃない?
馬は不安とか緊張から逃げる動物。安心とか冷静(平穏)を好む。また、多少不快に感じても不快程度ならそのまま待ってればそのうち慣れる。
上の方で私の出した問題の解決策の一例…
暴走する馬は、焦ってる。先を読まれてる。応急処置としてはスクーリングで一度目の走行は捨てで、リラックスさせて走行し、馬が焦ってきたら速歩に落とすなどしてリラックスしたらまた走らせる。あとはいつもハミに乗せない頼らない。
起立馬は大抵が、ハミを理解してないのにきついハミを付けちゃう。馬の気持ちはまだ受け入れ態勢に入ってないのに身体的に無理やりねじ込まされてる。スナッフルでハミの意味を教えてスナッフルでもルーズでもルーズから引っ張ってもハミを受け入れるくらい理解したらシャンクスナッフル→ビットやコレクション…ってもっていかないと。そしてビットでしばらくは調子良くてもまた反抗することがあったらすぐに元に戻って、受け入れるところから始める。
ハミ、手綱って馬をコントロールする最大のプレッシャーツール。私はハミは最後の手段と思ってます。極力馬をコントロールするには、シート・重心・脚などで、手はきっかけだったりヒントだったりです。馬にしたら口の中の金属は一番嫌なプレッシャーなのに、それを初めから最大に駆使されて動かされてたら、私だって「いい加減にしてくれ!」なんて嫌がって引っ張りかえしてやるか立ち上がって自由を手にすると思う。
力で抑圧された状態を調整と思ってお客さんに乗せると、力のないお客さんとわかると馬は仕返しとばかりに力を誇示して反抗するから、調整って自分が出るための調整とお客さんを出すための調整って違うと思う。
*** なんか、すごく分かった風なこと書いてすごく反感かうと思う。また、文章中表現が変だったりでご指摘もあるかと思う。でも、私はウエスタン乗馬って、クォーターホースって本当にいいものだし、ウエスタン乗馬の評判が良くなるも悪くなるも私たち次第だと思ってる。
特に事故や不祥事が起きると、どこに責任があるのかと調べ上げて何かしらの規制がつけられてしまう時代です。そうならないように、私も含め指導者は勉強して乗ってるお客さんに楽しんでもらい、見てる人にもやってみたいって思ってもらえるよう努力しないといけない。

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