前回も今回も、お客さんの馬探し(1頭は繁殖用、もう一頭はレッスン用)が目的の出張。前回は天候に阻まれて繁殖用しか買えなくて、今回はご本人が都合で同行できなくなったこともあり、なおさら「目的を果たさねば!」という使命を感じていました。
前回購入したリコは、馬探しをお願いしているトレーナーに預けていました。
トレーナーは私の滞在中にリコの乗り方をレッスンしてくださるといい、そんなチャンスはめったにない!これは私の財産になると、ありがたくお願いしました!!
乗馬って、つくづく精神修行。自分と向き合う自分との闘いだなって。
それは分かっているつもり。だったけど、やっぱり心のどこかに引け目があった。
その引け目というのは、リコへの遠慮。トレーナーへの遠慮。それと、旅費を負担していただいてるお客さんへの引け目(馬探しの合間と言えど自分の技術向上に力を入れてていいんだろうか)。
その心が、「なんとなく上手く見せよう」とか、「早く終わらせよう」とかどっかにあって、その態度があいまいな乗り方となって、指摘を受ける結果になる。
言葉の問題もあってか、「これを求められているのだろう!」と自信を持ってやると指摘。「これか?」とやるとまた指摘。だんだん自分に自信がなくなり私は馬よりトレーナーの方へ神経が行ってしまい、馬への注意力がお留守になる始末。とにかく混乱だらけでした。情けない。
〜〜そうそう、前回間違って認識してて今回の後半になってやっと理解できたこと。それは・・・
「もっと許せ!もっと許せ!」と言われたことに対して私は「手綱伸ばしているのに!」て思っていたこと!今回「手綱は短くてもいいから手を許せ!」これ、やってるつもりだったのに「許してない!」といわれた。で、突き詰めて聞いてみたら短いままでも許す。この「許す」はただ手を下におろすだけじゃなくて、体と拳をリラックスさせて手を下すことだった〜〜
それでも回数を重ね、よく話し合い、注意されている意味が分かると「OK!」が出る。トレーナーがニッコリ顔で「Better!」とか「Very Nice」と親指を立ててもらうと、それはなによりホッとする瞬間。それがなんだか調教されてる馬の気持ちになったようでフッと自分に笑みが出る。
終わったころにはすっかり最初の引け目や遠慮は消え去り、開き直りというか、今までは指摘されたことを100%受け止めて自分の意志は0(ゼロ)にして〜〜と思ってたけどそれが指摘は聞くけどあくまでも乗っているのは自分なんだ!と、70%くらいは自分を出していたと思う。でも、それも笑っちゃう話で、自分がお客さんにレッスンする時にいつも言ってることなんですよね。(悪いところは指摘するけど自分の意志を持って。私の指摘は頭の隅に置く程度でいいから。など)
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昔、2001年の頃かな。USET参加の際の監督(Bryan Pace)がやはり熱い指導をしてくれて、毎日2時間コースで徹底してレッスンしてくれた。
でもそれ以降のMatt(2002USET監督)もDale(2002WEG監督)も、ほとんど教えてくれることはなかった。(Mattは、質問に対しては答えてくれたけど、乗っている時はなかった)でも、それは競技の数日前に指導したら、良くなるどころか混乱するだけだと思っていたからなんだとも思う。
いくらレイニング後進国の日本人とも言えど、お世辞遠慮なしでのガチの指導って恐らく指導する側もそれなりの覚悟をしていると思う(私はそこまでできないな〜。相手の気持ちを思うとって、中途半端に当たり障りのない程度しかできないな〜)
いや〜、でも本当にホンッとうに為になりました。馬の乗り方調教の方法、管理の仕方や意識のレベルももちろんのこと、人間として成長するための良い経験でした。
指導者って、ずっと指導者でいるとだんだん肩書にあぐらをかいてしまうと思う。でも、時には指導される側に立ってみると自分の生徒さんの気持ちがよくわかるし、自分を落とすことでより洗練され、磨きをかけることができると思う!
何年かに一度、自分が気づかぬうちにあぐらをかいてしまうとき、まだまだ上があって上を目指さなきゃダメなんだって思えるように、機会があればまた炎のレッスンを受けに行きたい!
忙しいのにお付き合いいただき、ありがとうございました!
と!そして、使命も忘れていませんよ!今回の馬は粒ぞろい。第一、第二、第三候補の馬まで決めました。そしてこのレッスンで培った技術と精神を自分の厩舎にいる馬たちに還元することでお返しできると思います!
↑Ruben Vandorpと同じ馬場で毎日乗っていました。とても気さくでとてもいい人。
毎日頑張ってくれたリコ。とてもかわいいスタリオンです。

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