乗馬指導者資格の審査員の委託を受ける者は、毎年研修を受けてから各講習会の講師として派遣されます。
毎年行う審査眼の勉強のほかに、毎回テーマを変えて行う講義があります(抜粋)
*乗馬指導中の安全対策
@天気予報を確認(特に外乗での落雷等)注意報警報が出ているかどうかのチェック
@引き馬でも落馬の危険はある。経験の浅いアルバイト任せは厳禁(訴えられた施設あり)
@ヒヤリハット調査では騎乗中よりそれ以外の事故が多い。手入れや馬装の際も愛好者を一人にさせないこと
@騎乗者の水分補給。運動前はアイソトニック(ポカリなど)運動後はハイソトニック(バームなど)
@28年度も裁判トラブル起きています。北海道イベント・東北の観光・関西・九州
@死亡事故。中国年配男性が外乗中死亡(後日死因は既往症の発症と判明)。既往症に関しての把握も必要。
@その他、入院する落馬事故にもかかわらず謝罪も見舞いもないという苦情も数件あり。
*乗馬の栄養と飼育管理
@飼料に含まれるカルシウムとリンの含有率。
アルファ(Ca高P低)+ふすま(Ca低P高)=○
チモシー・イタリアン+ふすま=△ など
@ふすまは最近また見直されてきている飼料(だが、与えすぎると弊害(骨がスカスカになる)が出る。1日300〜500gが適正)
@配合飼料の与え方に注意(オールインワンタイプとサプリメントタイプは正しく使う)
@スーパー繊維:ビートパルプ(牧草接種の少ない(体重の1%以下)馬には有効)
@Ω3には抗炎症作用がある。ただフィッシュオイルは嗜好性が悪いから、Ω3目的ならアマニ油が使いやすい
@ボディーコンディショニングのポイントは濃厚飼料(ミネラルビタミン補強、脂肪(油)の利用。2kg未満。切草とともにゆっくりと)
@胃潰瘍にさせないために(何も食べない時間を少なくする。一度に多量を与えない。特に濃厚飼料)
@多量の炭水化物は危険(穀物は1回に2s以下)
@高齢馬であっても健康なら成馬と同様でいい
@注意が必要な飼料
スーダングラス・ジョンソングラス・ソルガム(青酸中毒発症の危険)
アルサイククローバー(肝機能障害誘発の物質含む)
アルファルファ(アメリカ中〜東部生息のツチハンミョウ(blister beetle)は心臓障害を発症させる)
@塩は与えすぎても馬への影響はない
*引退競走馬に対する諸外国の取り組み
@イギリス・オーストラリア・アメリカ・フランスなどでは、競馬団体や競走馬オーナーなどから出資し(国によっていろいろだが)リトレーンング専用牧場を設立し、例えばアメリカでは全米5か所に牧場があり、運営費は年間1億円。競走馬からレイニング・バレルレーシング・カウホースなどにもリトレーニングしている。
などなど。

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