うちの娘は自分の気持ちを表に出すのが苦手。
馬は好きだけど自分からは乗りたいと言わない。大人の指示がないと動かないし、時間も気にせず計画性もなさそう。
もうティーンエイジャーになったことだし、大人から離れて行動する機会も増えた。大小あれどこれからは自分で予測したり予定を組んだり選択をしなくてはならない。
騎乗馬フルーリーはベテランなので私は乗らず、最初から自分で調整してきた。
ユースワールドカップ選考会、前回は本人の希望を聞かず大人が決めて大人の方が熱くなっていた感があった。今回は本人の意思で決めさせて参加することになった。
1次予選の会場はフルーリーとの相性が悪く15年近くいかなかった場所。相性が悪いというのは、まずには虫アレルギーでここに来ると搔きむしり神経過敏になること。2つめは馬場の雰囲気がなぜかダメ。今まで3回くらい来ていて、毎回何かに驚きぶっ飛ぶ。ショー本番でぶっ飛んだり引っかかったり。3つ目は暑さ。日影が少なく日差しは強く人も馬も体調が気になるところ。
娘にはそれらの情報を伝え、いつものように自信をもって馬をリードしていれば大丈夫と伝えた。
初日。選考対象の1種目目。ランチライディングはスピードを出せなかったけど終始コントロール下にありスコア68.0。4ポイント獲得した。うだるような暑さのなか人馬ともよくできた。彼女の態度は自信に満ちてこの日、ぐんと成長したのを感じた。
2日目。朝からフルーリーの様子がおかしい。体が熱い。熱中症を疑って残りの2種目はキャンセルになるかもと覚悟。
他の選手たちが準備運動を始めるころ、フルーリーはまだ体温を測り獣医師を呼んで診察を受けていた。
熱は38.8度あるが、他に異常は全く見られず。次の種目を出た後にもう一度診察することになり、慌てて鞍を載せて準備運動。
パターン表を片手に課題の運動科目や移行、流れをチェックして苦手な部分を修正しているようだ。
この種目は彼女が一番練習してきたし自信はあった・・・のに終盤で右と左を間違えて失格。失格はポイント付かない。私も悔しいけれど本人が一番悔しいだろう。のちに「前半が難しいから前半ばかり気にしてた。終盤になりホッとしたら度忘れして真っ白になった」のだそう。私がやいのやいの言わなくても大丈夫だ。その経験は次回に活かされるだろう。
診察したら体温は下がって来た。ということで3種目目も続行できる。
3種目目は彼女が一番やる気がなく、練習は4回くらいしかやってないし悪いところを指導しても全く直そうとしない。
この種目ショーマンシップはドッグショー言うハンドリング競技会。昔やったハンドリングのコツを思い出してそれっぽく見えるコツだけ口で説明したら、なんとこれが唯一の1席で5ポイント。
家ではあれだけ注意してもやらなかったことが本番でしっかりやれていた。指導したことが身になるかどうかは受ける側の意欲と意識しだいなんだな。
1次予選を終えて娘は9ポイントで暫定2位タイ(かな?)
2次予選は学校の行事と重なる。どちらを優先させるのかは本人次第。
親としての想いは出しゃばらないように、自立を見守る。助けを求めてきたときはサポートするつもり。
コーチとしては、失敗すれば自ら気を付けるようになるし、成功すれば自信につながる。目の前の成功だけにとらわれず、確実に上達できるステージに連れて行くのがコーチの仕事と思ってる。
私はコーチの仕事が性に合ってるのだと思う。馬を介して選手(子供も大人も)が達成感を味わい成長していく姿を見ると満たされる思いになる。
・・・話は長くなってしまいましたが、ストーミーの調整も今回の仕事でした。

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