
1982年。
私はラジオから流れてきた1曲のロック・バラードに釘付け?になりました。
その曲こそヴァンデンバーグの「Burninng Heart」だったのです。
アコースティック・ギターを前面に出したミディアムテンポの美しいこのバラードは70年代の香りを漂わせていました。
そして、ヴォーカルは哀愁を漂わせながらもこのバラードを見事に歌い上げていました。
それはイアン・ギランやサミー・ヘイガーをはじめて聴いた時のような感動を私に与えてくれました。
誰だこれは?
当然ヴァンデンバーグなんてバンドは知らなかったので、すぐにレコード店に行き彼らのデビューアルバム「ネザーランドの神話」を購入しました。

ヴァンデンバーグはすでにスーパー・ギタリストの呼び声が高かったエイドリアン・ヴァンデンバーグのギターを中心としたオランダのバンドで、同じくオランダ出身のやはりこれもスーパー・ギタリストのバンド、ヴァン・ヘイレンに敬意を表し自らの名前をバンド名にしたらしい。
そのギターワークはさすがにすばらしく、なんと言ってもアコースティックな部分を取り入れ、70年代のテイストを残しながら80年代風のサウンドに仕上げるセンスが私の好みとぴったり合ったのです。

しかも、バート・ヒーリンクのブルージーで哀愁漂う、しっかりしたヴォーカルがメチャメチャ気に入ってしまったのだ。
しかし、ひとつ気になったのはアルバム・ジャケット。
これもエイドリアンのデザインで本人が描いたというからすごい才能だが、1枚目のジャケットはいまいちサウンドとマッチしていないように感じました。

その後2枚目「誘惑の炎」3枚目「ALIBI」(ジャケット的には3枚目が最高!)とアルバムを発表し、大ブレイクはしないものの「フライディ・ナイト」などのスマッシュ・ヒットも飛ばし着実にスーパー・バンドへの道を歩んでいると思って期待していたのですが。。。
2枚目以降アメリカではアルバムが売れず、ついにバート・ヒーリンクが脱退。
エイドリアンもホワイトスネイクからのオファーを受け、ヴァンデンバーグはあっさり終焉を迎えてしまいました。

その後エイドリアンはホワイトスネイクで長期にわたり活躍しますが、度重なるアクシデントに見舞われついに音楽界から引退。絵の才能を生かし画家になったとの話もありましたが、最近また復帰に向け準備中という情報も。。。

他メンバーもまだ若く、特にヴォーカルのバート・ヒーリンクはこのまま埋もれさせてしまうのは全くもったいない!
出来ることであれば、オリジナルメンバーでの活動再開を期待したいところです。
私にとって、たまたま当時購入したLD「LIVE IN JAPAN」が彼らの動いている唯一の画像であり、今となっては大事な宝物となってしまいました。
栄光のメンバーです!
Adrian Vandenberg エイドリアン・ヴァンデンバーグ (g)写真右から2番目
Bert Heerink バート・ヒーリンク (vo)右端
Dick Kemper ディック・ケンパー (b)左から2番目
Jos Zoomer ジョス・ズーマー (ds)左端

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