体の柔軟体操、今はストレッチというのか、これ、痛いけどやった方が良い。というより、是非やるべきだ。
以前書いた、股関節が痛くて足が上がらないのは、関節ではなくて筋(すじ)が原因と分った。筋が萎縮した、使われないから退化して固まってしまってるのだ。
老化で表れるのが、尻の筋肉が削げ落ち、腰から下、大腿もやせ細ってくることだそうだ。そういえば、大抵老人は痩せており、中でも下半身は骨と皮みたいになっている。そうだ、あれは萎縮してしまったのだ。
自分がそうならぬ為に、使われないで縮こまり日増しに硬くなっていく筋を動かすことから始めなければならない。単に歩くとか単純な運動を多くするだけでなく、普段使わないところを意識して使うようにしなければ。普通ならそれは、多分ヨガのようなものにならざるを得ない。
空手の型をやるようになってから、普段の生活では絶対に使わない筋のあれこれを使うようになった。その姿勢を取るだけで筋が伸ばされ、痛い。普通はそんな痛いこと、敢えてやらない。だが空手の型をやる為、我慢してやる。やらなければならない。
空手の型は良い。空中浮遊の超能力とか、変てこりんな宗教のおまけも付いて来ないし、日本古来の精神性、精進、礼節の観念に溢れている。若い頃は煩(うるさ)く感じられたこれらのことも、歳を取った今は実に宜しい。基本稽古は飽きるが、型なら全体を完結仕上げる為に、嫌なもの不得手なものもやる。
とはいえ私は型が好きだ。空手本来の目的とは違うが、型を覚えることは中高年にとって頭の老化防止になる。脳が命令し、体がその通り動く、動こうとする。この連絡経路がしっかり毎日動いていれば、老けることはない。そう信じている。
『俺は今、空手をやっているのではない。空手の”型”をやっているのだ』。演武、そして演舞でもある。そう、舞踊のように。即格闘に役立つ技ではない、自分の姿勢考えを表す肉体言語なのだ。
これまでに覚えた型(完璧に極(キ)めて出来るという意味ではない。)
・ 平安初段
・ 平安二段
・ 平安三段
・ 平安四段
・ 平安五段
・ 鉄騎初段
・ 鉄騎二段
・ 抜塞大
・ 観空大
・ 燕飛
・ 慈恩
計11型、全部一通りやるのに最短約15分で、息絶え絶え状態。
この後、閉めのフレーズを書いているうち、ある驚きの発見があり、更に長くなったので、二つに分けて投稿することにした。以下次号。

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