エビ太である。海老蔵と名付けたかったが、尻尾がきりりと日本犬のように巻いてるので、○○太の方が良かろうということでなった。Coenobitaのうちの種類はPerlatus、和名サキシマオカヤドカリである。6日前、4月19日に我が家に来た。というか私が連れ帰ったのだけど。

この種類、以前にも居た。一匹。
市吾。家に来て3週間しかもたなかった。確かな原因は分からないが、他にもこのペットチェーン店で買い5匹のうち4匹が1ヶ月内に死んだ、サプライヤーはバクテリアに感染したカニを供給しているのでは、いや元々この種類は弱く飼育難易度が高い、等、ニュースグループで話題になっていた。
うちのは来て3日間だけ餌主に果物を食べた。その後全く食べず、下痢をしながら段々動きが緩慢になっていき、最期は全く生きているそのままの姿勢で動かなくなった。見ている目の前で、力尽きた感じだった。
ところで、このエビ太の写真、泡を吹いているのが見えるだろうか。これまで人から、泡を吹いていた、ぷちぷち音を立てていた、などと聞いたことがあったが、嘘か間違いだろうと思っていた。だが今回自分の目で見、こうして写真に収めた。音まではしていなかったが、確かにカニの泡吹き。つまり、呼吸の為使っていた水が汚れて粘ってきたということか。実はこのようになる前に、珊瑚砂(砂というより大粒なので礫?)を食べていた。こいつもちゃんと飼えず一匹目と同じく直ぐ死なれてしまうのか・・・。昨日一日隠れ家の中で半分潜り身じろぎもしなかったので、大変心配した。一週間くらいで覚悟を決めるようかと思っていたら、今朝元気を回復して出て来た。その泡吹きパニックになる前に、栄養価の高いモノを工夫して食べさせた。それが良かったのかも。体力があるとないとでは、特に病気の原因が分からぬ時は、
生死の分かれ目になる。
サキシマオカヤドカリ、日本では稀少種というか元々日本のオカヤドカリとは言えぬくらい個体数が少ないらしい。動物愛護の精神などかけらのない商法のまかり通る日本、今後オークションなどで信じられないような値段でやりとりされるようになるのだろう。だが
コレクターさん、悪いことは言わない。この種はとても飼い難い。生かすには凄く手間がかかるよ。本当はムラサキもナキオカヤドカリも、ちゃんと生かすには設備も揃えなければならないし、毎日しっかり気を使ってあげなくてはならないのだけど、幸か不幸か結構頑丈に出来ているから、水道水とポップコーンだけで一夏の慰み物くらいにはなってしまう。
でもサキシマはそうはいかない。必用なものも多い。飼い方を教えると、これまたほい来た渡りに船、「簡単に飼える!何十万匹に一匹の超癒し系!」とやられてしまうので、
決して教えない。これを見た飼育経験者さんも、飼育情報は公開しないで欲しい。自分で調べればそう苦労しなくても分かることだ。それだけの熱意のある人以外に、簡単に飼えるから、稀少種だから値打ちがあるからと、勧めないで欲しい。私達は生物の命で商いしているどこかの業者とは違うのだから。
ちょっと新参の紹介をするつもりが、説教臭くなってしまった。こいつが泡を吹いたりするからだ。
ぶつぶつ。。

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