昨日は昼過ぎから渋谷のNHK放送センターで取材。
で、そういう日に限って朝に新聞を広げたら「NHK放送センター宛に『赤報隊』から実弾到着」なんて記事が出ていたことから凄く楽しみに、もとい、恐怖に慄きながら向かったわけですけど、取材の際にいつも通る西玄関にはそんなに変わった様子もなく、強いて言えば受付近くに緊張した面持ちで立っている職員さんが1人増えたぐらいだったんで拍子抜け、もとい、安心しました(^-^) いや、てっきり金属探知機でボディーチェックを受けるぐらいのことはあるんじゃないかと予想してたんですが。
ともあれ、そんなわけで昨日改めて思ったのは、今や東京にある大手テレビ局の中で「自動改札機」を通らずに構内に入れるのはNHKとテレビ東京だけになったということだ(笑)。
かつて私がメディアの世界を取材し始めた15〜20年前の頃には、大手のメディアでも社屋内への立ち入りなんてヤツは実にユルユルで、確か河田町にあった頃のフジテレビなんかは裏の社員通用口から勝手に入ってスタジオまで行けたし(通用口から入った途端に廊下をスケボーで走ってきたヤツとぶつかりそうになってびっくりしたのを覚えている)、あのビートたけしによる『フライデー』襲撃事件に晒された講談社でも、まだ旧社屋だった1990年代初めの頃は受付に挨拶するだけでふらりと館内に入って編集部までノーチェックで行けた。それこそ電通ですら、フリーパスで営業局のオフィスに取材で入れたものだし、当時いた広告業界誌の上司からは「いいかお前。取材ってのは事前にアポをとったり受付を通ったりしなくてもできるのが当たり前なんだよ」と教えられたものだ。
それが今やどうだ。とうとう全局が港区内に新社屋を構えて凝り固まっちゃった在京キー局(テレビ東京以外)に取材で行くと、大理石を敷き詰めた美術館みたいに荘厳なロビーの一角にある受付でICカードの入館証を貰い、警備員が怖い表情で見守る「自動改札機」まがいのゲートを通り越し、塵一つ落ちていないようなエレベーターホールから十何階に上がるや、ドアの開いたところにICカードをぶら下げた広報部員が待っていて、案内する彼がドア横のキーボードの暗証番号を叩くことで初めてオフィス内に入れる――というのが、ほとんど当たり前になっちゃってるんだよな(汗)。
こいつら事件現場とかでは傍若無人に土足で踏み込むような取材をやってるくせに、いざ自分が取材を受けるとなったらこのザマかよ……と思うようになって随分久しいんだけど、最近ではもはやそういうことに目くじらを立てるのも空しい心境になりつつあるというのが正直なところだ。
その意味で今回、相変わらず紐でぶら下げた紙切れの入館証だけですんなりと入れたNHKの度量に妙な感心を覚えてしまったりした次第ですが(笑)。
まあしかし、受信料で成り立っていて、今でも隣接のスタジオパークに全国各地から大勢の人々がやってくる(しかも最近は何かと槍玉に上がったり「内部を公開すべし」などと言われる)NHKとしては、過度にセキュリティに走るわけにはいかないという事情もあるのかもしれない。というか、あるいは以前にも例えば放送センターで職員さんが白装束で割腹自殺を試みたようなこともあったくらいだから、実弾が郵送されてくるぐらいで動じないぞということかもしれない。
ともあれ、今回の取材もなかなか面白かったですよ。だから言うわけではないけれど、ともあれ「NHKがんばれ。赤報隊に負けるな」とエールを送りたいです。ではでは。

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