7月2〜6日に5連泊した札幌市北部、地下鉄南北線「北34条」駅から徒歩15分の「S荘」。
当初は期間中
G8MNの市民メディアセンター西18でずっと雑魚寝で通すつもりでいた私に、札幌の現地スタッフの人たちが「海外からも来る人が多いので宿を用意します」といって急遽確保してくれたのがここ。
見ての通り相当年季の入ってそうなアパートだが、泊めていただくに先立って西18でご挨拶した大家のTさんによれば「1階にはまだ2人住んでいますが、2階の部屋は全部空室だし、10人以上は泊まれそうなゆとりがあるので好きに使ってくれて結構」ということだった。
もっとも、最初の7月2日夜の段階では宿泊者は私1人。しかもその日は終電間際までセンターで作業があり、深夜0時過ぎの深閑とした北34条駅から、暗い夜道を一人地図を頼りに、重い荷物を引きずりながら15分歩いて、寝静まった住宅街の一角にあるこのアパートまでたどり着いた。写真右横の入り口(自転車が止まっている手前)真っ暗な階段を上がり、鍵を開けて2階に入った途端、廊下に面した4部屋のドアが暗闇の中で一斉に10pほど開いた \(゚ ▽ ゚;)/!
ででででででででで電気はどこだどこだどこだどこだ!!! ……と焦ったのはほんの一瞬で(^-^)、ほどなく見つかったスイッチで点灯したところ、ようするに4部屋とも部屋には鍵がかかっておらず、廊下から外に通じるドアがいきなり開いたために気圧差が生じた(後で確認したら、換気のためかどの部屋も窓が少し開いていた)だけのことなのであった。
とはいえ、かなり慎重にひとつひとつの部屋の扉を開けながら中を見て回る。灯りのもとで見れば、さすがに使われていないゆえどの部屋も何となく埃っぽい感じはするものの、別に汚くはないし、スペース的にもいずれも2〜4人がゆったり泊まれそうな広さと、クッションの効いたベッドがある。風呂トイレなどは様式のユニットバス。ただし一部屋は脱落した鏡台がバスタブの上に置かれて入浴不能、もう一部屋はガスが使えず、さらにもう一部屋はトイレを流してみたところ水槽から下へ壮絶に水漏れ(汗)。
そんなわけで、スペース的には最も狭かったものの水まわりが一番しっかりしていた↓の二人部屋を、先着の利を活かして確保。しかし、今こうして写真で見るとなかなか良い部屋ではありました。なんたって冷蔵庫(実際に使えた)や洗濯機(使わなかったけど実際に使えそう)も揃っていた(クーラーはなかったけど、7月初旬の札幌では、開け放った窓から一晩中とても心地よい天然の涼風が入ってきた)。
というか、ようするに最近まで普通に人が住んでいたということなのか洋服ダンスや食器棚(しかもその中には食器類や料理器具まで)も一通り残されたままであり、なおかつ2つあるベッドの片方にいたっては、大家さんがちょくちょくこうして誰かに課しているのか、誰かが1回ぐらい使った感じのシーツが敷かれたままになっていた(笑)。わーお、なんだか面白いところに来ちゃったよ! などと深夜に一人、まるで中学生の修学旅行のように浮かれてしまった44歳・
G8メディアネットワークの
テキストユニットリーダーなのであった(笑)。
一夜明けて部屋の外に一歩出てみれば、廊下の様子はこんな感じ(↓)だった。北海道の中心都市・札幌の、昔ながらの市民生活の風情が置き忘れたかのように今も残された空間?――ふと、そんな気がした(札幌のみなさんが見て「違う」と思われたらごめんなさい)。
結局、私はここに5泊6日(7月2日〜7日)滞在することとなった。最初の2晩は一人で気ままに過ごしたが、その後は徐々に利用者が増え、何だかんだで最終的には10人ほどが泊まったんだろうか。中にはしかも学生さんたちやニューヨークから来たアメリカ人の女性もいたりして、その間は連日、終電間際の地下鉄でやってきたみなさんを駅から案内しては部屋の使い方を説明したりするという、なにやら「管理人」みたいなこともやってました。
でも、こうして写真を見ているだけでも、今なお自分がそこにいるかのように当時のその場の空気(屋内の匂いや物音)が蘇ってくる。一方で、何だかあれはもう何ヶ月も前のことのような気もするのだけど、実はついぞ3週間ぐらい前の今月の話だというのが何ともメチャクチャ不思議なのだ。
ともあれ、さっきも書いたけど40代にして突然「修学旅行」気分を体験できた(?)「S荘」での日々にはどこかそんな楽しさもありました。
とはいえ終わってみると、10代の頃の私なら覚えもしなかったような気分にもかられますね。つまり「楽しかったこの場所へと再び戻ってくることは、この先の人生ではもう二度と無いんだな」と。

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