と、いうわけで行ってきましたぜ「湯河原温泉オレンジマラソン」。で、見事完走もはたしちゃいましたぜ。やったね、ざまーみろ!(って威張ってもしょうがないんだが)
「マラソン」といっても当然42.195qのフルマラソンではなくて、湯河原の温泉街周辺をまわる10qコース。とはいえ、それだけの距離を一応競争という形で走るのは、大学生時代に参加した学校主催のロードレース以来22年ぶり。誰でも参加できる市民マラソンとなると今回が初めてだ。だから要領もよくわからないし、しかも前日に田舎の法事に出た帰り道での参加である。会場まで革靴履きで、さらに手には礼服を持参という格好でやってきたのだが、どこをどう見回してもそんな奴は私一人であった(泣)。
おまけにスタート前の会場は御覧のような混雑。やる気バリバリ出しまくりのアスリートや、見るからに体育会系のジャージ集団が「ウォス!」とか気合いを入れてる横に、何だかえらく場違いな人間がきてしまったんじゃないかと肩身の狭いものを覚えた。参加定員は3000人ということだったが、もっと多く見えた。
午前10時スタート。人がこれだけ一斉に同じ方向へ走り出す光景というのは、自分もその中に入って見ると、さらに異様に見える。200mほど走ったところで、コースは早くも結構ハードな上り坂にさしかかり、4qぐらいのところまではずっとその状態が続いた。ついさっき真横を通りかかって見上げた新幹線の高架を、1qも行かないうちに眼下はるかに見下ろす位置にまで上がってしまうという急勾配。……こ、これはさすがにきつい(汗)。
事前に貰っていたリーフレットによると、コース全体の高低差は160mだとか。けれども実際にどれだけのアップダウンなのかというのは、じかにそのコースに接してみないことにはやはりわからないのだろう。今後はなるべく事前にコースを下見しておくぐらいのことはやっとかなきゃ……と、息を切らしながら反省した次第。
「1km」の立て看が見える頃には、早くも何人か歩き出した。私も「これでまだ10分の1かよ〜?」と、何だか挫けたくなった。周囲では黙々と坂を駆け上がる人々が吐き出す、ぜいぜいという声が響き渡るが、他のランナーを気にすると却って疲れるだけだ。あくまで無理せずにマイペースを維持することにする。
もっとも4qを過ぎたら、今度はひたすら下り坂一辺倒になった。最初はあまり楽になったのをいいことに飛ばさないようにしたのだが、少し早めの桜が見ごろになってきた山中から、古い温泉街へと駆け下りていく道は爽快そのもの。折りしもこの日は薄曇の空から時折陽が差す絶好のマラソン日和で、肌にあたる風がすんげえ気持ち良かったのだこれが。
しかも沿道に立つ地元の人々が旗を振りながら「がんばれー!」と声を掛けてくれる。これまではマラソン中継を見ながら「あんなのやってもランナーは聞こえてないんじゃない?」とか疑問視していたのだけど、こうして走ってみるに、実はあれって無茶苦茶励みになるんだね。そんなわけで後半は目いっぱい気分も良くしながら、ゴールまで思い切って飛ばしまくった。快調快調!
で、結果であるが、これだけ人数がたくさんいるレースだと、トップ集団かドンケツのほうにでもいない限り、自分がどのへんの位置でゴールしたのかというのがよくわからない。
参加者のゼッケンの下には計測用チップが貼り付けられていたので、完走の確認やタイムの計測はできているらしい。だが、あいにくこの日はシステムにトラブルがあったらしくて即座には出てこず「結果は後日改めてみなさんあてに直接お送りします」と主催者が会場で案内していた。
ゴールの後、歩いて会場まで戻ってドリンクを数杯あおり、息が落ち着いてから荷物をとりに行ったところで初めて時計を見たら11時05分だった。ということは55分ぐらいで走ったのかな。でも、聞けばトップの選手は33〜35分ぐらいで走破してしまうらしい。ぬ〜、敵の背中まではまだ遠いぞ(笑)。
まあ、実質ほとんど初めてのマラソン参加だったし、とりあえず今回は完走が目標だったので、まずは良しとしよう。ゴールの段階でもまだ余力があったし、ラストスパートでは前を行くランナーを結構ごぼう抜きにもできたので満足。
ただ、さすがに足には痛みが残った。特に下り坂を思いっきり飛ばしてきたせいか、途中からは前腿がパンパンに張ってしまったのは予想外だった。これがなければ最後はもっと飛ばせたのにな……と少々残念。普段にジョギングで走っている中野区内のコースは高低差ほとんどゼロなので、そこで鍛えるのも難しいところではあるんだけど……一夜明けて、これを書いている今ですら椅子から起き上がるのに苦労するの何の。
ともあれ、そんなこんなで完走の喜びに浸りつつ、町内の温泉(この日に限ってマラソン参加者は無料で入れる)にゆったりと漬かった後に帰路へ。「快速アクティー」のグリーン車を奮発し、眺めのよい2階席で参加土産の伊予柑をほおばりながら、春の陽の降る相模湾や、見頃に入ってきた沿線の桜を楽しみながら帰ってきたのでした――なんて書くと何だか中学生の感想文みたいだな(苦笑)。
でも、何だか若い頃に部活動をやってた時代の気分が久々に蘇ってきたみたいな気もして悪くはなかったです。まあ、あの上り坂のコースは思い出すだけで疲れそうだけど……でも、「また来年も参加しにきてもいいかな」と思った次第。

0