深夜零時過ぎに買い物で出かけた近所のコンビニで、発売ホヤホヤの『
ビッグコミック』を何気に手に取るや、思わず食い入るように読み込んだあげくに買ってしまったのでした。
ちばてつやの「4年半ぶり」だという特別読みきり58ページの『
赤い虫』。
今から47年前(1961年=昭和36年)、都内は隅田川沿いの貧乏所帯で、男ばかり四人兄弟の長男(父親は入院中)でありつつ、もっぱら少女マンガ雑誌で描き続けていたという著者(当時22歳)が、初めて少年誌(『週刊少年マガジン』)から仕事を頼まれ、ブレイクするきっかけとなった野球マンガの名作『ちかいの魔球』の連載1回目を書き上げた日のエピソード。冒頭に「これは私が体験した本当にあった話なんです」という、著者メッセージが欄外に添えられている。
『AKIRA』で大友克洋が大ブレイクしていた頃、彼のアシスタントたちがメディアからの取材に答えて「(大友氏からは)『とにかく、ちばてつやを研究しろ!』と言われてます」と答えていたのを覚えている。私自身はそれを読んだ当時は今一つピンとこなかったのだけど、今頃になって、前述の『ビッグコミック』に掲載の特別読みきり作品、あるいは『あしたのジョー』を持ち出さなくとも近ごろコンビニで再編集版が売られてる『あした天気になあれ』に思わず熟読(?)させられたりしている今となっては、大友克洋がそう言ったという理由も何だかよくわかるような気がする。
絵柄からして決してリアリズムの作風ではないのだけど、一コマごとに、その場面の情景や奥行きにある世界を漏らさんとばかりに描き込まれた“含み”も込みの情報量には正直、今回の作品でも驚嘆させられたものでした。と、いってもわからんという向きはすぐにCVSか書店まで行き、上記『ビッグ』の226〜283ページの作品を読んでみてください。ではでは〜♪

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