劇団東風
Vol.44
第34回公演
「おやすまなさい」



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演出挨拶  パンフのごあいさつ

ひさしぶる。

 何せ、三年ぶりだ。ひさしぶりだ。ひさしぶらせてもらうよ。
 三年は、ちょっとした時間だ。福原愛がスキャンダルで謝罪したり葉加瀬太郎の人相が激変したりするのに充分な時間だ。ぷにょっとして餅にしか見えなかった赤ちゃんが右手にガリガリ君を握って「力が欲しい」と呟く子供となるのに充分な時間である。公演が終わると俺も37歳だ。
 三年ぶりに芝居をすると戸惑うこともある。演劇では稽古を始める合図として手を叩くのだが、カスタネットを叩いている自分に驚いたりする。
 あからさまに嘘すぎて面白くない。実は戸惑うことはなかった。普通に脚本書いて普通に演出してる。息を吐いて吸って。同じリズムだ。その戸惑いのなさに戸惑ったりする。稽古初日とか泣くかなと思ったのに。
 ひさしぶりなのに。
 なんか損した気がする。ひさしぶりにカツカレーを食べてチキンカツカレーなのに気づいてもカレーだしなと流してるだけなんじゃないのか?ひさしぶりなんだから集中しないと流れていくだけなんじゃないのか?あーこれがブランクというやつか?こんばんは。ブランク長いです。さようなら。フランク永井。合掌。
 結局、問題は本番だ。今まではなんとか本番を観客に楽しんでもらっていたはずだ。ひさしぶりの舞台。面白いのか。面白いのか俺達。三年ぶりに観客の前でどうなるのか。なにかやらかしてしまわないか。普通に台詞を言えばいいものを語尾に「みょん」とか足したりしないか。
 「わからなくていいですみょん」静まり返る客席。凍りつく共演者達。
 悲しみの気持ちを涙を零すことで伝えようとして零しているのは鼻水だけという間違いをやらかしたりしないか。ドキがムネムネするよ。
 ひさしぶりなのに。
 この御挨拶を読んで、そう思う方もいるでしょ。でも事情があってやらなかっただけなんでやめた訳じゃないし、やめないですよ俺は。おめおめと生きておめおめと芝居やります。ひさしぶりだけど芝居は面白いと思うよ。ひさしぶりだから初めて見る方にも。ま、冬なのに夏の芝居なのはひさしぶりなんだから見逃して。役者が13人なのも見逃して。
 今日は本当にありがとう。楽しんでいってください。では。

前田 慶

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