4時半起床、8時過ぎに槍見到着。
麓の雪は殆ど消え、天気も陽気もすっかり春模様だが穂高はまだ真っ白。
久々に30キロの重装備は腰に堪えるが、冬の条件を思えばかなり気楽だ。
事前に調べたHPなどの記録では岩小屋あたりまではあまり雪がないと書いてあったが歩いて30分もしないうちに所々雪渓で登山道が埋まっていた。
しかもシーズン初めだけあって倒れた大木や岩が道を塞ぎ、沢を渡渉した先からはかなり残雪が多くなって歩きにくいことこの上ない。岩小屋まで予想以上に時間を食う。(雪解け水で沢は増水していた為、靴を脱いでの完全な渡渉となった)
岩小屋から先は完全に残雪の世界。ヒロサコ尾根を右手に傾斜が緩いクリヤ谷を詰めてゆく。左手には前衛フェース、三段ドームが聳えて圧巻。
谷を詰めると傾斜が増し、緩いルンゼに入る。遥か先にはクリヤの頭が良く見える。
この頃から暖かさで完全に雪が緩み始め、膝近くまで潜ってなかなか進まない。
午後2時半過ぎにようやくクリヤの頭に到着。頭東側の台地を削って幕営。今回特別に上げた缶ビールで喉を潤す。
夕方前に稜線で撮影。あけぼの壁が圧巻。
翌日、再び稜線で撮影してから笠へ向かう。頭からコルへ下り急な雪面を登り詰める。かなり傾斜がきついので戻る時は少々緊張した。
2600mピークまでくると笠が目の前に迫る。しかしここから一つ大きなギャップがあり、頂上直下の夏道が完全に雪壁になっており、ザイルがほしいような感じ。
時間的にはまだ余裕があったが、今回は登頂が目的でないので残りのフィルムをこのピークで使い切り、クリヤの頭まで戻る。
あとはテントを撤収して一気に下る。沢は潜ったりクラストしていたりして、かなり往生したが左手には陽春の穂高連邦が輝き実に心が和んだ。
昼前には槍見に到着。
2日間とも暖かく、沢下部では新緑を待つサワグルミ、ブナ、カエデなどが残雪と折り合い、春山の景色を十分に堪能出来た。
やはり春の裏穂高も素晴らしいですな。
ちなみにこの時期は日差しが強い上、地肌の露出が多くなるので撮影時、スポット感光での露出が難しく、いつもより段階露出でシャッターを切る回数が増える為、当然多くフィルムを消費してしまう。(実際適正露出で取れているのは1枚)
やはりこういう時期は特にコスト的にはデジカメが有利ですな〜。