先月から1ヵ月経ちそろそろ氷も発達しているだろうとリベンジを計画したのだが…ここ数日、春のような陽気…。
ちょっと厳しいかも、と思いながらも取り合えず出発。
前回と異なりトレースはバッチリ。オイラはここ1ヵ月全く歩いていなかったが、体力的に問題なく1時間半ほどで岩小屋へ。
今回は2日間の予定だったので久々に小屋にテントを張って取り付きへ向かう。
1ルンゼはこの暖かさで下のピッチは殆ど氷はないが、中間部から上の氷柱はしっかりついている。ともかく行けるところまで行ってみようと準備する。

1ルンゼの氷柱を見ながら取り付きへ
準備をひていると上から声が…。平日にしては珍しく先行パーティがいるようだ。こちらの準備が整ったところで下降してきた。お話を伺ったところ4P目までは全く氷がなく、それから上は張っているがこの暖かさで氷の崩壊と落氷が激しくとても登れない、とのこと…。
残念だが危険性が高いので予備ルートに転進することにする。
予備ルートにしていた「高森ルンゼ」と「順天堂大学医学部山岳部ルンゼ」は北東壁を右から最奥まで詰めた辺りらしいので、そこまで進む。北壁を左に見ながらラッセルを続けると左に小規模ながらも顕著なルンゼが現れた。

北東壁を左手に沢を詰める
どうやらこれが「高森ルンゼ」らしい。更に奥にはかなり長い氷爆が見えあちらが「順天堂大学山岳部医学部ルート」らしい。
この暖かさでも1日中、日が当らないこのルンゼはしっかりと氷が張っているので登れそう。取り合えず高森ルンゼから取り付く。

「高森ルンゼ」の取り付きにて
1P目 大関
傾斜の緩いナメを詰めて氷爆の下まで。30メートル
2P目 神林
いきなり10mほどのバーティカル。確かにX級ほどはありそう。右側から取り付き末端の壁を上手く使いながら上に抜けるが氷爆を左に回り込むところが悪い。
更に狭くなったルンゼを詰め、2メートルほどの垂直の氷を登りきったところで上部の雪田に出て終了。45メートル。ここから2ピッチ懸垂で取り付きまで。
続いて100メートルほど沢を詰めて「順天堂大山岳部医学部ルンゼ」へ。
こちらは高森ルンゼほどバーティカルではないが50メートル近くあり楽しめそう。
1ピッチなのでトップロープを張ることにする。
只管、スクリューのみのランナーはなかなか気持ち良いが、上部はほぼ垂直になっており抜け口の氷は薄かったのでそれなりに緊張させられた。
終了点の雪田では適当な終了支点が見つからず、あちこち雪を掘り出しいるとようやく右の雪塊の下に残地スリングが埋まっていたのを発見。
これを補強してトップロープにする。

「順天堂大学山岳部医学部ルンゼ」をリードするオイラ
神チャンも登って終了すると良い時間になったので撤収。明日、状態が良ければグラスホッパーを登ることも検討したが、下降時に偵察してみるとやはり下部は発達が甘くベルグラ状態でとても登れそうにない。
ここで3人のパーティが偵察に上がってきた。今朝方tら、神戸の方の他にソロで北沢大滝を詰めていたクライマーもいたので、平日なのにこれだけ入山者がいるのも珍しい…。
さて、岩小屋について明日、どうするか迷ったがこの陽気と氷の状態で登れそうなアイスルートは去年登った「北東壁左ルンゼ」位しかない…。
悩んだがアネゴがパートナーを募集していたこともあるので、そのまま撤収することにした。
駐車場に着いたのが7時半前。帰宅したのは日付が変わる頃で流石にしんどかった。
感想
予備ルートにしていた各ルンゼは予想以上に手応えがあり面白かったが、やはり1ルンゼが登れなかったのは残念…。ただこの暖かさではどうしようもなかったですな。ともかくしっかり氷の繋がった状態で登攀を楽しむ場合、4年前の豪雪の年のように余程寒い冬を待たないとダメそう。まあ、数年越しの課題として残しておくのも楽しみかも。