【北バシリーズ3】
秋の連休を使って北バに行ってきた。さすがに人気ルート、一番の核心は渋滞対策だった。
9/18(土) 晴れ、上部はガス
芦安駐車場−広河原9:40−11:30二俣−14:30 bガリー大滝−16:00白根御池小屋
少々出遅れたが、下部岩壁へのアプローチを確認するところまで行けた。パートナーはN本さん、初めての北バに張り切っている。
バットレス下部岩壁のアプローチは何通りかあるが、二俣から大樺沢を登り、最初の大きな沢筋(バットレス沢、b沢)を辿ることにする。明日未明のアプローチに備えて入口を確認。B沢の登りはいずれもザレているが、中央の草つきを左寄りに登るトレースが一番踏まれている。木登りも交えた登りの末に、bガリー奥の大滝に着く。岩の状態は良好なので一安心。大樺沢には秋の花がまだ咲き乱れていたが、上部は草紅葉が進んでいる。夕方になって小屋に着くと、御池の周囲までほぼテントで埋まっていた。
9/19(日)快晴
白根御池小屋3:00−5:30 bガリー大滝8:00−横断バンド−四尾根取り付きテラス12:00−18:30登攀終了−19:00北岳山頂−20:00肩の小屋
先頭での取り付きを目指して早出したが、bガリー大滝に着いた時にはすっかり明るくなり、既に約20人が順番待ち。我々の後からも続々と登ってきて、狭いガリーに30人以上がひしめく。ルートの上方からは次々と落石が降り注ぎ、その都度警戒の声が響く。

最初のクラックに続きスラブを登ると、草つきの横断バンド(緩傾斜帯)に出る。ここもザレていて、不用意にロープ操作すると落石する。バンドをトラバースしてcガリーに向かう途中、トレースを見落とし、ザレたガリーを登りかけて時間をロス。Cガリーを登り、取付テラスに着いた時には、数ピッチ上までぎっしりの大渋滞になっていた。
ようやく順番が来て、気を取り直して登攀開始。奇数ピッチをS原が、偶数ピッチをN本さんがリード。1P目は左手左足をクラックに添え、右手のカンテをつかんで登る。その後、1ピッチ登るごとに1時間待たされる状況が続く。先頭パーティーが5P目とその後の懸垂でつかえているらしい。
3P目で待つ間に、時刻は14時を過ぎた。ここまでは富士山や八ヶ岳を望める好天だったが、徐々にガスが出て気温も下がる。このまま行けば登攀中に暗くなる計算だが、場所が悪く、懸垂下降もままならない。先行パーティーとも相談し、5P目まで行ってから判断することにした。
3P目は白い岩のスラブをクラック沿いに登り、4P目はスラブから右にリッジを渡る。5P目最初の垂壁が今日の核心。先行パーティーは初めからスリングを掴み、軽やかにA0で越えていく。ここは右手のカンテも使い、なんとかフリーで越えた。そのままリッジを登ると、元マッチ箱のピーク。ようやくガスが切れ、はるか下に大樺沢が広がり、本来の高度感あるクライミングになった。N本さんも頑張ってついてくる。

約15mの懸垂下降でdガリー上部フランケと合流。ここで急に先行パーティーのペースが上がる。ようやく先頭のパーティーが抜けたようだ。少しずつ日が陰る中、山頂まで抜けることに決める。時間との競争だ。6P目、7P目は右手のコーナー沿いからスラブ、枯木テラス下までリッジを登る。夕闇迫る中、ヘッドランプを準備してから最後の稜線へ。大きな割れ目を右手から渡り、左にトラバースして最後はハイマツでビレイして登攀終了。周囲はすっかり暗くなっていた。N本さんはさすがにお疲れの様子。月明かりとヘッドランプを頼りに登山道を山頂まで上がり、最後は肩の小屋に転がり込んだ。

9/20(月)曇り
肩の小屋6:30−7:30二俣−9:30広河原−芦安駐車場
曙光の鳳凰三山を拝んでから登山道を下り、二俣にデポした荷物を回収、無事に下山した。
今回のルートは昨年の再訪だったが、北バが初めての同行者もあり、それなりに充実感のある山行になった。駐車場横の金山沢温泉でゆっくり汗を流して帰宅した。