二日間とも快晴、最高の天気で八ヶ岳東面、権現岳東稜を登ってきました。
メンバーはshimizu(記)、iwa、Ben、tokuの東海ナンパ四天王。
山行中は終始下衆な会話が飛び交う、それを抑えさせるのもリーダーの仕事であり、今回一番苦労したところだった。
権現岳東稜といえば、去年iwaと行ってラッセルに苦しんで敗退した経験があり、ずっとその事が引っかかっていた。
今年はさらに強力なメンバーを加え、さらにスノーシューまで準備して大雪の山梨県美し森から入山しました。
いつもの美し森駐車場は除雪ができていなかったので、少し上部にある美し森ファームという展望台がある駐車場をお借りしました。林道まで斜面を降りなければならないけど、ちょっと近くなります。ただ登山者がここを使って良いのかはわかりません。
7時駐車場出発→11時頃出合小屋
登山道はトレース無かったんですが、スノーシューのおかげでどうにか歩ける。 たしかに多いけど清里の駅周辺のドカ雪具合ほどには積もっている感じはなかったです。

スノーシューを使えば、終始ヒザ下くらいでした。
出合小屋で相談。
@このまますべての装備を持ってラッセルを続け、稜上に幕営。
A小屋で泊まり翌日荷物を減らして登攀。
意見が割れましたが、登攀を安全に楽しむことを優先してAの決定をしました。
その後は2時間ちょっと空身でラッセルを進め、バットレスの手前までトレース付けに行きました。
権現岳東稜の取り付きは、出合小屋から左へ左へ。権現沢左俣は一番左の沢です。
右俣との分岐から10分ほども歩けばゴルジュが現れ、それを越えたらすぐ右側ルンゼを登ります。間違えることはないでしょう。
稜上に上がれば、木登りやらナイフリッジやら、ロープは出さなかったけど輪かんで行くにはちょっと難しい。
tokuシェフの夜ご飯は、マヨネーズたっぷりのポテトサラダと、マヨ麻婆茄子丼。
私たちにはこんな下衆い食事がお似合いです。美味しかったです。
しかし、朝ごはんのパスタはちょっとキビしかった。
少ない水で作ったので粉っぽいパスタに、ピリ辛めんたいの粉末、それを強引にまろやかにするためのマヨネーズ。
マルタイの方がまだ食べれます。他のみんなが「おいしい」言って食べてるのが信じられない。
2日目は2時起床で、4時出発。
前日のラッセルのおかげでだいぶ楽に取り付きまで行けました。

朝陽と雲海が素晴らしかった!
これこそ「メルヘン」ですよ! わかるかなぁ〜。
登ってきた尾根がバットレスの基部で、左からの尾根に吸収されるところでちょっとしたナイフリッジになります。
ふつうはその手前でハーネスとロープ準備するのだろうけど、まだ行けるかなぁ、て歩いたらかなり微妙な場所で準備する羽目になってしまいました。
余裕を持って早めに装備を準備する。 今回の反省です。

バットレス手前の急な草付の下のリッジ。
このリッジの手前でハーネスを付けた方がいいです。
ルートは実質2ピッチ。
バットレスの基部からバンドに一段上がって、左に回り込むのが1ピッチ目。40m
左に回り込む部分がパッと見わかりづらいので注意が必要。弱点をついて行くとバンドから直上してしまい、行き詰まる。
壁は立っているがホールド、残置支点共に豊富。

バットレスやや下のこの木から左に回りこみリッジに出ます。
ここはルートファインディングが難しい。

1P目 とくさん
2ピッチ目は、迷うことないし難しくもない。35mほど、傾斜のゆるくなったところの立木でビレイ。
その後は歩いて頂上まではすぐだった。
最高の景色、寒くもない。空は宇宙が透けているような深い青。
ここまで天気が良い日はめったにない。 苦労してやって来た甲斐があった。

2P目の終了点。悪天も好きだけれど、やっぱり天気はいい方がいいかも。by toku
下山は三ツ頭経由の川俣尾根。
気を抜いて油断しないように、尾根の分岐地点では皆で話し合って確認する。
やはりツルネ東稜経由で下山するよりも早いようだ。小屋のすぐ裏まで尾根が続いている。
ラッセルはつらかったが、下山後の温泉と焼肉だけを楽しみに林道を再びスノーシューハイクした。
美し森に着いたのは暗くなる前の17時頃。
今回、ラッセルが多いことを理由に小屋をベースにしてのクライミングだったのだが、なんとなく物足りなさと言うか、引っかかるものが残ってしまった。
結果的にはその判断は正しかったのだろうが、満足度という点ではやはりすべての荷物を持って山の中で幕営する方が、八ヶ岳東面には似合うと思う。
今後、このルートを登る計画が出されたら、強くそれをお勧めしよう。
おまけ。ご褒美の焼肉です。とても美味しかった。価格も満足。