kura、せんだ(記)の40代コンビで行ってきました。連日10時間超の行動でアイスを満喫してきました。
12/25(晴れ)黒戸尾根
駐車場6:30発 →五合目11:45/テント設営 12:30発で偵察(坊主ノ滝の下まで)
→テント戻り17:30
12/26(晴れ、夜半より雪)黄連谷左俣
テント5:40発 →坊主ノ滝7:10(右岸から高巻き)→二俣の手前15mの滝9:00
→垂直の滝11:30ごろ →最後の滝(登攀完了)15:00
→八合目(登山道)16:20 →テント戻り17:30
12/27(雪のち晴れ)篠沢七丈瀑
テント7:20発 →七丈瀑8:40/登攀開始9:20 →11:20登攀完了11:20
→左岸から下降完了12:20 →テント戻り13:30/テント撤収14:20
→駐車場戻り17:45
◆黄連谷左俣の写真・記録

坊主ノ滝は氷の状態が悪く登れそうになかった。上部の氷結状態がどうなのか?かなり不安になってしまう。初日の偵察で見たとき、これはさっさとあきらめて帰ってもいいかも、と私は思ってしまったが、kuraさんのあきらめない気持ちが勝って二日目に突撃。結果的には大正解でした。

右岸から巻いたが激悪のラインで反省。左岸から巻くのがよかったみたい。この写真は自戒の念を込めて撮った写真。以下、自戒のための記録を残しておきます。
やぶ漕ぎの比較的歩きやすいところを繋いでいくと写真のビレイヤー(kura)の数メートル下に出た。雪がべっとり一面についていて傾斜もきつくはない。その下には氷か草付きがあるだろうと思って進んでみるが足元はスラブ状の花崗岩。少し慌てて、お守りのつもりで持ってきたキャメロットとトライカムが決まるところを見つけてロープを結ぶ。そこから2メートルぐらい上で岩の段差の基部にある細い灌木でランニングビレイをとる。ちょっと一息ついてリードするが、行けども行けども氷もなければピックが決まるような草付きもない。灌木も埋まっておらず、段差の基部でもカムが決まるようなところもなく、ハーケンが打てそうなリスも見つけられない。段差はあるもののほぼ完全な一枚岩のスラブの上で、かなりランナウトした状況になってしまう。ある程度上がってしまったので戻ることも難しい。かろうじて段差の基部にアイゼンの前爪を効かせ段差の微妙なホールドをガストンっぽく使ってバランスを取りながら進む。ランナウトに耐えがたくなってきたころ、右上の方は傾斜がやや緩くなっておりその上部には氷が見えた。もう少し前進して仮に落ちてしまった場合、やや右斜めに落ちるようにしてどうにかそこの緩傾斜帯に立つイメージで落ちるように注意するぐらいしか気休めの材料がなかった。どうにかバランスを崩さないように前進して、最後は段差から1〜2メートルぐらい右にある薄い氷にバイルのピックを引っ掛けて一息つく。スクリューを2本続けて決めてようやく安心。さらに右上して立派な灌木で支点を取った。
自分の支点の位置よりもやや上の方に、ほぼ水平トラバースのようなラインでトレースがついていた。ロープを使った跡はあるが、そのラインの方が幾分ましのようだった。また、最終的に高巻完了して本流に戻ってみると、左岸から巻いたトレースもあった。
冷静に振り返って、べっとり一面についた雪の下は延々と続く一枚岩かもしれない、と疑うことができればもう少し慎重に判断できたのではないかと思う。また今回の高巻したラインは、小さい沢(六丈沢?)の下流であり、もっと視野広く地形を観察していれば、沢の下流で岩が磨かれている可能性に感づいたかもしれない。大いに反省。

二俣の手前15m滝。ここからようやく待望のアイスクライミングになる。昨日の偵察からここに至るまで、やぶ漕ぎにはげっぷが出てしまうほどおなか一杯になっていた。

左俣に入って、立派に見えるチムニー滝の登場。いよいよアイスクライミング本番といった雰囲気になる。標高が高い分、氷の状態は思っていたよりもよさそうだ。

美しいナメ滝が続き、難しくはないものの、ふくらはぎはパンパンになってくる。

核心となる垂直の滝。ここで先行パーティを見かける。kuraさん、渾身のリード。

最後の滝はライン取りしだいで難しくも簡単にもなりそう。せんだリードで、できるだけ意欲的なラインを選んで登った。

最後はラッセルが続く。先行パーティのトレースに大いに助けられた。新雪の直後にここを通るのは体力的にも精神的に厳しそう。

登山道に出てから、甲斐駒をバックに記念撮影。山頂には行かなかったけれど、高峰の稜線近くを歩くのは気持ちが良かった。下流でやぶ漕ぎしている時に、山ってこんなに嫌なものだったっけ?と思った瞬間もあったが、この時ばかりは山ってやっぱりいいもんだなぁ、と初心に返った。くたくたになってテントにたどり着いて祝杯を挙げる。
[追記]kura
山を始めたころからの憧れの黄蓮谷 その左股をとうとう登ることが出来ました。
最高のパートナー(あえて敬意(最近はリスペクトとかいいますが)こめて)せんださんに恵まれ本当に幸運でした。
最悪の氷の状況を予想させる坊主の滝の状況から、
一発逆転、
大滝をリードできるという幸運に恵まれました。
残念ながら、核心を越えながらテンションがかかってしまいましたが、
アルパインアイスの洗礼という意味では、よかったと思います。
とにかく気持ちも体もいっぱいいっぱい。いろいろまだまだ修行不足です。
やはり、ゲレンデアイスとは、根本から違います。
しかしながら、やっとアイスクライミングも一歩進めたような気がします。
これでいろんな広がりが出来ましたので、是非皆さんお付き合いください。
◆篠沢七丈瀑の写真・記録
前日の疲れと明け方の雪もあって、のんびりと準備してから出発。トポにはアプローチ約25分といった記述があるが、疲れている分を割り引いてもしっかり一時間はかかる。トレースがついており、昨日左俣でお会いした先行パーティの方が先に取り付いていた。取付きに荷物を置いて空身で登攀可能。下降は右岸を歩いて最後は1ピッチの懸垂下降で戻ることができる。

迫力満点の大滝(登攀終了後に撮影)。二段になっており上部が核心。2ピッチ(約30m+約20m)に区切って下部を登って、上部は50mいっぱいいっぱいに伸ばして灌木でビレイ。計3ピッチの継続登攀となった。

一段目をリードするkura。ここもライン取り次第で難易度を調整可能。

1ピッチ目のビレイ点から上部を見上げる。右上するラインでkuraリード。直登するのはかなり難しそう。
(写真なし)3ピッチ目はせんだがリード。最後は傾斜が緩くなるものの岩の上に張り付いた氷板ごとはがれてしまう箇所もあり緊張する。出だしは見た目よりも傾斜がきつく、余裕がなかったためスクリューを一本落としてしまう。アイゼンの先にロープが挟み込んでしまって一度だけテンションかけたがそれ以外はノーテンションでリードできた。プロテクションを取る技術をもう少し磨いて、自信を持ってランナウトできる(≒いつでもプロテクションを取れる)経験値を積めば、いいところまでやれるのではないか、という手ごたえを得ることはできた。

登攀を終えて記念撮影。少なくとも年内は、アイスクライミングはもうお腹一杯になりました。

テントを撤収して最後に甲斐駒にあいさつ。すっかり回復した好天のまぶしいほどの青空の下、心地よい疲労感とともに下山開始。しかし最後は黒戸尾根の長い長い下りで膝をやられてしまい、心地よいを通り超えた疲労に襲われながら、この日もヘッドライトを付けて駐車場にたどり着いた。
(翌日、菰野山岳会の方にスクリューを拾っていただきました。誠にありがとうございました。)
[追記]kura
真っ白にガスって雪も本降り。体はくたくた。
これは無いなと思っていましたが、近いのでいってみることに。
行ってびっくり。巨大な氷の塊。でかい。
いやがおうにも登攀意欲は出ますが、
しかし、とても垂直近い氷をリードする余力はどこにもなく、
せんださんにお願い。
しかし下部もなかなか面白く、まだ楽しめる余力があることが少しうれしい。
せんださんリードラインは少なく見積もっても8mぐらいは80度から85度、さらにしたから伸ばせば、5mはふえます。
見た目もでかいし、場所も奥深い。しかし精神的プレッシャーは少なく、
アプローチも問題なく、懸垂下降もわかりやすい。
ビレイポイントも安定しており、風も当たらず日当たりのいい、非常に快適な環境なので、ここだけに練習に来ても十分に価値がある。
八ヶ岳より利用価値が高いと思います。
ぜひ、お付き合い願いたい。
いやー、せんださんつよいです。すべてにおいて何枚も上手でした。(あたりまえか)