メンバー
toku(記)、iwa
コースタイム
12月18日
6:40 上松Aコース登山口駐車場→8:50 風越山→13:00独標→16:20ビバーク地(2520m付近)
12月19日
6:00 ビバーク地→9:00 三ノ沢岳→11:20 主稜線極楽平付近→12:20 宝剣山荘→13:20 駒ヶ岳ロープウェイ
4年ほど前からあたためていた独標尾根。今回、満を持してのトライでしたが、計画通りにはいかず無念のロープウェイ下山となりました。また、上松Aコース下山での周回予定だったので、車の回収に助けを呼ぶ事になり、自分たちで完結する事ができず反省と悔しい思いを残す結果になってしまった。
1日目

登山口にはほとんど雪はなく、独標尾根のヤブに不安を感じながら出発する。
まず最初の不安ポイントだった徒渉は飛び石で通過でき、尾根の末端より取り付く。
末端付近はそこそこ傾斜があり、落ち葉にわずかな雪が積もっていて歩きづらかったのでアイゼンを付けました。

風越山山頂はこんな感じで、雪はとても少なかったです。先週あたりも降雪がなかったのか溶けてしまったのか、根雪は全くなかったです。
しかし、懸念していたヤブは独標までほとんどなく、踏み跡やピンクテープもあり、意外と人が入っている事に驚きました。

岩のトンネルをくぐったり

マイルドなヤブを味わったり

独標(2339m)です。ここから先は入山者は激減するのでしょう。踏み跡は一気になくなり、ヤブまたヤブの世界。
ヤブは好きな私ですが、雪が目的なのにヤブだらけなのには少々参りました。
ヤブ嫌いのiwaさんは『もう二度と来ない』って何度も言っていたけど、雪が多い時にまた一緒に行きましょう!
この日は、あわよくば極楽平までと思っていましたが、ヤブに苦しめられてスピードが上がりませんでした。
特にアイゼンがヤブに引っかかるので、一歩一歩が本当に歩きづらかったです。
ビバーク地は、中三ノ沢岳(2485m)と三ノ沢岳の間にコルが2つあるのですが、そのコルとコルの間に適地がありました。
今回の様な雪の少ない状態だと、中三ノ沢岳と三ノ沢岳の間ではここ以外に適地は無いものと思われます。
2日目
意外にも風は弱く、また夜に降雪はほとんどありませんでした。
この日の稜線上での風速予想は25m/s〜30m/sだったので、前夜は往路下山も考えていたのですが、前進を決断する。
ただし、風は午後の方が強くなるので、スピードアップを心掛けて強い気持ちで歩きました。

ビバーク地の先のコルを越えた場所にある、独標尾根の核心と感じた部分。2530m付近と思います。ロープは必要ない程度でした。

独標尾根を振り返る。三ノ沢岳手前まではヤブだらけで、この日もスピードは上がらず。

三ノ沢岳手前はナイフリッジになっていて、なかなか良い雰囲気でした。
今回は独標尾根の真の姿を見ることは出来ず残念でしたが、独標より上部は面白そうな箇所はいくつかあり、良さそうな雰囲気を出してはいました。

風はそんなに強くなく、また視界もあったので、ここでの往路下山は選択肢に入りませんでした。

三ノ沢岳を越えた後は登山道があるので、ヤブに苦しめられる事はないと思っていました。
ところが、今度は積雪量が一気に増してラッセルに。
平均してひざ〜ももあたりが主稜線まで続きました。
スピードが上がらずで、思い返せばここが往路下山を判断すべきポイントだったのかもしれません。
それが出来なかったのは、意外にも悪化しなかった天候と独標尾根のヤブを嫌ったのが原因だと考えています。
宝剣岳周辺では、体感風速は20m/s少々。沢からの強烈な風で目は開けられないくらいだけど、進めないことはありませんでした。視界も進むには可能な範囲でした。

しかし、宝剣山荘を過ぎた所で視界がなくなり、ホワイトアウトになりました。
あれこれ考えてはみたけれど、前進への策はなくロープウェイ下山しか選択肢はありませんでした。
ただ、ロープウェイ下山を計画に盛り込んでおらず、2人ともお金を持っていませんでした。
この点も反省すべきです。
ここまで悪くなる前に安全地帯に抜けれると考えていた自分が甘かったです。スピードが上がらないのに往路下山の判断が出来なかった事もダメでした。
情け無い自分への悔しさと、ご迷惑をかけた方々への申し訳ない気持ちでいっぱいです。