どうも皆さんこんにちは。
iwaです。
黒姫高原で行われた「ROCKN’BEAR 黒姫 トレイルランニングレース」に出てきました。
トレランレースに出場するなんて全く思ってもいなかったんですが、案外思い出深いものになったので少し長くなります。
レースの模様は下の方になります。
興味がある人は読んでください。
北信濃トレイルフリークスが主催する大会
レースに参加した理由は単純に「ノリ」です。
3月頃に仕事関係で名古屋のトレイルランナーの方々と飲む機会があり、そこで今回のレースを主催する「北信濃トレイルフリークス」の一人がいたんです。
ワイワイ飲んでいるうちに唆されて「行きますよー」なんて言ってしまったもんだから・・・。
申し込んでからよくよく考えてみると、日ごろからハードな山行をやってはいるが、走ったことはない。
1日の最長踏破距離は去年の夏にやった西鎌尾根ワンデイの約32kmで15時間
今回のレースはそれより長い42km。
関門タイムが10時間。
というか42kmってフルマラソンの距離じゃん。
いやいや、そもそもロードですら記憶にある限り、5kmくらいしか走ったことない。
42kmも歩いたこともない。
中学のマラソン大会なんて大嫌いだったし、体力測定の1500m走だっていつも”C判定”。
それでいてレースまでは3か月。
どう考えても無謀です。
ただ、出場するからには関門通過できずリタイアはしたくないし、ふがいない結果も嫌だ。
ということでとりあえず走ってみる。
トレーニング場は近くの定光寺〜弥勒山。
距離にして13km。本番の約1/3。
トレラン用のものなんて何も持っていないので、いつものアプローチシューズに30Lの軽いザックをぺちゃんこに潰して背負う。
結果は約3時間と関門ギリギリセーフの時間。
少し登っていると全然走れんし、下りもずっと走るとなると難しい。
これはまずい・・・。
とりあえず使い古したアプローチシューズでは走りにくいのでトレランシューズを購入。
第一印象は「なんだこれ」
なんていうか、初めてステルスソールのクライミングシューズを履いた時の感動と似たものを感じた。
軽いし、自然と足が出るし、すごい走りやすい。ずるい。
なんだか走れる気がして朝早く出勤前にもう一度走ってみると今度は2時間30分。
靴一つでだいぶ縮まった。
とりあえず本番までの目標を2時間に設定してトレーニングを積み、リハーサルとして「鈴鹿セブンサミッツ」を走ろうと考える。
のちにこれはほとんど達成されずに本番を迎えることになるが・・・。
その後も1か月ちょっとは週1で早朝に定光寺〜弥勒山を定期的に走り、2時間15分まで短縮できました。
しかし、レース前の1か月は仕事が忙しくなったり、他の山の予定が重なったりとなかなか走る時間を作れずに本番を迎えることになったのです。
−−−−−−−−−−−−−ここからレース当日です‐−−−−−−−−−−−−−−−−
前日の帰宅が23時とすでに予定が狂いまくっています。
2時間半ほど仮眠をして黒姫高原に向けて車を走らせます。
今回は一人での参加なので孤独な一人旅です。
会場到着は7時。
レーススタートは8時半ですが、8時からレースブリーフィングがあるようです。
受付を済ませて装備を整えて準備します。
正直なにを持っていけばいいか分かりません。
必要そうな装備を選んだら8Lのザックがパンパンになりました。
まぁ、こんなもんかと思ったら皆さんほとんど持ってないじゃないですか。
え?それでいいの?雨降りそうだけど?エイドあるけど水そんなけで足りるの?自分持ちすぎ?
とまぁ、レース前からアワアワしてました。
普段アルパインクライマーなので色々持ってないと不安なんです。
結果的には水、食料以外は重りでした。
ブリーフィング後、ゲート前に並んでスタートを待ちます。
コースは走れる区間の多いコース設定らしいが、全くイメージがわきません。
ペース配分もくそもないので臨機応変に行こうと思います。
スタート直前
カウントダウンの後、ノリノリでロッキンなMCに合わせてスタートです。
スタート後は黒姫スノーパークのゲレンデを登り、下ってくる4kmの周回コース。
後ろの方だったので登りも下りもペースは抑え気味・・・・だったけど下りの途中で楽しくなって飛ばしてしまう。
と、ここで早くもトラブル。
走った衝撃でハイドレーションのマウスピースが抜ける。
たぶん200mlくらいこぼれた。
まだ2kmしか走ってません。
とりあえず手でホースを塞ぎ、走りながら対策を考える。
4kmの通過は約40分と少し早いかな?
でもこのまま行ければ目標の8時間以内でのゴールも余裕そう。
ここが第1エイドになりますがスルーします。
マウスピースの抜けたハイドレーションはホースを縛ってザックに入れて走り続けることにした。
そのあとは緩やかな登りが3km程続くトレイル。
ジョギングペースで登っていくが途中で「速足でもついていけるんじゃないか?」と思い速足へ切り替える。
予想通りついていける。
前が歩くようになると確実に追いつく。
これなら温存できる。
しばらく行くと「モンスターヒル」と名付けられた木階段の急登がでてくる。
前をみるとランナーがずらっっと並んでる。
モンスターヒルでは抜きたい放題?
前日の雨でトレイルはマッド&ウエットのコンディションで滑りやすく急登はきついだろうとブリーフィングでは言っていたが、それほど滑らず難なく通過。
みんな急登が辛かったのか、ペースが落ちたところを抜いていく。
その後、一度林道に出てトレイルに入りなおす。
また、緩い登りが続く。
なるほど、走れる人にとってはなかなかに楽しそうなコースになっている。
ウェットで少々急な下りをこなすとつり橋が出てくる。
一度に渡れるのは4人までとのことで順番待ち。
つり橋の順番待ち
つり橋を過ぎるとすぐにつづら折りの急登。
ここでもやはりすぐに前に追い付く。
どうやら登りではアドバンテージがありそうです。
そのあとはブナの林が気持ちのいい登りのトレイル。
走れませんけどね。
ここで15kmらしいです。
コースの途中には立て看板があり、キロポストと一言コメントがあり癒されます。
ブナ林を1km程いくと第2エイドがあります。
ここまで少し足に違和感はあるが、それほど疲労はなし。
そこで思いついたのが、「無補給」での完走。
僕は腐ってもアルパインクライマーなんだなとあらためて自覚。
「自分のものは自分で」のアルパインスタイルランナー。
よってこのエイドもスルーです。
ただ、スタート直後に水をこぼしてしまったので心もとないのは確かです。
飲む量を調整していかなければ。
第2エイドからはロード区間が少しあります。
走り出した直後、足がつります。
ロードが弱いのは分かっていたがここまで露骨にでるとは・・・
当然、他のランナーは走っているのでバンバン抜かれますが、我慢します。
火打山の登山道に入って登りが続きます。
足の調子はいまいちですが、かばいながらペースを上げます。
木道の下りでは少しでもと走ります。
そしてまたロード・・・。
泣けます。
稼いだアドバンテージはあっという間に消滅。
しかしこの後には第三の急登が待ってます。
そこでの挽回にかけます。
ロード区間は我慢して足の調子を整えます。
ロード後の登りは調子よく登れる。
むしろ登っていた方が楽?
ずっと登りが続けばいいのにとか思いますが、誰がそんなドМなコース走るんだろう?とかわけのわからない事を考え始めます。
ここでもアドバンテージを稼ぎます。
下りも緩い下りより急な下りの方が得意な様で、だいぶタイムを稼げた気がします。
この区間は第二エイドから周回してまたエイドに戻るルートです。
当然またロード区間が・・・
走りたい気持ちをぐっと抑えてエイドに戻ってきました。
牧歌的な風景のなかのトレイル
水は・・・なんとかギリギリ行けそうです。
エネルギー源も何とか。
ちなみに、今回は事前の準備ができずにエナジーゼリーと練乳チューブというローテクな行動食です。
エイドで10分程しっかり休んでから最後の12kmに挑みます。
ここからは走ってきた道なのでコースは分かっているので戦略的にいきます。
あと12kmを3時間で走れれば目標の8時間切りが達成できます。
まず、登ってきたブナ林を走り抜けます。
正直なところ足にはかなりきていて、攣りまくってます。
というか攣っているのか、使いすぎて筋肉が炎症しているのか分かりません。
とにかく痛いです。
昨日の敵は今日の友 登ったところは下っていける
ブナ林の後は急な下り。
ここはお得意なので一気に駆け下ります。
つり橋を渡り、ウェットな登り。
ここも得意です。
ごぼう抜きします。
緩い登り下りがしばらく続いてモンスターヒルの下り。
ここはめちゃめちゃ滑って、2回ほどコケた。
あと6km程・・・。
すでに足の限界は越えてそうです。
痛くないところはないですね。
そのあとも走れそうなところは走って。
逆に(自分にとっては)走りにくい緩い登りや下りは速足でと戦略的に足を休ませながらも足を止めずに進みます。
最後の4km程はずーーーっと緩い下りです。
ブリーフィング時曰く、イケてる走りができるポイントらしいです。
といってもすでに限界。
走り出したらすぐに悲鳴をあげだします。
と、目に入ったのが主催者の立てた一言コメントの立て看板。
書いてあったのは「ここから最後まであとはぶっ飛ばすのみ!」
僕をこのレースに誘ってくれたのは主催者の一人です。
なんだかその人に激励されているような気がして、奮い立ちました。
ここで歩いたらダメだ。と
気力を振り絞り走り出します。
当然足は悲鳴をあげますが無視します。
とにかく走る。
痛かろうが何だろうが走る。
しばらくすると痛みが消えて足も回るように。
なんのいたずらか、最後の最後で走り方が少し分かった気がします。
足を止めたら二度と走り出せない気がしたのでマッドなところも突っ切ります。
おかげで靴はドロドロです。
あと3km。
あと2km。
と残り距離が小さくなっていく度にこの7時間の間のことを思い出します。
最後の「お疲れ様」には泣きそうになりました。
最後の最後まで足を止めず無事にゲートをくぐる事が出来ました。
タイムは7時間42分と自分の中ではまずまず。
まともに走ったことないやつが寝不足&トレーニング不足&ウエットコンディション&無補給という中、まぁまぁ頑張った方じゃないでしょうか。
ゴールの証
コンディションを物語る靴
ただ、その代償は大きくしばらくまともに歩けませんでした。
結果的には出場してよかったなと思います。
得るものは大きかったです。
最後に誘ってくれた方にありがとうございますと言いたいと思います。
来年また戻ってきます!
・・・・たぶん。