tokuさんと一緒に鈴鹿の山で地図読み登山をしてきました。
なるべく山と高原地図で道の載っていないルートを選んで歩こうということで、茨川周辺で道中ビバークをして2日間で歩いてきました。
初日の午前中は地図読みもスムーズに進み、特に問題なく進んでいきました。
余裕のtoku
へつるmine
地形図とコンパスでルートを確認し、自信を持って歩いていけましたがとある場所でmineがルートを間違えてしまいました。
本当は行くはずではなかったルートに足を踏み入れてしまい、目標とは違う山頂へ着いてしまいました。
原因としては、等高線が広くなだらかな地形でルートが探しづらかったこと、登山道を示す看板を見つけて何も考えずそのルートへ足を踏み入れてしまったことの2つです。
tokuさんが元々のルートへリカバリーできる尾根を探してくださり、大きなトラブルにはなりませんでしたが自分の安易さが情けなかったです…
その後は問題なく進みましたが、当初予定していたビバーク地までは到達できず...
ただ途中の河原にてとても良いビバーク地があったのでそこで一泊。
ロープを使ってタープを張る方法や、焚き火などとても楽しいビバークになりました。
火を着けるmine
最高のビバーク地
翌朝は霜が降りて地面がパリパリになっていました。
早々にツェルト・タープを片付けて出発準備。
2日目は初っ端から結構な登りでした。
下は川で落ちたらびしょ濡れなので、気を付けながら登りました。
道中、稜線から支尾根を下るルートで問題発生。
看板のあるピークのすぐ手前から支尾根が伸びているはずなのに、明瞭な登山道が見当たらない。
mineは看板を信じてピーク手前の谷を少し下ってみようと提案しましたが、tokuさんは「地形がなんか違う」「目印の鉄塔から離れすぎている」とのことでもう少しさっき通った鉄塔側まで戻ってみようとのこと。
tokuさんの提案を採用して、戻ってみるとかなり不明瞭でしたが登山道を発見。
無事にルートから外れなくて済みました。さすがtokuさんです。
おそらく看板の位置が間違っていたのか、ルート作成の参考にした山と高原地図が間違っていたのかどちらかだと思います。
ただかなり不明瞭な道なのに山と高原地図では実線ルートになっていたので、マイナールートでは山と高原地図は信用できませんね。
やっぱり地形図は大事です。
余裕のtoku
そこから先もミスを連発するmineでしたがtokuさんのルートファインディングは的確でした。
あと難しい箇所は1カ所くらいだし、あとは大丈夫だろうと油断したところでそれは起きました。
さっきまで順調にルート上を歩いていたはずなのに、急にわけのわからないところで地形図にはない急登が出てきました。
あれ?と感じながらも急登を登り切りピークに到達。
二人で高度計を確認すると880m近くを二人とも指している。
当初の想定では830〜840mくらいなのに何故か880mになっている。
気圧変化の影響か何かで高度計が狂っているんだろうと考えて、この時はまだルート上にいると思い込んでいました。
何度も地形図とコンパスを見ましたが、二人ともなかなか意見が合わない。
tokuさんが「さっき通った鉄塔まで戻ろう」と言って歩き出しましたが、ガスってきて先ほどまで見えていた鉄塔が見えなくなってしまった…
さらには雪もチラついてきて気温はどんどん下がっていく。
この時にはmineの頭の中には「遭難」の二文字が浮かんでいました。
tokuさんが歩き始めた方角をコンパスで確認したらほぼ真西へ進んでいました。
ルート的には北に戻らないといけないのに西に進んでいたので、そこでようやく自分たちの現在地がルートから外れていることを確信しました。
これ以上の行動は危険と判断して念のため持って行ったGPSで現在地を確認すると、ルート上から東に逸れた888mのピーク上にいることが確認できました。
道迷いで時間をかなり費やしてしまったため、そこから御池林道に下ってエスケープすることに決定。
無事に御池林道まで下り、車まで長い反省ロードを歩くハメになりました…
反省ロードの最中に、自分たちはどうして迷ったのか分析をしました。
まず当初のルートと道迷いルート(想定)がこちらです。
まず一番の原因は電線を2ヵ所くぐればルートから外れていないと思い込んでいたことだと思います。
二つ目の電線をくぐった時点でtokuさんは地形図と地形が違うと違和感を持っていたし、mineはコンパスを確認して進む方角に違和感を持っていましたが二人とも尾根上で電線を2ヵ所くぐっていることからルートから外れていないと思い込んでいました。
ちゃんと地形図を読んでいれば、コンパスワークに自信を持っていれば、高度計を信用していれば、自分達が間違った尾根に入り込んでいることにすぐに気付けたはずです。
初日の道間違いと同じですが、人は人工物を見つけると安易に進んでしまう傾向があるのかもしれません。
二番目の原因は読図力・コンパスワークの不足です。
二人とも違和感を感じてはいたものの、そこで道迷いを確信するには至りませんでした。
道迷いの道中では真逆の方角(北)に向かって進んでいる箇所もあり、コンパスワークに自信を持っていればこんな間違いはありえませんでした。
普段の登山で地図読みを心掛けていないから地形を読むのも、コンパスを使うのも自信を持てていなかったんだと思います。
同行者に付いて行ったり、看板を目印にしたり、いかに自分が地図読みが出来ていないかを実感しました。
今回の地図読みでは読図の楽しさはもちろん、マイナールートの冒険感や焚き火ビバークの楽しさ、遭難の恐ろしさなどたくさんの経験ができてとても満足できました。
今回は目的のルートは全て歩けませんでしたが、この経験を活かしてミスの少ない登山をしていきたいと思います。
追記 toku
今回のルートは、私が2年くらい前から密かに温めていたものでした。
ルートの概要は、藤原岳西尾根〜御池岳〜T字尾根〜伊勢尾〜サンヤリ尾根〜天狗堂東尾根をつなぐもので、途中一般登山道を少し歩くことと、ミノガ峠で車道に降りるものの、全体的に概ね踏み跡は少なく地図読みには最適なルートだと考えていました。
今回は、残念ながら予定ルートを全てトレースできなかった事がとても悔しかったです。
しかし、今の自分に足りない部分をしっかりと確認する事ができました。
これからも、このような登山道のない道を、自分達の力で考え、歩いていけたらと思います。
まだまだ山を知らない私なので、もっと山に入らないといけないですね。
来年はもう少し標高の高い山で、こんな山行をしてみたいと思います。
いろいろ調べて楽しそうなルートを探してみようと思うので、誰かお付き合い下さい。