1日目
勝原駐車場4:15 シャクナゲ平7:50 横谷8:30 ヒメマチピーク11:40 荒島岳山頂12:20 シャクナゲ平泊13:20
2日目
シャクナゲ平6:15 横谷6:50 無名尾根取付き7:30 荒島岳山頂10:20 シャクナゲ平11:20 勝原駐車場12:50
去年、大わさび谷右稜に行った時見つけた極細の尾根。

去年の写真です。
あの尾根に行ってみたいと1年越しの計画でした。今年は非常に雪が少なくちょっとさみしい感じもありましたが、それでも十分過ぎるほど内容の濃い山行だったと思います。
メンバーは、tokuさん、キスケ(記)
2/7 ヒメマチ稜
シャクナゲ平から南西に延びる尾根に乗って横谷に下ります。
尾根を最終まで降りると結構悪いので、いいところで右手の沢に降りて下ると楽にいけました。横谷と大わさび谷出合のちょっと下におられます。
横谷は、雪が落ち切っていて雪崩の心配はなし。翌日の行程に希望が見えます。
横谷からヒメマチ稜に上がるのに斜面の雪を繋ぎながら登っていきます。
標高1000m程のジャンクション部分が一番悪く緊張した他、特に問題なく登ります。
ヒメマチの核心と思われる、バームクーヘンとその前の細い雪稜は、雪が少ないせいかさほど難しくなかったです。

細い雪稜

バームクーヘンになっていないがバームクーヘン
その後、難しい所は特に出てこなくてヒメマチピーク1254mに着き鎌の尾を通って南尾根と合流。
驚いた事に南尾根に薄いトレースがある。

鎌の尾
単調な登りを経て、山頂へ。
この日は、ほぼ晴れていて登ってる最中に明日の無名尾根の偵察をしました。対岸から見える分わかりやすいと思ったのですが、意外と複雑で難しいです。
そして、目標と思われる尾根の下部はそれなりに立っていて木登りになりそう、そこから雪稜があり上半部はさらに立っている、それが終わってから僕らが見た極細の雪稜が待っている。
これは、難しそうだ。
最悪、木があるから懸垂を連続していけば、敗退は出来そうだか木がたくさん生えているのでロープが絡まりそう。
シャクナゲ平のテント地に着き、これでもかというほどの風防を作りテントを立てると雨が降ってきた。今回は、ベースキャンプだったので広めのテントでゆっくり。
暇でやる事がないのと、ご飯にはまだ早いのでお昼寝。
17時ごろに、ご飯。
普段は軽量化にこだわった山行が多いが今回は、気にする必要はない。なんたってベースキャンプ方式。
しっかりペミカンを用意。夜は、tokuさんの麻婆茄子ペミカン。
総重量600gとアルファ米200g。夜だけで、多分1キロくらい食べて寝ました。tokuさんのペミカンはいつも美味しい。
昼寝した影響かあまり眠れず朝を迎えます。
朝も、チーズバター牛丼ペミカン580gを食べ、この山行のハイライト、一年越しの無名尾根に行きます。
昨日まとまった雨が降ってその後急激に冷える予報だったので、ガチガチに凍っていると思ったらそんなことはなく、踏み抜き地獄…横谷に降りるまでが歩きにくくて大変。
横谷に降りたら、左岸に渡り横谷を登っていきます。
横谷は、デブリーランドとかしておりガチガチに固まっていて歩きやすいが、この雪崩に巻き込まれたらひとたまりもないだろう。

デブリーランド
汚れたデブリを越えて、少し登った約1050mから登り始める。無名尾根ですが、この尾根はツリガネと言う沢の右岸尾根にあたります。
この尾根は。情報がないので行けるか行けないかわからない。それがまた冒険心をくすぐりやる気にさせてくれる。

下部から急な登り
下部から、落ちたら死んでしまうような緊張感の高い登りを強いられ、一言で言うと怖い。
時間で言うと1時間、切れ落ちた雪が着いた斜面を藪やら岩やらを使いなんとか雪稜にたどり着いた。
やはりこう言った事をやっている万が一の事を考えて確実に退路を確保しておきたい。
この雪稜から、ツリガネに降りると同ルート下降より簡単に降りられそうだ。さすがにロープは使うだろうけど。
そして、核心と思われる雪稜の次の登り。
傾斜は、強く、またそれなりに藪が出ているため木登りになる。と言うか、下部から、ほとんど木登りである。
ここでもまた落ちられないクライミング、緊張です。
そして、たどり着いた1300m付近の極細の雪稜。

極細ではなかった雪稜
だが、これは行ってみてわかった事だが、そこまでの細さはなかったです。その後も細そうなところも、そうでもなかったですが、もうそれまでにお腹がいっぱいなので満足です。
結局ロープは、出しませんでしたが落ちられないクライミングが何時間も続くので緊張感があります。
荒島岳の一般道と合流して、アルパインクライマーは山頂を目指してこそと言う事で、山頂まで行って帰りました。

荒島岳山頂
今回は、初日にヒメマチ稜からの偵察ができた事がこの尾根を攻略する事に大きな足掛かりとなりました。前日曇っていたら、おそらく攻略はできなかった気がします。
結構複雑でオンサイトで行くとなるとかなり難しいと思います。例年の雪があって藪が埋まっていたら、さらに難しかったでしょう。
この山行は、高い総合力が必要ですね。
気持ち的には、すごい時間をかけて登っていた気がしましたが、下山したのは13時前でした。
さて、この尾根おそらく記録はないですが、名前は、ツリガネ右岸尾根と言うべきでしょうか?
記録や知っている人がいれば教えてください。

今回辿ったルート
青い丸の部分が極細の雪稜だと思ったところです。

地形図だとこんな感じです。
追記 toku
最近は、情報が無いか極めて少ない尾根を探して行く事が好きになりつつある。
未知な部分が多く、冒険的な要素が強いので『行ってみないとわからない』感じのドキドキ感がたまらない。
現在では、目立つような魅力的な尾根はほとんど登り尽くされていると思いますが、誰にも気付かれずにクライマーの挑戦を待っている素晴らしい内容の尾根を見つけ、登る事ができたら最高ですね。
尾根の細さや岩の有無は、地形図だけでは読み取れない事がよくあります。探せばまたまだ素敵な尾根はあるのではないかと思っています。次は美濃加茂市にある情報のない尾根に行ってみようと考えています。