2006/9/3

あるがん患者の声  患者学入門

「がん患者学T」(柳原和子 中公文庫)にこんながん患者のインタヴューが掲載されています。

 彼は薬害裁判も引き受けている弁護士です。
 
 「手術の影響でしょうか。やはり疲れやすくなっていました。その夏のある日、疲れを感じて事務所から早めに帰宅することがあったんです。疲れて帰ってという事実が気分に影響するのか、落ち込んでもいます。疲れているから、寝ますよね。・・(中略)・・・しばらくしてこらえきれなくなって、ウワーと叫びたくなりました。・・(中略)・・・理由もなく涙ぐむこともありました。
ああした気持ち、感情のゆれ動きは言葉で表現できません。・・(中略)・・・
 あれは人間としての一つの生理的な反応と考えるべきではないでしょうか。・・(中略)・・・悲しいわけでもない。だけど一人で考えていると涙が出てくる。・・(中略)・・・
 むずかしい事件の場合、当然裁判も長引くわけです。依頼者からの相談を受けながら、この事件は最後まで自分が担当できるだろうか・・・ってふっとよぎるんですね。」

 こんな感覚・感情は私にも、同様にしばしばあります。これをがん患者のうつ状態というのはたやすいですが、果たしてそれだけでしょうか。人間が本来もっている感覚が甦ってきているようにも思います。
 個体としての生命は必ずいつか死にます。不死はありえません。そのことを日常的に意識するか、しないかの違いにすぎません。
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