2010/6/5

「進化医学」の視点  患者学入門

 毎日新聞 6月4日(金)の「くらしの明日」の私の社会保障論「環境変化に起因する現代病」と題し、広井良典氏の文章が掲載されていました。

 広井良典氏は元厚生官僚でありながら、幅広い視野から、社会保障・医療・福祉・介護などについての著作が数多くあります。

 この記事は「病気についての見方を「環境と医療」という視点から考えてみたい。人間の生物学的な特性は約5万年から10万年からほとんど変わっていない。食料が慢性的に乏しがちだったので、摂取量が多少不足しても血糖値が高く保つ仕組みが人間には備わっている。ところが、現在のような飽食の時代にはそのような身体的な特性はかえってマイナスに働き、逆に糖尿病や肥満など、様々な病気の原因になっている。たとえて言えば「高速道路を自転車で全力疾走する」ような生活をおくっている。」

 「人間を取り巻く環境は大きくかわったが、人間の生物学的な特性は基本的には不変であり、そのギャップが様々な病気の根本的な背景として存在している。こうした視点にたつと、病気というものは個人の「内部」に完結して存在するというよりは、個人と環境との関係、あるいは環境そのもの中にあるという新たな発想が重要になる。環境には労働時間、コミュニティー、経済状態、自然とのつながりといった要素が広く含まれる。」

 「病気というものをより大きな視点でとらえ、労働のあり方、社会保障、コミュニティーや自然を含んだトータルな対応をしていくことが今求められている。」と結んでいます。



病気をこのように捉えたときに、具体的な病気に対する医療はどうなるのか。予防や治療はどうなるのか。あるいは公衆衛生や医療保険制度はどうなるのか。広井氏の構想の今後の展開に注目したいと思います。
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