演劇集団ログハウス
Vol.10
『ひまわりの城』
in吉祥寺シアター
現代。
海の近い片田舎の小さな町。
青年商工会議所が頑張る商店街。
普通に暮らす人々が何気ない暮らしの中で唐突に遭遇する震災。
様々なものを失っていく中で人間性が崩れていってしまったり違う自分を発見したり…。
どんな苦境にあろうとも、生まれ育ち生活してきたその町で、共に前向きに生きていくしかない。
小さな喜びやささやかな愛を必死に手繰り寄せながら、何故自分は生き残ったのか絶望の縁で自問自答しながら、土手の上にすっくと立つひまわりを見てそれぞれに思いを馳せる。
まとまらないが平たく言うとこんな感じの芝居だった。
ここのところ大地震や大雨などの天災による深刻な被害が多発している日本。
芝居を観た後、絶望よりは希望を感じさせたいという気持ちは伝わってきた。
役者の上手い下手はさて置き、これだけ厳しい現実世界を目の当たりにしたとき、悲しいかなこの夢の空間は少々綺麗事に見えて仕方がなかった。
たぶん僕と作者の視点の違いだろう。
僕自身天災を経験しているわけではないが、現実はそんなに甘くはないと認識する。
ともあれ次も期待する。

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