前々から実話怪談に興味があったが、そうそうそんな体験をしているやつが周りにいるわきゃあない………と、思ったらいやがったよ。しかもすぐ近くに。
というわけで『俺耳嚢』と題してこれから怪異を蒐集していこうと思う。俺の周りでこれを読んでいる奴はなんかいい話があれば協力してほしい。
とりあえず、これを書くきっかけになった友人・仮面ライダー夜支鬼(以下R)から聞いた話を紹介する。これは俺が文章化、Rが校正をしたものである。
いつ頃の話だったかなあ、こっちに越してきた夏だったと思うけど。
部活から帰ってきて、もう11時位だったからシャワーだけ浴びてすぐ布団に入ったんだよ。
疲れてたから布団に入ってすぐ意識が飛んじゃって、そのままグッスリ朝まで………っていつもだったらなるんだけど、その日は違ってたんだよな。
時間は正確にはわからない、けどたぶん2、3時位だったと思う。夜中に急に目が覚めたんだ。意識は覚醒してるんだけど体が動かなかった。金縛りって奴だ。目も開けられなかったんだけど、あんときゃ変に周りの音がクリアに聴こえたなぁ。
そのままジッとしてると、ドアが開く音が聞こえたんよ。そう、俺の部屋の。勿論鍵は掛けてたよ。え? って思ったけど体は動かない。そしたら急に足音が聞こえて、それがだんだん俺に近づいてきたんだ。んで、ちょうど俺の顔の横で止まって。明らかに誰かいる気配がしてな。
ん? いや、夢だ夢だと思ってたし、そんなに怖くはなかった。
そのままどんくらいたったかな。1時間くらいにも感じられたし、5分くらいだったかもしれないし、実際の時間はわからない。その「なにか」はずっと横に立ってた。
なんなんだ〜って思ってたら急にゴッ! って首に圧迫感がきたね。馬乗りになって首絞められてる感じ。目開けなかったから何がいたのかわかんないんだけど。そのまま、声もでなくて、あー力はいんねーってなって、気付いたら朝でしたー。たぶんそのまま気絶したんだろうな。
Rはなんでもないことのように語って、そのまま納豆飯をかっ込んだ。

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