「財政再建問題を考える」(平成22年8月27日)
皆さん、10年度の予算一般歳出の内訳をご存知ですか?何と92(歳出)―37(税)=44(国債)+11(埋蔵金)です。単位は兆円ですよ。稼ぎ以上の借金(国債)と、一過性の臨時収入(埋蔵金)に依存している厳しい現実があるのがお分かりでしょう。
自分たちが贅沢をするため借金に次ぐ借金を重ね、とうとう国の借金は8月10日現在、900兆円を突破しました。そしてこのつけを子や孫の世代に回そうとしているのです。気の毒なのは次の世代なのです。
日本国の予算一般歳出を見ると、実は消費税10%アップでも充分でないことが分かります。消費税1%アップは税収約1兆円アップ程度だからです。
じゃあ足りない財源をどうするかの議論になりますが、一過性の臨時収入である埋蔵金はあてになりませんね。
財政再建の財源として今、議論されているのが公務員給与です。以下は伊藤惇夫著「政治の数字」(新潮新書)からの抜粋・引用ですが、国・地方併せて公務員の年間人件費総額は35兆円といいます。
総務省によれば現在、日本には約97万人の国家公務員と約312万人の地方公務員がおり、06年現在、国家公務員の平均年収は約625万円、地方公務員の平均年収は約720万円だそうです。
また公務員は本給意外にもさまざまな諸手当があり、退職金も充実しています。そんなこんな内閣府の経済社会総合研究所のデータを元に計算すると、公務員1人当たり年間人件費は約967万円なるといいます。
そして 「もし仮に35兆円の人件費を1割カットしたら毎年3兆5000万円が、2割カットしたら7兆円が浮く計算になる」と伊藤氏は指摘しています。
先の参院選で躍進した「みんなの党」は公務員制度改革として、「国家公務員を10万人削減」、「国と地方の総人件費を2割以上カット」などとアジェンダに謳っています。各政党が選挙の票のためにこれまで言えなかったタブーに思い切って切り込み、国民の共感を得たのかもしれませんね。
みんなの党は国会議員が自ら身を切るアジェンダも打ち出しています。例えば、衆議院議員は180人減の300人、参議院議員は142人減の100人にとか国会議員給与を3割、ボーナスを5割カットを即時実施等々です。
私は国会議員だけでなく、私たち地方議員だって率先垂範してこうした改革を断行すべきだと思っています。政治家がまず襟を正して身を削り、しかる後、勇気を持って公務員改革を断行しないとこの国の未来はないと考えています。そしてこの二つの改革とセットなら消費税アップも国民は理解してくれるのではないでしょうか。
※参考文献 伊藤惇夫著「政治の数字」 新潮社新書

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