いや、別に怒りをぶちまける気にもならないんだけど、
今日1本の電話が、「ああ、まだこういう無知な企画を当たり前のように言ってくる会社があるのだなあ」と少し悲しくなった。
ある飲食店のオープニングでアボリジニのダンスを見せたいという。
日本でアボリジニのダンスグループがいるか?と言う質問にもちろんいないと答える。
すると「では日本人がアボリジニのように体に色を塗ってやるということは可能か」と言われる。
「いや、それはまずいでしょう」と答えると、「それは宗教的にか?」と食い下がってきた。あきれかえった。じゃあ宗教的に問題なければあなたは体を黒く塗り、その上にガッパンを塗って、ナガを巻いてどんな踊りをするというのか?それが世間的に許されるというのか?アボリジニという民族の背景を全く無視した無知の日本人が考えそうな企画だ。彼らの文化に対する敬意もへったくれもない。
もっと穏やかに説明すればよかったのかもしれないけれど、正直あまりにも閉口してしまう内容だったので、相当冷たい対応をしてまったようだ。
昔こんな問い合わせもあった。
「現地からアボリジニのダンサーを呼びたいのだけれど、別に若手でもいいからノーギャラで、雑魚寝で、1ヶ月やってくれる人を紹介してくれないか?」・・・・・阿呆か。
そういう団体に限って「太古の時代から受け継がれる奇跡のダンス」とか銘打ってアボリジニはタダ働きさせるつもりだろう。
だいたい大げさなことを書いているものに限って中身がなかったりするものだ。それは期待して参加した人に対して失礼だろう。
宣伝方法としてそれなりの肉付けは必要だが、中身が伴わなければ必ずぼろがでるってことかな。
だから自分はプロフィールにおおげさなことは書けないんだよね。「アボリジニにアドプトされて・・・」っていうのもヨルングの社会にとってはアドプトしてもらった方が物事がスムーズにいくからであって決してイダキの演奏が認められたからってわけじゃないし、「伝統奏法を習得」なんて絶対書けないし。(アボリジニ以外が100%習得するのはまず無理。)
でもマスコミ的にはこういう内容に食指が動くんだろうなあ。
どんなにまわりからちやほやされても、こういうことを「ま、いいか」ってほっとくとどんどん大げさに伝わっていずれは取り返しの着かないことになると思う。どこかの経歴詐称の議員と同レベルになってしまうから。
だから自分は自分が経験してきたことだけをアイデンティティとしてそのまま紹介したい。イベントでも誇大広告にならないように心がけないといけないと改めて考えさせられた1日だった。

0