最近、ずっと思い悩んでいた。
イダキの演奏も正直気が進まなかったり。
このまま、演奏活動をやめてしまおうかとまで思ったり。
18年間この楽器と関わってきてここまで思ったのは初めてである。
ここ数日どうもふさぎがちだったので、そろそろなんとかしなきゃ、ってことで、無理矢理にでも自ら楽器を手にし始める。
最初は大きな抵抗があって、演奏してはやめ、演奏してはやめ、の繰り返しだった。
そんな中、ふとしたことから、パソコンに入っている動画を再生した。
1995年のSurvival Day Concert(オーストラリアの建国記念日は、先住民にとっては侵略の日なのだ)で演奏するDjakapurraというヨルングの奏者のソロ演奏だ。オーストラリアから帰国する直前にTV録画したものだった。
↑(注意!)動画ではありません。
おそらく私が映像で見た初めてのヨルングトラッドではないかと思う。
ステージ袖からマイクなしで現れて、風の音のようにイダキの音色が滑る。
複雑でどう吹いてるか分からなかった。決して早吹きではないが、勢いがあって、引き込まれる演奏。それでいて口元はほとんど動いていなくて、ぎょろっとした瞳が会場を見渡す。
不思議なことに自分に少しずつエネルギーが巡ってきた気がした。
そうだ、自分が目指していたのはこの演奏だったな。
彼のようになめらかに無駄な力を入れずにタンギングによるリズムだけで豊かな表現をする。無意識のうちにレッスンでも彼のこのスタイルをお手本にしていたのかもしれない。
やっぱりイダキはやめられない。
もっともっと進化できるはずなのに、自ら思いとどまっていたように思う。
この映像を見た後、何か取り憑かれたように演奏した。
そのとき誰かがささやいているかのように思った。
「あなたの好きなように奏でて。」
誰のためでもなく、自分の好きなスタイルで演奏する。
そんな当たり前のことを少し忘れていた気がする。
どこかで気負っていたのかな。
だから、27日のライブは、自分のために自分の好きな演奏をしてみようと思う。
もう一度あの大好きなイダキに回帰する。その再出発点のライブとしたい。
■春のイダキ回帰(東京)
〜哲Jディジュリドゥ・ソロライブinふろむあーすカフェOhana
おなじみohanaでのソロライブが決まりました。
日時:5月27日(金) 開演 20:00
場所:ふろむ・あーす カフェ「ohana」
世田谷区三軒茶屋1-32-6
03-5433-8787
http://www.cafe-ohana.com/
料金:オーダー+投げ銭
※座席のご予約は会場まで

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