2008/8/24

YPX 川崎重工の新型旅客機開発計画  旅客機

AW&ST電子版8月15日記事より


川崎重工業はYPXの呼称で93-150席クラスの新型旅客機を今後10年程度で市場投入し、ボンバルディアのCシリーズに対抗する計画。この投入時期はおそらくエアバス、ボーイング両社が次世代の単通路旅客機を投入するのと同じ。

設計の狙いはボンバルディア、エンブレア両社の旅客機よりも大幅に低重量で、低い推力で飛行できる機体の実現にあることを示している。

現状は市場調査と基本設計の段階であり、運行コストではボーイング737-700との比較で15%減を目標にしている。ただ、エアライン各社はより大幅なコスト削減、とくにヨーロッパ各社は最低でも30%減を望んでいる。

川崎重工は日本航空機開発協会と連携して同プロジェクトで主導的な立場にある。プロジェクト実施が決まれば、その他の日本メーカー特に富士重工と三菱重工業も参加する見込み。

就航は当初の2012年が先送りされ現在は2015年予定。ただプロジェクトの発足は未定であり、初回引渡しは2010年代後半に近くなるのではないか。

機体サイズの変更の余地は少ない。日本航空機開発協会は機体を縮小して76から92席のMRJとかち合うことは希望しないし、川崎重工も逆にもっと大型の機体にしてエアバス、ボーイング両社の新型機とまともに競争することは望んでいない。

YPXは昨年9月に初飛行の川崎重工のXP-1海上哨戒機から派生した旅客機提案であり、同社のC-X軍用輸送機とも部品を共通化した設計。YPXはこれら軍用型機体から胴体上部(おそらくXP-1より)、エンジンのウィングボックス、水平・垂直尾翼を流用することになる。

合計するとYPXの構造部品の10から15%がXP-1とC-Xから、さらにシステム部品は35%の流用となり、YPXの開発コストは10%節減される。しかし、設計変更は避けがたい。

「YPX開発に必要な時間と市場投入時の性能を考慮すると、6列客席の737-700と比較してキャッシュベースの運行コストで15%減では魅力に乏しい。」(日本航空機開発協会) このため複合材料をよりおおく構造部に取り入れた設計になれば、XP-1・C-Xとの部品共通性は減るだろう。

YPXの諸元はシートあたり重量がボンバルディアやエンブレア製機体よりも大幅に軽くなっていることを示している。

英国航空は川崎重工に対してプラットアンドホイットニーのPW100Gギア付きターボファン(CシリーズとMRJの動力源)が燃料効率が良く、静かな良い選択だと薦めている。GEによると、YPX搭載エンジンについて川崎重工からの接触はまだない。

仮に本機開発が実施の運びとなると、エンジン及び構造技術の点でCシリーズよりも高水準となる利点が生まれるが、エアバス・ボーイング両社の新型機が150席以下の規模となると高効率な性能となる両社新型機との競争に直面することにもなる。両社ともに737とA320の後継機種では15%以上の効率改善を目標としている。

YPXの旅客数下限ではエンブレア190と195、スホイ・スーパージェット、またARJ21-900(ARJ21のストレッチ型)との競争となる。

YPX開発では空力テストが実施済みで、テスト結果で空力性能を確認しており、とくに搭載予定の前縁スラットと二重スロット構造のフラップの性能が確認ずみ。(日本航空機開発協会)

昨年発表の性能諸元ではベースモデルのYPX-11は2クラス構成で113人乗り(Cシリーズ110は100人、Cシリーズ130は120人乗り)で、全部エコノミークラスとすれば150人乗りとなる。標準飛行距離は4,260キロメートルで、YOX-10とYPX-11には長距離型が追加され、5,930キロまで伸びる可能性がある。

Cシリーズと同じくYPXも卵型の断面で、エコノミークラスはシート幅46cm(18インチ)で通路幅は51cm(20インチ)である。

最大離陸重量はYPX-12が56.2トン(123,900ポンド)で、これに対しCシリーズの130型では59.6トンだが、YPXは17名多くの旅客を180キロ長く運ぶことができる。推力合計は20,300ポンドでこれに対しボンバルディアは21,000ポンド。

プロジェクトは日本政府による無利子貸付けで開発費用の三分の一をまかなうこととしているが、現在紛糾中のアメリカ-EU間の政府による民間航空機開発支援と同じ事例となる。

開発費用概算は1,588億円(14.5億ドル)で、一機あたりの製造コストは26億円、販売価格は32億円。

写真 上から川崎重工業が開発中のXP-1とC-X。さらにライバル視されるボンバルディアCシリーズ。
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コメント:Aviation Week による記事ですが日本ではまだ報道されていないようですね。MRJに続く大きなプロジェクトになるといいですね。ただ、名称は何とかしてもらいたいものです。(世界マーケットにアピールするものへ)
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