2015/6/30

NASAが進める電気飛行機はここまで来た  環境にやさしい航空機

これはすごい。実現すれば小型機限定ですが、画期的な世界がやってきそうですね。話は民間だけになっていますが、UAVに応用すれば発見しにくいISR機が生まれますね。

NASA: Electric-Propulsion X-Plane Is Just First Step

Jun 26, 2015 Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology 

http://aviationweek.com/technology/nasa-electric-propulsion-x-p

NASAが電気推進航空機で一歩前進した。高効率、低騒音、低排出ガスで航空界を一変する可能性を機体を実証し、今後整備する価値があるかを示す課題が技術陣に課せられている。

NASAは3ヶ年予算15百万ドルで分散型電気推進distributed electric propulsion (DEP) 方式のXプレーン一機を飛行させる。実証機は既存の軽量航空機を原型とするが、技術効果が証明できれば、その後9席の実証機を製作し、さらに60席から90席規模のハイブリッド電動リージョナル旅客機に進化させる大胆な構想を持っている。

ただし課題は多い。NASAは収束型飛行技術Convergent Aeronautics Solutions (CAS) プロジェクトとして先行しているが、2014年にNASAは革新的航空機構想Transformative Aeronautics Concepts 事業として開始したものをCASに変更したものだが、NASAは往時のXプレーンで見

事業ではイタリア製テクナムTecnam P2006T ピストン軽量複座機を分散型電気推進に改造し、複数バッテリーで小型電動プロペラ10から12基を動かすもので、プロペラを主翼前縁に配置し、主翼上の高速気流を誘導し、低速でも揚力を確保して主翼を大幅に縮小し、巡航飛行中の飛行効率を高くする。

ケイプエア(短距離路線の定期運行社)はNASAと協力して9席の「超短距離」輸送機の仕様つくりに参加している。Credit: NASA


このXプレーンは現在NASAアームストロング飛行研究センター(エドワーズ空軍基地内)で地上テストを開始しようとする地上実証機に続くもの。この実証機の主翼は31フィートでDEP方式で前縁に合計18基のプロペラをつけ、トラック上に架装されている。エドワーズ滑走路を時速80マイルで走行させ、NASAはDEP方式の効果を実測する。

NASAは分散型電気推進方式をオンデマンド型航空輸送on-demand aviationの実現手段と見ており、個人用航空機、超短距離通勤用航空機からリージョナルターボプロップまで用途は広いと想定する。しかしまず画期的な技術の有効性を証明する必要があり、航空力学上の性能や推進手段の効率、運航コストの削減、排出ガスや騒音の低下、さらに飛行そのものの快適性を逐次証明することが求められている。

Xプレーンは飛行テスト開始を2017年と想定し、四段階で進める。最初の目標は巡航飛行時のエネルギー必要量を5分の一にすることで、このため小型化した主翼他が活用される。最低でも効率を3.5倍にしたい、とNASAは説明している。

これだけの節減ができる背景には2つある。まず炭化水素燃料を燃やす飛行から電気推進に変えるだけでエネルギー利用効率は28%だったものが92%に引き上げられる。これで2.9倍から3.3倍の向上になる。その他の1.2から1.5倍の改善はエネルギー消費の引き上げをDEPのほか航空力学的改善と推進方式変更で実現するのだという。

トラックに架装された分散型電気推進方式主翼のテスト走行は時速75マイル(120キロ)に達した。エドワーズ空軍基地の乾湖上を走行した。Credit: NASA


主翼を小型化することでさらに向上効果が現れる。今日の汎用航空用機体では失速速度を61-kt. に設定した型式証明に対応している。これでは巡航時には効率が劣る。前縁プロペラからの気流を活用するDEP方式の主翼は速度61-kt. でも55-kt. の誘導速度がある。これにより失速速度の要求水準を主翼小型化しても対応でき、巡航時にも最適化ができるという。

さらに高揚力式プロペラは巡航時に停止し折り畳み、抗力を減らす。推進力は翼端のプロペラにまわされ、巡航に最適化され、翼端の気流渦からエネルギー回収ができる。NASAの風洞実験では1980年代に推進効率が9から15パーセント向上することが確認されており、大型で高速のリージョナルターボプロップに応用すれば20%引き上げられるという。

総合運航コストを3割削減することは一部は効率性の引き上げ以外に電動方式の採用で航空用ガソリンとの価格差から得る。電気コストは自動車用ガソリンの半分で、自動車用ガソリンは航空用ガソリンの半分だ。バッテリーのコストを勘案しても経済効果は大きいとNASAは見ている。バッテリーの充電サイクルは2,000回あるいは短距離飛行なら2,000飛行時間となり、その間追加エンジンで飛行中の充電は不要だ。

小型機の定期運行会社にとっては.バッテリー交換は二年おきになるはずとNASAは見ている。ケイプエアもその一社で同社はNASAへ開発で協力をしている。

Xプレーンの実証機はTecnam P2600T軽量ピストン機を改造して分散型電気推進式を採用した主翼に置き換える。Credit: NASA


オンデマンド方式の電気推進機が経済合理性を発揮するのは バッテリー密度が400-500 Whr./kgになってからだとNASAは説明。実証機のバッテリーは 200 Whr./kg だが200マイルの飛行は十分できる。バッテリー密度を引き上げることは航続距離を伸ばすことになり、300ないし400マイルの空路で営業するために必要だ。

騒音の目標は現在のプロペラ方式汎用航空機材より15-dB 下げることだ。電動モーターの静粛性および固定ピッチ式プロペラの端末速度を低くして離着陸が静かになる。 Cirrus SR22 軽量機のプロペラ端末速度は900 ft./sec.だが、実証機の高揚力プロペラでは 400-500 ft./secになる。また、各プロペラの回転数を微妙に変えて騒音はさらに減る。

その他に取り入れる改良点として推進力の余裕度があり、一基が停止しても十分な飛行制御が可能だ。電動モーターはプロペラやモーターの停止による失速を回避するため主翼上部を通過する気流の早さを加速すべく30ないし60秒なら50%の出力増加が可能だ。また原型のTecnam P2006Tの17 lb./sq. ft. に対して50 lb./sq. ft.の翼荷重にすることで乗り心地はよくなるはずとNASAは見ている。

XプレーンではNASAはP2006Tの主翼とエンジンを換装するが、胴体と尾部は原型のままとする。第一段階でNASAはオリジナルのP2006 Tを借り上げ、基本性能で改装Xプレーンと比較検証をする。第二段階では翼端巡航モーターとプロペラを原型機のピストンエンジンの代わりに装着する。

第三段階では翼端モーターとDEP主翼(前縁ナセル付き)でフライトテストを実施するが高揚力プロペラとモーターは装着しない。目的は巡航時の効率性の確認だ。第四段階ではDEPモーターと折りたたみ式プロペラさらに翼端モーターを装着してフライトテストを実施する。

事業全体の目標は分散式かつハイブリッド電動推進式航空機の型式証明手順を確立することだ。NASAはASTMインターナショナルの標準制定委員会と協力し、電気推進式汎用航空機の型式証明内容のコンセンサス作りをめざしている。XプレーンはFAAへの模擬申請の機会となり、型式証明の試行機会となる。その過程で指針や基準が制定されると期待する。

NASAは新規企業Joby Aviationや Zee.aeroとともに新型軽量航空機を開発しオンデマンド方式輸送手段にしようとしているが、Xプレーンは電動推進を大型かつ主流となる民間航空機に導入するための第一歩となる。工程表でつぎにくるのは 9席の短距離通勤用の実装機で2021年に飛行する見込みで、次代のハイブリッド電動リージョナルターボプロップ実証機の縮小版となるはずだ。リージョナル用の実証機は2026年の初飛行をめざす。

新世代の航空機には別の技術要素も導入する。例として高アスペクト比の主翼や抗力を減らす胴体構造、バッテリーとしても機能できる多用途機体構造で機体重量を減らすこと、電気系統の多重化で信頼性を確保すること、飛行距離を拡大する補助エンジンがある。各技術を早く実用化する分野に投入し、効果を確認し、その後大型機の需要に投入するのが目標だという。■

 
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2015/8/1  10:05

投稿者:!!

時代の早さに驚かされますw


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