2010/12/15
「読み書きソロバン!その3」
さてさて、最後はソロバンである。
実は私は、ソロバンの技術訓練から生じる
物心両面に影響を与える各種の効果こそ、
最も優れていると思っているのである。
このソロバンというのは実に便利な計算機器で、
パチパチと珠を弾くだけで、あっという間に
複雑な計算が出来てしまう優れものである。
人生の様々な場面で、人は数字と縁を切ること
が出来ないであろう。素早く計算ができるとい
うことは、頭の回転の速さにつながる。
要するに、正確な数値情報に基づいて機敏な
行動に移ることができるわけである。また、
計算能力の高さは、余裕を持って数値を計算し、
確認する時間を短縮できるわけだから、的確な
事象判断が出来る可能性が高くなる。
(「心算」ならたとえソロバンを持って
なくてもよいのである!)
が、それに加えて、ソロバンという機器を使う
計算技術と訓練は、ずばりイメージトレーニングの
方法としても大変優れていると思うのだ。
私自身はソロバンについて習った事はないし、
詳しくもないので、想像だけで書いているが、
聞く所によると、ソロバンを使っての計算技法
に習熟すると、「心算」といって、頭の中に
ソロバンのイメージを浮かべ、それをイメージで
弾く事によって計算が出来てしまうという。
つまり、ソロバンというビジュアルなイメージ
を用いて、その形の変化から計算の答えを瞬時に
観見する事ができるというわけである。実は、
これはかなり深いトランスで、心が高度な集中
状態でなければできないことだと思われる。
そのほか、聞き取り算や見取り算など、目や耳を
駆使して、精神集中の訓練としても優れた要素が
たくさん盛り込まれている。子供の精神力・脳力を
伸ばす訓練法として、これほど最適なものはないの
ではないだろうか。
読み・書き・ソロバン!ぜひ日本の教育に取り入れ
てほしいものである。
―以上、2006年2月の記事からの再掲でした―

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