ジャングル6日目
いよいよ終盤戦に突入し、やはりこの日も相棒は大ちゃん。ホントは1日ごとにメンバーの中で相方を入れ替えていくのがルールだったが、いつの間にか固定コンビになっていた。彼とはこの旅で初対面だったが、飲んべい同士とっても気が合って、毎日ヘベレケになるまで朝から飲んでいた(笑)。俺も相当だが、彼の飲みっぷりはそれ以上。まさに「酔いどれロボ」と言っていいほどだった(汗)。
さて、この日も大鯰用の餌を捕ることからスタートした。セーヤ君にロキソニンをもらい飲んでいるうちに、腰の痛みも消えちゃんと釣りができるようになった。キャンプ地からはだいぶ離れているが、急流に岩肌の島が無数に浮かぶポイントを流していると、爆釣ではないか!
今まで餌確保には割と苦労していたが、ここでは2種類のピーコックとブラックピラニア、ビックーダがビシバシとアタックしてくる。「もっと早く連れて来てくれよ〜」、ボートマンのおっさんはとぼけて笑う。
楽しいひと時が続くが、またズルズルと長引き、鯰釣りの時間が無くなる恐れがあったため、早めに鯰に移行する。

ブラックピラニアの頭、付け方はこんなん!(笑)。夢に溢れていますね(^-^)/

すると、大ちゃんに幸先よくジャウーきたー!

そのまま鯰を釣っていればいいものの、やっぱり飽きて来てルアーに移行すると、大ちゃんに60アップのピーコック。この地ではピーコックは60cm超えたら満足サイズだね。
そんなこんなで、お昼は再びブラックウォーターのプールに行くことに。水は綺麗だし、涼しいんだよね。タライロンにもリベンジしなくてはならないし!
この日はPE10号、大鯰用のタックルに変え、プールの中央に餌をぶち込む。しばらくして「コン、コン」とあたって、「ジジジジィィ」とラインが出る。ドラグをガッチリ締めて、「グリグリ、グリグリィィー」と容赦なく鬼巻きすると、上がってきたのはまさかのタイガーショベルノーズだった。「こんなブラックウォターの狭い水域に、鯰もさしてくるんだな!?」、驚きながら魚体に目をやると黒々しく染まるボディにさらにびっくり。
「これ、ブラックタイガーショベルや!」と喜びながら記念撮影(大ちゃんのカメラで撮って、もらってなかったので、手元に写真がありません…)。
その後、タライロンは来なかったが、満足してお昼ご飯になった。ピーコック・ブラックピラニア・昨日の鮒っぽい魚を焚き火で焼く。

見かけは…だが、「美味いなぁ…(幾分アマゾン補正が効いていると思われるが)」。

その後、大鯰は釣れずにキャンプに引き返した。夕マズメのラストチャンスに、岬の先端に舟で渡してもらい釣りを続けていると、大ちゃんにピライーバと思われる大きなアタリ。しかし、直ぐにバレてしまう。
日もすっかり暮れてしまい、キャンプに帰ろうと大声を上げると、セーヤ君が平坂さん・Iさんと共に、鉄製のカヌーを漕いで迎えに来てくれた。話によると、カヌーは設計が滅茶苦茶で、酷く不安定ですぐにひっくり返るらしい。さっきまでワニを追っていて、2回も転覆したという…。
乗り込んでみて、「なるほど、これは怖い…」。ちょっとでも体を傾けるとバランスを大きく崩してしまう。乗員が2人増えて全5名。限界に近いバランスでキャンプへとゆっくりと進んでいく。しかも、俺を含めて3人がカナヅチという…。
ふと閃いて、突然立ち上がり、俺はダチョウ倶楽部・上島の一発芸「殺す気か〜!!」と叫んでみると、カヌーは大きく揺れ、あわや転覆の危機。その時、Iさんがブチ切れて「殺すぞ、コラァァァァ!」と叫んだ。あの温和だったIさんのあまりの剣幕に「スミマセンでした…」と呟き、あとは大人しく波に揺られた…(-_-;)。
・・・・・・・
ジャングル7日目
いよいよ最終日になってしまった。目的地はもう決まっていた。4日目から、ボートマンはずっと同じおじさんだったが、今一つ、ポイント選びから全てに何か物足りなさを感じていた。ただ、ふとしたことで糸を垂らしたポイントで大きなピライーバをバラし、そこに大きな可能性を感じた。あそこには大鯰が生息する絶対的な理由がある。結果は出せなかったが3日間粘ってきた。俺達に残されたポイントはあの場所しかない。
昨日と同じ島を巡り、短時間で餌を確保し、ピライーバ釣りを開始する。アタリを待ちながら、ライトタックルで子鯰を釣って餌の補給も怠らなかった。この鯰はライブベイトで使うとホントに良く大鯰が食ってくるイイ餌だ。

何事も起こらずに昼近くになって、餌が底を尽きてきたため、岩場に大ちゃんを残して俺が餌を補給しに行くことになった。
十分な餌を釣って、約1時間後岩場に戻ると、大ちゃんが興奮気味な面持ちで俺を迎えた。「武さんが行ってすぐ、全てのロッドにアタリがあって、全部根に潜られました…」。「えっ!?(*_*)」、大ちゃんの仕掛け2本は既にブチ切れて回収されており、俺の1本だけがいまだに潜られたまま微動だにしない。
そこでボートに乗って逆方向から引くと、ズリズリと岩に擦れながらも上がってきた! ラインはもうズタズタだったが、ギリギリのところでジャウー捕獲!

ボートがあったら全部獲れていた可能性もあり、餌を捕りに行ったのは失敗だったか…?
一息ついて、一人で3連続のアタリを経験した大ちゃんは早く餌を投入したいらしく、俺の釣ってきたブラックピラニアを直ぐに投入した。一方、俺はズタズタになったラインをのんびりと結び直していたその時だった。
「ジジジジジィィィィー」、投入して間もなく、ラインが勢いよく出ていった。大ちゃんとおっさんがボートに飛び乗ったのを確認し、急いでボートを押して川へと進ませ、一人岸に残された俺は彼らの戦いを見守った。
「なんか、デカそう…」、あっという間に遥か彼方にボートは行ってしまった。10分ほど経過しただろうか? 大ちゃんの歓喜の声がこだまする。「やったか!?」、ゆっくりと近づいて来て、そして目の前にそいつが現れた。
「デカっ! いや、デカ過ぎる…(*_*;」。そして、そのサイズもさることながら、顔半分がくっきりと白く分かれていて、威風堂々としたその巨大魚は威厳に満ちて水中に横たわっていた。

2mオーバー! なんだか圧倒された。

二人で仲良く、記念撮影。「大ちゃん、おめでとう!\(^^)/」。
キャンプに戻ると、本日、平坂さんが釣ったという電気ウナギが食堂にあった。俺も1回だけブラジル・アマゾンで釣ったことがあるが、最高電圧は600〜800Vとも言われる恐怖の怪魚、危ないので直ぐに逃がしてしまった。そんなものを持ってきて食べようとするなんて、変態過ぎる\(^^)/
でも、調理に取り掛かる平坂さん、凄く嬉しそう。

紅一点、サトちゃんも加わって、調理は進む。

やがて、「電気うな重」が完成したらしい(^^)

でも、味はかなり微妙だね…(-_-;)。まぎれもなく日本人が想像するウナギではない。なんか変な動物の脂身を食っているような、不快な食べ物(*_*)
さてさて、愉快な仲間たちとの楽しい日々も終わりを迎え、村に戻って、小さな商店でビールを買って乾杯! 少し冷たいのが嬉しい。「また、帰らなきゃな…」、ぼんやりと思った。

正直、負け旅だった第一回のガイアナ旅(-_-;)。敗因を述べると、先ずガイアナもそんなに爆釣!ということはなく、目的を明確に定めしっかり狙っていかないとダメだったなと。浮足立って色々やってしまった感がある。そして、我ながら飲み過ぎだったなと…(これ一番)。
2015年から、なんとなくストレスが溜まり、飲むとヘベレケになる傾向にあったが。2月、後に手術につながる足の痛みが発生し、また母親の膵臓癌も発覚し、余命が・・・(T_T)。なんか全てのストレスを酒につぎ込んでいた感がある…(安心してください。今は家ではアルコール度数10%以上の酒を飲んでません)。
まあ、でもこの旅で、ほろ酔い加減ではあったが、「やるべきこと・やらなくていいこと」が全て完璧に見えたから2回目の遠征に繋がったかなと…。とっても楽しく、いいロケハンになりました(^^)。
ガイアナ釣行記完!